内容はよくある冒険譚。おんなのこと色々なもう一人が力を合わせて家まで帰るお話。学校からの帰り道、もしこの公園の遊具が遊ばれる側ではなく遊ぶ側だったら……のような、ずっとしていた空想を形にした。路地裏には怖い大ねずみがいるし、側溝の暗闇からは手が伸びてくる。
『おんなのこ』は三寿々を投影したもの(とはいえ本人ではない)、『もう一人』は、見た目や性格はそれぞれ違うのに、記憶は同じものを持っている。これは、たくさんの友達とずっと一緒にいる友達(所謂親友と呼べる位置のもの)、どちらも選びきれなかった三寿々がじゃあ一緒にしてしまえばいいや!とまとめたものである。同じだけど違って、違うけど同じ存在。モチーフは空。空は毎日違うのに、同じもので、ずっとついてきてくれる。から。
彼らはおんなのこのことを「相棒」、「親友」、「盟友」、「同志」、「パートナー」、「妻」、「夫」、「パル」などと呼んだ。表現は違えど、どれも隣に立つ者に贈る言葉だ。
(冒頭)
「あれ?なんだか、おかしい…」
家までの帰り道、ぽつりとつぶやきました。さっきまで、いつもとかわらないと思っていたのに、なんだかちょっぴりへんなのです。自分いがいにだれもいないし、くつも、こんなにはずみません。
(結末)
「次に出会ったら、今度は手をつなごう。」
その声を、よくおぼえていました。だから外を歩く時には、物を持たないのです。だって、ふさがっていたら、手をつなげないんですもの!
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