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meru2408
2026-06-04 19:50:29
5980文字
Public
モンギル
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クラベル(クラウド×ベルナ)
どんな状況であろうと俺の意思は変わらない
ーーーーーーーー
side:ベルナ
「おーい!ベルナ!」
仕事の終わり、クラウドに呼び出された。最近クラウドは一人で出かけることが多く、私は一人で依頼をこなしていた。
今日は私たち二人とも同じ時間帯に会うことが出来たため、その時が一番いい、話をしたいと言われ、待ち合わせ場所で待っていた。
「
……
何の話」
「何って
………
その、」
後で来たクラウドは一人じゃなかった。クラウドの後を
………
女の子がついてきた。手を繋いで。
「
……
ベルナに報告したいことがあってさ」
「
………
あの、こんにちは」
「
………
どうも」
ぶっきらぼうに返事をしてしまったのは許してほしい。なんせ仲良さげに二人で目配せしてるんだから。
「あのさ、ベルナ、」
「なによ」
「その
……
、
………
俺!この子と付き合ってるんだ!」
「
………
」
付き合っている。幼馴染が。私の知らない人と。
「その
……
ベルナさんに全然報告してなくて
……
すみません。機会が
……
今日この時間しか無かったもので
…
」
女の子は申し訳なさそうにしている。
「その、ベルナ?ごめんな、最近一緒に依頼行かなくて。
……
でも、この子のこと、大事にしたいっていうかさ
…
、」
内容が頭に入ってこない。
「ベルナが
…
許してくれればだけど
……
この子と一緒にいられる時間がほしくて
……
」
「
………
いいわよ」
「ダメだよな
………
えっなんて?」
「いいって言ってるの。別に私の許可なんて取らなくてもいいでしょ」
「
……
いいのか?」
「何度も言わせないでくれる?」
この幼馴染に私はどう映っているんだろう。所詮、幼馴染は幼馴染なだけなのだ。
「
……
やったな!」
「っ、ありがとうございます!ベルナさん!」
二人して手を取り合いながら喜んでいる。私は二人の門出を祝う親友ってところか。
「じゃあさ、早速なんだけど
……
今日、この子の家に泊まってもいいかな?」
「
………
」
「
……
ダメか?」
「
…
好きにしなさいな」
「よっっっしゃ!!」
「ふふふ、クラウドさんったら
……
」
女の子は恥ずかしそうに、それでいて嬉しそうに微笑んだ。
「
……
用はそれだけ?私まだ用事があるから先に帰るわよ」
「
……
ああ!ありがとうな!ベルナ!」
「本当にありがとうございました
…
!」
二人の嬉しそうな顔を見ようともせず、その場を後にした。
宿に着き、部屋に戻る。扉を閉め、鍵をしっかり掛ける。
「はぁ
………
」
深いため息が出る。
「
……
どうして」
自分の口から呪詛のような低い声が漏れる。
「なんで
………
ーーー、」
ーーーーーーーー
「
……
ーーーわたしじゃないの
………
」
そんな自分の言葉で目を覚ました。あたりが暗い。ベッドの上だ。自分はベッドの上で寝ていたのか。
「
………
」
上半身を起こす。目元からぽたりと雫が落ちた。手でそっと拭う。泣いていたようだ。一滴だけ、涙がこぼれていた。
「
………
」
まだ頭がぼーっとする。
……
さっきのは夢?それとも現実?あたりを見回す。暗いせいかよく見えない。今は夜か。
「クラウド
………
」
その幼馴染の名前を呼ぶ。夢か現実か分からないものを見て、まだ混乱しているかもしれない。とりあえずキッチンに行って水を飲んでこよう。頭がすっきりするはず。そう思ったその時、私のお腹までかかっていたタオルケットが急に思いっきりよれた。
……
隣で寝ていた奴が寝返りを打ったらしい。
「
……
、」
外側に体を向け、熟睡しているのは
………
クラウドだった。その黒髪にそっと触れる。
夢だった。さっきのはまごうことなき夢。現実では狭いシングルベッドで二人して縮こまりながら寝ていたのだ。
………
また変な夢を見てしまった。
「
……
く、
……
、」
名前を呼びかけ、止める。手もその肩をゆすって起こそうとしたが止めた。
…
さっきの夢にまだ翻弄されているらしい。
よれたタオルケットをクラウドに全部かけ、ベッドを降りる。キッチンに行き、カップの中に水を入れる。
「
………
ん、」
水を飲むとだんだん覚醒してきた。さっきの夢。
……
あれは現実じゃない。現実じゃないんだ。
女の子と手を取り合って喜ぶ幼馴染。女の子の家に泊まるとか言って。とても嬉しそうに。
……
女の子の家に泊まるとは、そういうこと。
ことり、とカップをシンクに置く。中身はまだ残っている。
「なんで変な夢ばかり見るのよ
………
」
一人呟いて、そのまま奥のベッドを見やる。何も知らない本人は起きる気配もなく熟睡中。そんな姿を見てると、なんだか無性に腹が立ち、またベッドに戻る。
「
………
クラウド」
ベッドの上に足を折り曲げ座り込む。名前を呼ぶが起きない。
「クラウド
……
起きて」
外側を向いているその体を何度もゆする。すると大きく身じろぎした体が天井を向いた。
ーーーーーーーー
side:クラウド
誰かの呼ぶ声で目を覚ます。体を大きく揺さぶられている。
「んー
……
?」
「起きてちょうだい
……
」
「なにー
…
?ベルナ
……
」
声のする方向に体を向けようとしたが眠気のあまり体が言うことを聞かない。仕方なく片手で声の主を探す。
「んー
…
どこ
………
、」
ぽんぽんと叩くように探していると、揺さぶっている主の手と重なった。
「あったー
…
ベルナ
…
」
「あったーじゃない。起きてよ
……
」
「
……
んー?
……
どしたの
……
」
その手を握り、寝ぼけ眼でベルナの方を見る。暗くてよく見えなかったがベッドに座って俺を起こしていたらしい。
「
………
」
「
………
ベルナ
……
?」
今は夜中
……
か。夜中にベルナが俺を起こすのは珍しい。何かあったんだろうか。
………
いや待てよ。
手を握ったまま上半身を起こす。何も言わないベルナを不審に思い、その顔を覗き込む。
…
けど表情が分かりにくい。
「ん
……
、ちょっと待ってて」
明かりを付けようとベルナとは反対のベッド下に足を降ろす。握っていた手も一旦離したが、その手が慌てたように俺の服をぎゅっと掴んできた。
「
……
どうしたの?」
「
……
やだ
……
行かないで
……
」
「ベルナ?」
「行かないでよ
……
」
デジャヴ。
……
なんかおかしいと思ったら。
「
……
明かりつけに行くだけだから、待ってろって」
そう言ってベルナの頭を撫でてやる。ほっとしたのか服の裾を握っていた手は離された。
ベッドから降り、明かりのスイッチを押す。一気に明るくなった部屋に固まって動かないベルナがベッドに座っていた。
「それで?今度はどうしたの?」
ベッドに上がり、その体を抱きしめてやる。強張っていた体が弛緩していくのが分かった。
「
………
」
「
……
今度はどんな夢見たの?」
優しく問いかける。
「あ
………
、
………
クラウドが
……
」
「また俺?」
「
………
っ、」
「ごめん、続けていいよ」
しまったつい口調が荒くなってしまった。前の時といい、ベルナは悪夢にうなされやすいのかな。
「
………
クラウドが
……
、」
そう言ってぽつぽつと夢の話をしだした。
ーーーーーーーー
side:ベルナ
「
………
そんな夢だったの」
「
………
はぁー
……
」
大きなため息にびくりとしてしまう。前も呆れていなかっただろうか。
「お前ってほんとに
……
」
ほんとに、
……
なんなんだろう。抱きしめられながらぼーっとした頭で考える。
「そんな夢見るなよな
…
」
「
……
そんなこと言ったって
……
」
見る夢なんか選べない。人間の頭ってそんな風に出来ているから。
「だから俺を起こしたんだな
……
それは偉い」
頭を撫でられては安心感が募る。夢と違って私のことを見てくれるのが
………
とても嬉しい。
「うん
………
」
でもさっきの夢がリアルに蘇ってきては現実になるんじゃないかと、まだ思ってしまう。
「
……
クラウドが、もし他の子と
……
付き合うんだったら
…
、
……
いっ?!」
「そんなこと思うんじゃない」
クラウドから強めに頭を小突かれる。結構痛かった。逆の意味で涙が出そう。
「だからって頭叩かないでよ
…
」
「いつもベルナが俺にやってることだろ。というかなんなんだよ付き合うって。お前がいるのに」
「うぅ
……
」
今度は怒気を孕んだ声でそう言われる。
「なんで夢の中の俺はベルナにそんな酷いことが出来るんだ
……
」
抱きしめられていて、顔は見えなかったが私の肩に顎を乗せて悲痛な声で話すクラウド。
……
クラウドもショックなのかな。
「
……
ごめんなさい
……
」
「
……
なんで謝るんだよ」
「
…
だって
…
」
「
………
」
「こんな夢も見るし
…
クラウドにも怒られるし
……
私
…
やっぱり
……
」
「
……
その続きは言わないでくれな?」
さっきより優しい声になったが、有無を言わせない圧がかかる。
「
……
、」
「
…
前にも言ったように、俺はお前を手放す気なんかさらさらないからな?お前がどう思おうとも、どんな夢を見ても、どれだけ俺から遠ざかろうと、
………
俺はベルナ、お前の側にいる。離してなんかやらない。というか縛り付ける」
「
………
」
「逃げ出さないようにな」
私の顔を覗き込んでそう言葉を口にする。
……
その笑った目が仄暗くて、なんだか、いつものクラウドじゃないような、そんな雰囲気がした。
「
………
ほんとに、そうしてくれるの
……
?」
「そうだよ。もう今からでも縛り付けたいくらい。だってベルナ、変な夢に惑わされて変になってるんだもん」
「変って
……
」
そりゃ変にもなる。あんな、夢を、
…
見せられて。何も思わない方がおかしい。
「
……
だから早まるな。お前がどんなものを見ようと俺の気持ちは変わらない。
…
分かってくれるだろ?」
「
………
ん」
こくりと頷く。その優しい声に安堵感で満たされる。ぎゅっとその体に腕を巻き付ける。
すると同じように背中に腕が回ってくる。
「愛してるから
…
お前だけ。本当にベルナしか見えてない。もう可愛すぎるし、恥ずかしそうにしてるのもグッと来るし、優しいし、すごくえっちだしいろいろしてる時も俺どうしてやろうかなって、」
「も、もういいから
…
!」
何を思ったのか私の好きなところをつらつらと挙げて挙句の果てには
……
そういう時のことまで喋るものだから待ったをかけた。
「いいや。お前はほんとに分かってないからな。分かってくれるまで喋るしいろいろする」
「分かった!分かったから!ちょ、待って、手!」
背中に回った手が服の内側に入る。すりすりと腰を撫でられてぞわりと肌が粟立つ。
「手がどうしたの?」
「どうしたのじゃない!んっ
……
クラウドっ
……
、」
「可愛いなぁ
……
こんな可愛くて大好きな恋人が悪夢にうなされるなんて
………
もっとこう、幸せな夢を見てほしいなぁ」
そう言いながら腰をなぞる手を止めず、耳元で囁かれる。言ってることはまともだけど行動も相まって怪しい感じになっている。
「ぅ、ん
……
、っじゃあ、クラウドが、幸せな夢
…
見させてよ
…
、」
「俺?」
ふいに腰の手が止まる。
「そう。
……
人は誰も夢なんて選べないもの。だったら幸せな夢が出てくるように祈りでもすれば
……
」
まあ祈ったところで結局見る夢はころころ変わるのだ。祈りなんてたかが知れている。
「祈り、ねぇ
……
」
何かを考えるようにゆっくりと上半身を離した。
「
……
そうだな。俺が幸せな夢を見せればいいのか」
「
……
え、うんまぁ
……
そうね
…
?」
なんだか変に納得した様子だけど、何に納得したのかしら。
「というか現実にすればいいんじゃないか?」
「
………
え?」
現実とは。さっきの悪夢が現実になるんじゃないかと気が気でないのに。
「俺が現にベルナを幸せにするんだって!っていうか今も幸せじゃないと嫌だけど」
「ふぇ、?なん、」
「よし決まり!ベルナを俺が幸せにする計画の始まりだー!」
「はぁ?!ちょっとどういうこと?!」
さっきまで静かに私につらつらとどれだけ好きかなどと話をしていた男が急に調子よく幸せ宣言(?)をしてきた。ほんとにどういうこと?
「
…
あなたまた急になんか思いついたわね?何する気よ」
「それは内緒ー。まあその時になったら普通に分かると思うけど」
「
……
怪しい
…
」
何かをしでかそうとせんばかりの笑顔でにこにこと私の手と自分の手を絡めてきた。
「というか元気になったじゃん?」
「
……
あ
……
、元気というか
……
、
…
確かに」
「良かった。今のも幸せ計画の一つになるね!」
「
………
」
なんだかクラウドの計画(?)の内容が分かってきた気がする。本当にこの男は
………
やさしい。
嬉しくて多幸感が舞い上がり、思わず絡めている手を握り返す。
「
……
現実のあなたのおかげかもね」
「だろ?現実の俺はお前に愛想尽かされるまで入れ込むからな!」
「愛想尽かされるって
…………
そんなんないから」
思わぬクラウドの発言にちょっと面食らう。
「あなた私に愛想尽かされるって
…
そう思ってたの?」
「ん?んー
……
まあたまに思うくらい
…
」
ちょっと目線を外しながら答える。
「
………
ふふ、なんかさっきとは真逆ね」
「
……
なんだよ、俺だって不安な時はあるって」
思わず笑みがこぼれ出る。結局どちらも不安の思いはあったりするのだ。クラウドも同じようなことを考えているのかと思ったら安心してちょっと脱力した。
「はぁ
……
もう寝ましょ。疲れた」
「もー
…
俺だって疲れたよ
……
」
そう言って手を離し、ベッドから降り、明かりを消すクラウド。
「あーなんか改めて思うんだけど、抱き合って一緒に寝るのって、なんかいいよな」
「何よ今更」
ベッドに戻り、私を羽交い絞めにしてタオルケットを掛け直した。私はというとそんな急に改めて寝る姿勢のことを言われてちょっと気恥ずかしい感じ。
「
……
次はいい夢見れますように」
「
……
ん、おやすみなさい
…
」
二人でまた就寝しようとした直後。
「
………
あっ!!」
「なんだようるさいな」
「いつもうるさいのはあんたでしょうが。
…
まだ水残ってた」
「水?」
「さっき起きた時に水飲んでたの。まだキッチンに置いてある
……
飲まなきゃ」
そう起き上がろうとしたところをまたベッドに沈められた。
「いいってもう。起きたら俺が洗っとくから」
「えー
…
でも、」
「はいおやすみー」
「んっ
…
ちょっともう
……
」
さっきより更に強い力で羽交い絞めにされる。
………
まあいっか。なんだかクラウドに水飲まされた気分。
諦めてその暖かい腕の中に体を丸め込んだ。
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