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燈 ともしび
2026-05-31 21:18:18
1204文字
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ぎゆさね【take me home】
キ学軸。恋人の取説
「ただいま」
残業を終え、よろよろになりながら自宅に帰る。疲れた。本当に、心も身体も疲れた。
でも家に帰れば先に帰っているはずの恋人が待っているからと、それだけを楽しみにひたすら無心で足を動かして帰ってきた。
が、いつもなら玄関で出迎えてくれる不死川の姿が見えない。まさか帰ってきていない? と心配になり慌ててリビングに続くドアを開けると、ソファで居眠りする白い頭が見えてホッとした。
物音を立てないように近寄り、ソファーを覗き込む。テーブルの上には参考書や要点が書き込まれたノートが開かれたままだった。多分、次の授業の予習をしていたのだろう。不死川の授業は分かりやすいと生徒から評判だけれど、こういった日々の努力の積み重ねがあるからなのだと思う。
俺は初めて会った時から不死川の顔が美しくて可愛くて格好良くて大好きなのだが、時間や労力を惜しまず努力する頑張りやな性格も大好きだった。つまりめろめろなのだ。
宇髄にはよく、俺が不死川のことを溺愛してると言われるがその通りだ。目に入れても痛くない。まあ、不死川は大人しく入ってくれるタイプではないが、そこも良い。
もう少し近寄ると、スゥスゥと気持ち良さそうな寝息が聞こえてくる。目を閉じているとあどけない顔をしている。可愛い。いつまでも見ていたい。
でもここで寝ていては風邪をひいてしまいかねない。慌てて立ち上がり小さめの毛布を持ってきて不死川に掛けると、そのまま寝巻き代わりのスウェットを掴んで風呂場に行く。
どうせ明日は休みだから、俺もさっさと風呂に入って不死川と一緒に寝ようと思った。いつも早起きだから明日は二人で寝坊してそのあと洗濯すれば良い。そして近くの美味しいパン屋さんで朝昼兼用のご飯を買ってこよう。腹一杯になったらまた昼寝しても良いし、眠くなかったら撮り溜めていたドラマや映画を観ても良い。
シャワーを済ませて髪の毛をざっと乾かす。完全に乾かさないと翌朝髪の毛が爆発するが、明日は休みだから構わない。それに爆発頭を見ると不死川は大笑いしてくれるから良いんだ。
気付けばご機嫌に鼻歌まで歌って。帰宅するまでに感じていた疲労がするすると溶けていった。不死川と一緒にするあれやこれを考えているといつもこうだ。不死川はやっぱり俺の癒しでパワーの源だ。
リビングのドアを開ける。不死川は変わらず毛布の下でスヤスヤと眠っていたが、その身をそっと抱き上げた。気持ち良さそうに寝ているし起こしたら可哀想だけれど、そろそろ夢の中から俺の腕の中に帰ってきて貰わないと困る。
「ん、とみ、おかァ
……
おかえ」
「うん。ただいま。待たせてごめん」
抱き上げた唇へ、ただいまのキス。あと寝ぼけているうちにおかえりのキスも勝手に貰っておく。
「ん、う
……
」
不死川は腕の中で気持ち良さそうに笑う。
だからおやすみのキスもしておいた。
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