三毛田
2026-05-30 18:26:25
1072文字
Public 1000字7
 

73 【73/世界の終わりに見る夢は】

73日目
君が隣にいる方がいい

 あと数日で世界が終わると言われたら、どんな行動をするだろう。
 そもそも、世界が終わるって何があったんだ? って話で。
「丹恒は?」
「何の話だ」
「世界が終わる時、お前はどんな行動をする?」
「どうせ死ぬとわかっているのなら、静かな場所で読書をしているか眠っている間に終わっていた。というのもも悪くないと考える」
「なるほど」
 終わっていたら、それを認識できるのだろうか?
 という、、新しい疑問が出てきてしまった。
「そういうお前はどうなんだ」
「俺? 好きな人と一緒の空間にいたいかなって」
 まあ、それはつまり目の前にいるこの人なんですけどね。
「それも悪くないな」
「だろ?」
 笑いかけると、優しく頭を撫でてくれる。
「とはいえ、そう簡単に世界が終わるとは思えないが」
「ですよね〜」
 こういうところは現実主義なんだよな。まあ、そこも含めて好きなんだけど。
 夢を見た。
 どこか知らない世界。というか、これは多分宇宙だろうなっていう場所。
 宇宙を走る列車に乗って、旅をする俺。まあ、俺だけじゃなくて色々な人がいるんだけど。
 丹恒そっくりな人となのそっくりな人もいて。というか、俺の周りにいる人とそっくりな人がずっと関わっている。
 その旅も全てが順調ってわけじゃないし、色々な困難に立ち向かっていっていた。
 まるで物語のような旅。ちょっとだけ羨ましく思ったのは、内緒。
……
 ああ。どうせならば、こんな夢を見ながら世界の終わりを迎えたい。
 まあ、丹恒が言っていた通り、世界の終わりなんて簡単には来ないだろう。
 それならそれでいい。というか、そうじゃないと大変だろうなって。他人事に。
 夢の中の丹恒は楽しそうだし、幸せそうだった。
 彼らのように、俺も丹恒と幸せになりたい。そんな漠然とした目標。
「今はそれでいいか」
 自分に言い聞かせて、手元のスマホで時間を確認。
 まだ眠れるな。と、アラームをセットしてあるかを確認して体を丸める。
「隕石ならば、可能性はあるだろう。しかし、世界全てとなると難しいだろうな」
「ごめん。何の話」
「ああ。この間の、世界の終わりについてだ」
「そういうこと」
 昼休み。学食で日替わり定食を突いていたら、丹恒が突然そんなことを言い出して。びっくりしたけれど、理由を聞けば納得。
「ま、俺はお前と一緒にいられれば何でもいいよ」
 うん。味噌汁美味い!
……俺も、だ」
「そうかそ……ファ!?」
「穹、叫ぶな」
「だ、だって! 丹恒、今っ」
「思ったことを口にした」