ortensia
2026-05-30 00:36:40
795文字
Public フロムゲー雑多
 

ケネっさんと百智卿が話してる。ネフェリがリムグレイブ王になったところら辺の場面。

二次創作小説。逆に言うとここに到達しないとネフェリは義父に認められないというかそもそも義父が悪人なのだが…。

 百智卿が知識の前から離れることはあまりない。彼が耳を傾けるだけで、大抵は知識の方から彼の耳に飛び込んでくるからだ。あるいはそのために、ギデオン=オーフニールは至る所に耳の手筈がある。
「貴公も一度足を運ぶが良い。ストームヴィル城に。ネフェリ王の、正しく強き姿を見に。」
 だからケネス・ハイトがそう言うのにも、耳を傾けた。しかし彼は耳ではなく、目で見に来いと言った。ご照覧あれと申すか。褪せ人は溜め息をついた。
「なんだ。貴公はリムグレイブどころかエルデの王を目指す褪せ人だから、小さな領地程度訪ねる気はないと?義父のくせに?」
……そういう事ではない。」
 ケネス・ハイトがギデオン=オーフニールの重い息を勘違いして憤慨する。それすらも百智卿は溜め息をこぼす。
「耳に入れるまでもない。ましてや、目に入れるまでもない。……あの娘が、そうなるさまを。」
 百智卿は知った。エルデの王となるべくして呼ばれた褪せ人は、しかしその王にはなれない。例え気概ばかりは相応しくとも。
 だからリムグレイブの王にならば、造作もないのだ。自分のことを戦士だ戦士だと繰り返すばかりだったあの娘でも、その気概は、それに相応しいのだから。
 逆に言えば、何かの間違いでエルデの王なんぞになってしまってはならない。エルデの王なんぞに。
 ギデオン=オーフニールはケネス・ハイトを見遣った。
……君の視座には、狂いはないようだ。」
 百智卿がそう言うと、彼は何かどうしようもないものを見るような生暖かい眼差しで見遣った後、ストームヴィル城に帰っていった。
 ケネス・ハイトのその視線は気に入らなかったが、ギデオン=オーフニールは円卓に戻り、知識の前に立った。聞いたものを整理し、思考する作業に戻るのだ。
 ただ、百智卿が耳を傾ける時、同時に何処からか、嵐のような力強い風の音が聞こえるようになったと言う。


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いつもリアクション絵文字等ありがとうございます。