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meru2408
2026-05-30 20:36:08
6617文字
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モンギル
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クラベル(クラウド×ベルナ)
寝不足注意報
ーーーーーーーー
side:ベルナ
「はわぁ
……
」
大きな欠伸が出る。時刻は深夜3時。明かりはほぼ消してテーブルに向かって作業をしている。ベッドには夢の中であろう主が大の字で寝ていた。
「んー
…
、と。ここのモンスターは
……
、」
一人小声でペンを走らせていく。だいぶ眠くなってきた。
……
4時になったら終わろう。そう思い、気を立たせるために首をぶんぶんと振って、集中する。
一時間後。作業が終わった私はテーブルの上の物を片付け、就寝の準備に入る。小さな明かりを消し、そっとベッドに入る。寝入っているクラウドは起きる気配はなく、ほっとした。
……
だってこんな時間まで起きてたらまた何言われるか分かったもんじゃない。
最近、深夜にこっそりベッドから抜け出し、テーブルの上で作業することが多くなった。やることが多いというものもあるが、私はちゃっちゃとやることを済ませたい派なので、大量にある資料をまとめたかったのだ。
「ふぅ
……
」
布団に入り、布団を蹴飛ばしている隣の足を中に入れてやる。これでも起きる様子はなかった。
……
まさかまた狸寝入りとかしてないでしょうね
…
?
…
まあどっちにしろもう寝るけど。4時かぁ
……
寝れるかな。そう思いながら目を閉じた。
ーーーーーーーー
数日後の深夜。
「んー
…
」
テーブルの資料とにらめっこするも、なんだか集中力が続かない。さっきからテーブルに突っ伏しては書いて、突っ伏しては書いての繰り返しだ。
ここ最近ずっと深夜まで起きていることが多かったせいか、体が若干気だるい。目は冴えてはいるが集中力が保てない。
……
ちゃんと寝ないとな
……
。
でもこれあと一枚終わったらひと段落するからとりあえずこれだけ済ませてしまおう。
そう思って資料を書き進める。
「
………
ベルナ?」
「
……
っ、!」
やばい、やばいやばいやばいあいつが起きてしまった。今までちゃんと寝てたじゃないの!
「
……
そこで何してるんだ?」
「
……
ちょっとだけ資料の作成してるの」
「ふーん
……
」
なるべくベッドの方を見ないようにしてテーブルを睨む。
どうかそのまま寝ますように
……
!心の中で祈りを捧げる。
「
……
ん?
……
え?え?4時?!」
くっ
……
ダメだ。今の時間帯に気づいてしまった。
「え?お前
……
この時間まで起きてたの?」
「
………
途中から起きてやってるから心配しないで」
「
………
」
無言が怖い。私は何事もなかったかのようにペンを走らせようとした。
……
けど。
ごそごそ、
…
とん。すたすたすた。なんかこっちに近づいてくる。
「ベルナー?なんで夜更かししてるんだ?」
「いっ
……
、別に夜更かしじゃない!さっき起きたの!」
「嘘つくなよ」
ペンを持っている手首を握られ、そのまま上へ持ち上げられる。
「じゃあこのたくさんある資料はなんなんだ?終わったやつなのか?」
「うぐ
………
」
「そうなんだろ?」
目ざとくテーブルの上のものを見つけられ、咎められる。掴んでいた手首を離されたのと同時に、ちょっと間が空き明かりがつけられた。
「う、」
まぶしさに思わず目の前に手をやる。その手をぐいっと降ろされた。
「
……
ベルナ。クマが出来てるぞ。さては毎日この時間まで起きてたな?」
「
……
ま、毎日じゃないわよ
……
」
「ベルナは嘘つくのが好きなんだな?」
「
……
っ、
……
毎日、です
……
」
得も言われぬ威圧感に顔を逸らしてしまう。一瞬クラウドの怒ったような顔が見えてちょっと体ごと引いてしまった。
「
……
はぁ。この前言ったじゃないか
…
ちゃんと体を大事にしろって。早々に約束を破る気か?」
「
…
早く終わらせたいのよ。早く終わったらそれほど肩の荷が降りるでしょ。だからやってるの」
「
………
」
ちょっと自己中心的だっただろうか。クラウドの体を大事にしろという言葉を反芻する。
……
私も、ちゃんとクラウドのことを考えないといけないわね
……
。
「
……
分かったわよ、今日はもう終わりにするから。だから
……
そんなに、怒らないで
…
」
語尾が小さくなってしまったのはしょうがないと思う。私だってクラウドに怒られるのは好きじゃない。
「
………
じゃあ早くベッドに戻って」
「
……
うん」
離された腕をさすりながらペンと紙を鞄にしまう。
……
あれ?そういえば。
「さっきの資料
…
ちゃんと書いたかしら?」
鞄から再び紙の束を取り出し確認しようとすると、
「ベルナ?明日にしろよ?」
にっこりと笑った顔に覗き込まれ、渋々鞄に戻した。
ーーーーーーーー
次の日。というか朝。
「
………
」
寝れなかった。4時頃にクラウドと一緒にベッドへ潜ったはいいものの、何故か目が冴えて眠れなかった。寝ようとして何回も寝返りを打っていたら、クラウドに羽交い絞めにされ、渋々目を閉じていたんだけど。
……
全然寝れる気配がしなかった。
抱きしめられた状態のまま目を閉じておよそ3時間経過して、ぐっすり寝ていたクラウドを起こし、着替え、朝食を食べ、村の人たちの依頼を朝からこなすこと計5時間。時刻は午前9時過ぎになっていた。
「あの
……
大丈夫ですか?具合が悪そうですけど
…
」
「
……
あ、大丈夫ですよ!少し眠たいだけなので!」
しまった。ぼーっとしてた。心配そうに私の表情を窺う女の子と目線が合う。本当は全然目が冴えているけど。
「そうですか
…
?なんなら私のことは後回しでもいいので休んできては
…
?」
「そういうわけにもいかないですから。次の依頼もありますし」
気丈に構え、にこにこと笑って見せる。
…
今の私ってそんなに顔色酷いかしら?
ちなみに今クラウドは一緒にいない。さっきまで二人で行動してたんだけど、近くのおじさんに呼ばれ、クラウドは少し離れたところに行っていた。
「うーんと
……
、これと
……
これと
…
あれもか。じゃあこの材料を5個ずつ取ってくればいいんですね?」
渡された紙の内容を確認していく。
「
…
はい。お願いできますでしょうか?」
なおも心配そうに答える女の子。
…
今日は昼間に資料をやって、夜はちゃんと寝なきゃな。
………
ん
……
。
「
……
ベルナさん?」
「ああうん
……
大丈夫よ」
なんだか急に眠気が来だした。さっきまで冴えてたのに。
「本当に、休んだ方がいいのでは
……
?」
「ん、うーん
……
とりあえず
……
これだけでも
……
」
そう言いつつ、ふらりと体が傾く。ぱさりと音がした。
「ベルナさん!やっぱり休みましょう!」
「大丈夫
……
少ししたら
……
治る、
……
から
……
」
なんだか意識が遠くなっていく。地面も近くなっていく。
「ベルナさん?!ベルナさん!!」
女の子の声だけが頭の隅に響いていった。
ーーーーーーーー
side:クラウド
「そうかい?そいつは大変だな
……
ちゃんと見てやれよ?」
「
…
はい、そのつもりです」
近くのおじさんに呼ばれ、調子はどうか尋ねられる。ベルナが最近ちゃんと寝ていないことを伝えると心配してくれた。
「あの子は負けず嫌いなところがあるからなぁ。お前さんも苦労してるな
…
」
「はは
……
まあでも昔からなので」
そう。ずっと昔から二人で過ごしてきた。ベルナのそういう性格も十分承知していて、恋人になったんだから。
そんな話をしていると、女の子が走ってくるのが見えた。俺を見つけると焦ったような、安心したような顔になる。
「はぁ
…
!はぁ
……
!く、クラウドさん!!」
「えっ、なに、どうしたの?!」
「あのっ、えっと、けほっ、」
「と、とりあえず落ち着いて
…
何かあったの?」
息を切らす女の子を宥めながら聞く。
「あの
……
ベルナさんが、
…
ベルナさんが!私と話している時に、倒れちゃってっ、」
「な、」
は?なんて?倒れた?
「早くっ、来てください!」
「
……
行ってこい!」
「すみません!!」
おじさんに発破をかけられ、女の子と一緒に走っていく。
二回通りを曲がると、数人の人だかりが心配そうな顔で輪になっていた。
「すみません!ちょっと通して
………
ベルナ!」
輪の中でぐったりと地面に伏せっているベルナを見つけた。
その体を抱き、名前を呼ぶ。
「ベルナ!おいしっかりしろ!ベルナ!」
返事がない。呼吸はしているようだが、顔色は悪く、ゆさぶっても目を覚ます気配はない。
「
……
くそ、だからちゃんと寝ろって言ったのに!」
ベルナを抱きかかえ、心配している側の女の子に声をかける。
「忙しい所ごめんだけど、診療所のフランシスって人を呼んでくれる?俺たち宿に戻るから」
「はい!すぐ行ってきます!」
「ありがとな!」
そう言って、その場を後にした。
ーーーーーーーー
「ふんふん
………
なるほどねぇ
………
」
「
……
どうなんだ?」
「
……
寝不足ね。それも結構な。簡単な診察をしてみたけどいまのところ他の異常は無いわ~。けれど
……
ちょっと体
……
というより頭の方に負担がかかってるみたいねぇ」
「
………
やっぱり」
宿の部屋にベルナを運び込んだ後、数分ほどでフランシスも来てくれた。
…
後で女の子にお礼をしないといけないな。
「多分、外で倒れたのは寝不足による気絶。今は眠っているわ」
「
………
はぁー
……
」
とりあえず無事を確認し、思い切りため息が出る。
「今度は最近夜更かしをするようになったんですってねぇ~?ベルナも可愛いところあるけど、もうちょっと自分を労わってほしいわねぇ~
…
」
「
……
全くだよ」
ちょっと困ったように言うフランシス。
……
本当に面目ない。
「私は患者さんがいればどこでも駆けつけるわ。特に友人の頼みだったら♡まあでも、元気に越したことはないからね~」
「そうだよな
……
悪い、呼びつけて」
「うふふ♡クラウドのその優しい所に、ベルナは惹かれたのね~可愛いわぁ」
「
………
はぁ」
ちょっと茶化し始めたのはベルナの容態が落ち着いているっていうことなんだろう。
「クラウド、一つ提案があるのだけど~
…
」
「
…
ん?なんだ?」
考えるように話しだすフランシス。提案?
「あなたもベルナと同じように行動してみたらどうかしら~?例えば~、夜更かしするとか♡」
「えぇ
……
?フランシス、さっきちゃんと労われって言ってなかったか
…
?」
思わぬ提案に頭の中がハテナに切り替わる。
「そう。ちゃんと体を労わらないといけないわ~。でもベルナはクラウドが何度言っても無理をしがちでしょう?だったら逆に、クラウドがちょっと無理をしてみたら?っていう話なのだけどね~?もちろん健康が一番だし、やらない方がいいのだけど」
「俺が逆に無理を
……
?」
「そうね。そうしたらベルナも心配する気持ち、分かってくれるんじゃないかしら~?今度はベルナが心配してくれる番ね♡」
そう言いながらベッド端に腰をかけ、ベルナの頭を撫でるフランシス。
……
なるほど。そういうことか。
「
…
それ、一理あるな
…
」
「ふふ、いい提案でしょう?」
にこにこと笑いながら帰る準備をする。
「じゃ、私はとりあえずこれで帰るわね。何かあったらまた呼んでちょうだい♡」
そう言ってフランシスは帰っていった。
ーーーーーーーー
side:ベルナ
「んん
……
?」
ふわふわとした感覚に包まれている。
……
私寝ていた?いつから?ここはどこだろう。
「ぁ
………
?
……
あれ」
目を開けると見知った天井が目に入ってきた。いつもの二人の部屋だった。
……
今何時だろう。
「うーん
……
」
唸りながら上体を起こして時間を見る。針が指しているのは
……
9時半。
「9時半
……
?朝
……
、じゃない
……
」
朝だったらとっくにカーテンを開けていて日の光が部屋に差し込んでいるはず。今はカーテンがきっちりと閉められていて、明かりが付いている。
「私いつから寝て
…………
はっ?!」
思い出した。そういえば朝に女の子と依頼のことで話をしていたはず。でももう夜になっているため、依頼がどうなったのか分からない。
「そういえば
……
話してる時に
……
」
女の子と話をしている途中から全然記憶がない。
……
もしかして。ふ、と横を見る。ベッド横に椅子を持ってきて、そこに座ってベッドに突っ伏しながら寝ている
……
クラウドがいた。私の片手を握ったまま。
「あ
………
クラウド
……
」
自分が今どういう状況なのか頭をフル回転させる。もしかしなくても、連日の夜更かしで、私、
……
倒れたとか?
「ん
………
?」
「ぁ
…
、」
クラウドがもぞりと動き出す。私の声が聞こえたのかもしれない。
「んぇ
………
あ?」
上体を起こし、ぼーっと私を見ていたが、
「あ?!ベルナ!??」
思い切り大きな声を出されて思わず耳を塞いだ。
「うるさっ
……
今夜中なんじゃないの?」
「
……
っ心配したんだぞ?!」
「わっ、ぷ」
ベッドに半分乗り込まれ、思い切り抱き込まれる。
「ご、ごめん
……
私、どうなってたの
…
?」
その大きい背中を撫でながら言うと、怒ったように、でも安心したかのように言葉が飛んでくる。
「お前朝倒れたんだぞ!?外で!だから言ったじゃないかちゃんと寝ろって!もぉー
…
ベルナはー
…
っ」
最後の方は半泣きの声になってきたのでとても申し訳ない気持ちになった。
「そ、そうだったのね
……
ごめんなさい
…
」
謝るしかなかった。自分の不摂生で周りにもクラウドにも迷惑をかけてしまった。ここで、自分たちの部屋のベッドで寝ていたっていうことは
…
クラウドが運んでくれたのだろう。
「あ
……
そういえば依頼
……
どうなったの?」
「
……
ベルナ」
「
………
う、」
ぽつりとこぼすと上半身を離され、明らかに嫌そうな顔をされたので思わず目を逸らしてしまった。
「
……
はぁ。依頼は他の人に任せてある。お前はしばらく依頼のことを考えるな。資料を書くのも俺がやる」
「え
……
でも、」
「ベルナ?」
「
………
はい」
じとりとした目で睨まれたため、否応なく返事をしてしまった。これじゃあ蛇に睨まれた蛙である。
「資料も
…
やってくれるの?」
「
…
フランシスに言われたんだ。お前は最近無茶しすぎるからって、だから代わりに俺がやる方がいいって」
「え?フランシスが来てたの?」
そういえばずーっと寝ていたから分からなかったが、倒れた時は周りに人もいただろうな。びっくりさせちゃったかも。
「あのなぁ
……
お前今の状況分かってるか?気絶したんだからフランシス呼ぶに決まってるだろ
…
」
「気絶
……
」
呆れたように言うクラウド。手は私の背中を撫でている。
「
……
フランシスの診断はなんて?」
「寝不足。寝なさ過ぎて頭おかしくなってるって」
「おかしいってあんた
……
」
寝不足は分かるが頭おかしいって言われるのは論外だ。何頭おかしいって。絶対フランシスそんなこと言ってないでしょ。
「だからしばらくはちゃんと寝る!夜中に起きだしたら問答無用でベッドに引きずり込むからな?」
「うぅ
……
」
「返事!」
「
……
はい」
もう既に問答無用な会話であるが致し方ない。今回はどう考えても私が悪い。自業自得だ。
「その
……
本当にごめんなさ、」
ぐぅ~~~~。ちゃんと謝ろうとしたところに間抜けな音が響き渡った。
「
………
」
「
………
」
「
………
お腹すいたんだろ。お前昼から何も食べてないし」
「
………
うん」
「ご飯食べる?」
「
……
たべる」
素直に返事をすると、「よし」と言いながら頭を撫でてくれ、キッチンに向かうクラウド。
「何か作ってくれるの?」
そう言って私もベッドから降りる。
「うーん
……
一応食堂から貰ってきたものもある
………
、こら、無理に動かない」
「
……
もう大丈夫よ。だいぶ寝て割とすっきりしたから
……
そんな目で見ないでちょうだい」
またクラウドに睨まれるも、負けじと睨み返す。
「
………
はぁ。無理するなと言った直後にこれだ
…
」
「あなた最近ため息をつくようになったわね」
「
………
主にベルナのせいでね」
そう言って側に来た私の頭に軽く頭突きをかました。
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