三毛田
2026-05-31 21:20:38
1067文字
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74 【74/チョコよりもっと甘いモノ】

74日目
君との時間

 茶色の、四角いお菓子を一つつまんで、口の中へ。
「こっちは?」
 粉がついた方もつまんで、口へ入れる。
「こら! ちゃんとピックがあるんだからそれで食べなさい!」
「はーい」
 チョコとココアが着いた指を舐めていたら、丹恒によってウェットティッシュで丁寧に拭かれ、なのには怒られてピックを握らされて。
「はい。これが、今日のチョコに合う飲み物」
「それと、座って食べろ。誰も怒らないし、盗らないからな」
「わかった」
 丹恒の隣に座り、俺用に取り分けられたチョコを、ストレートの紅茶と共に食べる。
「あーん」
「あーん。いいのか?」
「ああ。俺はもう満足したからな」
 丹恒の皿に残っていたチョコを、彼は手ずから食べさせてくれて。問いかけると、優しく微笑みながらまた一つを口へ。
「穹ズルーい」
「お前は姫子さんとヴェルトさんに一つずつ貰っていただろう」
 食べさせてもらっていたら、なのが抗議の声を上げて。でも、サラッと彼に俺と同じだけもらっているのだとバラされて。
「そ、それはそうだけどさぁ」
 ちょっとだけむすっとしながら、自分の皿のチョコを口へと運び。
「アンタたちがそうやって食べさせ合ってると、胃もたれしそう」
「なんでだよ」
「だって。チョコより甘いじゃん、アンタたちのやり取り」
 最後のチョコを名残惜しそうに食べつつ、そんなことを。
 言われたってわからないし、そんなことないだろうと丹恒と顔を見合わせるけれど彼は視線を逸らすだけ。
「丹恒。お前もそう思ってるってことか?」
 横を向くと、真っ赤になった耳。
 実は、無意識でやって後かそういうわけじゃないだろうな?
「丹恒先生?」
「その……改めて指摘されると、恥ずかしいと思った」
 わ~。照れてる丹恒ってレアじゃん? でも、俺と二人きりじゃない時なのが、ちょっと気に食わない。
「なの。今すぐさっきまでの記憶を消してくれ」
「流石にそれは無理だからね!」
 ごちそうさま。と、紅茶を飲み干して席を立つ。
 そしてようやく二人きりに。でも、ちょっとだけぎこちなさが。
 チョコよりも甘い空気になるはずだったのに、なんでだよ! って叫びたいのを我慢して丹恒の手にそっと触れる。
 そしたら、ビクッと肩を震わせて驚き。
「丹恒。食べ終えたら、俺の部屋に行こう」
……ああ」
 残り数個を味わうように食べ、空になった皿とカップを片付けてから彼の手を取り部屋へ。
……
……
 ベッドに腰かけ、どう言葉を駆けようか悩んで。
「丹恒いいか?」
「ああ」