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燈 ともしび
2026-05-31 21:05:53
1102文字
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ぎゆさね【おでこ】
キ学軸。日常の中の愛情
「ほらやるよォ」
なんて、洗面所で恋人からなにやら水色のくしゃくしゃした物を貰った。不死川がくれるものはなんでも嬉しいので無意識のうちに受け取って広げてみる。
が、やっぱり用途が分からない。
「実家の時は姉さん居たんだろうがァ」と呆れ半分、しょうがねぇ奴という笑い半分で説明してくれたところによると、顔を洗う時に前髪を上げるのに使うヘアターバンなるものらしい。俺は不器用なのと面倒くさがりなので顔を洗う時によく前髪をびしょびしょに濡らしてしまい、湿っている状態で家を出ることがある。ドライヤーを出せば良いのだろうがそれが面倒くさいのだ。これはそんな俺を見かねた不死川が気を利かせて買ってくれたものらしい。嬉しい。愛を感じる。
改めて手の中の物体を見つめる。
そう言えば姉さんも朝起きた時や家に帰って来た時に同じようなものを頭に付けていたのを思い出した。ピンク色のふわふわしたやつを。
「ちなみに俺も付けてるけどォ」と不死川が言うが、付けているといつもより顔が幼く見えて可愛かったから顔しか見てなかったのでこちらは記憶になかったようだ。正直に申告したら不死川は大笑いしていたが、愛されてんなァ俺は、と言うので勿論だと返しておく。
「ありがとよ。ほら、さっそく使え」
「ありがとう」
手慣れた様子で自身の頭に付ける不死川に倣い、俺も手こずりながら頭に装着する。
なるほど、これは確かに顔が洗いやすくなるし前髪も濡れなさそうだ。とても画期的だった。
いちいち感動している俺を横目に不死川はさっさと先に顔を洗い、俺に洗面台を譲ってくれた。優しい。大好きだ。二度目の告白は笑って受け流されてしまったが。
不死川に怒られるので共用の洗顔フォームを使って顔を洗う。以前は水だけで洗っていたので怒られてしまったのだ。教師という立場なのだからもっと身なりに気を遣えと。でも俺が青や白のジャージで通勤したり働いているのは良いらしい。体育教師の正装だからと言われた時は感動すらした。やっぱり俺の不死川は優しい。
そして洗い終わってもやっぱり前髪は濡れていなかった。凄すぎる。使いやすいし、色も不死川のと色違いで良い。これは最高のプレゼントだ。
「大袈裟ァ」
と不死川は笑うが俺はそれくらい感動していた。
感動のあまり、衝動的にまだ額を出したままだった不死川のおでこにキスをする。
不死川は驚いて目をまん丸にしていたが、その顔がめちゃくちゃ可愛かったので今度は唇にもキスしてしまった。
なるほど。これはキスもしやすくなる大変素晴らしい品だ。
嬉し過ぎて今日は良い日になりそうだと思った。
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