meru2408
2026-05-27 22:39:39
3617文字
Public モンギル
 

クラベル(クラウド×ベルナ)

君が大好きな朝



ーーーーーーーー
side:ベルナ



……うーん……

カーテンからこぼれる日差しで目を覚ます。うっすらと明るい部屋。朝が来たようだ。

「んー……っ、はぁー

精一杯伸びをして息を吐くと、だいぶ頭が覚醒してきた。ちょっと暑い。夏が近づくこの季節は朝方でも気温が高くなりつつあり、そのせいか布団を思い切り蹴飛ばしていた。
……横を見ると隣のやつも同じように蹴飛ばしているようで、一枚で使っている布団がもれなくぐちゃぐちゃになっている。

………

その寝顔をじっと見つめる。何にも悩みが無さそうな顔して寝ているこいつは、今私にご執心である。
この前も更に前も人前で触れてくるもんだから引きはがすのにとても苦労した。

クラウド、起きて」

その名を呼びかけるもまだ夢の中なのか返事がない。

「クラウドー?」

ぽんぽんとその腹を軽く叩く。それでも起きない。

………もう」

いつも先に目覚めるのは私だ。時々クラウドの方が早く起きることもあるけれど、体内時計が若干狂っているのか、この男は基本朝に弱い。……まあ私が早すぎるっていうのもあるんだろうけど。
すーすーと規則正しく寝息が聞こえる。体格がいい体。思わず上下に動いている胸に、頬を押しあてる。
とく、とく、と鳴る心音。なんだかその感覚が気持ちよくてしばらくそのままクラウドの上に上半身を乗せていた。

………はっ……

私は何をしているのだろう。慌ててがばりと身を起こすが、当の本人は起きる気配もなく口をだらしなく開けて寝ていた。
頬が熱くなる。今までたくさん触れ合ってきたとはいえまだまだ緊張はする。……だってこの男が大好きなのだから。

………

その顔を見る。あどけなさの残る顔を見ていると、思わず頬が緩む。こんな優しくていつも一緒にいてくれる人が、私のことを好きだと。……愛している、と、何回も。
その顔に自分の顔を寄せる。吐息がかかる距離、そこまで顔を近づけた。

……起きないと、キスしちゃうわよ」

罰なのかご褒美なのか分からない口説き文句をそっと囁いてみる。…………全然起きない。
こんな至近距離であればもうあえて大声出した方が普通に起きてくれるかもしれない。でも、もうちょっとこの寝顔を眺めていたかった。

「クラウド、」

こんなに呼んでいるのに全然起きないなんて。催眠術でもかけられているのかしら。
半開きになっている唇を見つめる。……………今なら。

……ん」

その唇に自分の唇を押しあてる。ふに、と柔らかな感触。起きないでいることをいいことに何度もその唇を食んだ。

「ん………………んぅうっ、?!」

唇を離そうとした直後、後頭部をガッと固定され、ぐっと唇を押しあてられる。

「んぅ、ふ、んんっ……!」

逃げ出そうと体を離そうとしたが思い切り腰を掴まれ、身動きが出来なくなった。
口の中にぬるりと熱いものが入ってくる。

「んむ、んっ……、」

だんだんと体の力が抜けてくる。ぬるぬると口内を舐められてとても気持ちがいい。お腹の奥がきゅうう、と疼いた。

「んっ……ぷは、はぁ……はぁ……、」
………へへ、ベルナーおはよう……

やっと唇を解放され、息を整える。

……おはようじゃないわよ!狸寝入りだったの?!」
「ちゃんとおはようって言って」
……~~っおはよう!」
「いででで」

朝っぱらからぶちかましたその頬を強めに抓ってやる。

「さてはずっと起きてたわね?」
「うん!ベルナが起きた時から」
「最初っからじゃないの!!」

なんともまあ意地悪い男である。………もしかしてあれも起きてたの?クラウドの胸の上に伏せっていた時も。

………さっき俺の上にいたベルナ、すごく可愛かったよ。もう心臓が止まっちゃうくらい」
………~~~~バカ!!」

やっぱりか。私に関してだけ何故か抜け目がない。

「んー起きてる時もあんな感じで甘えてくれたらいいのになぁ」

そう言って私の腰に腕を回してくる。

別に甘えてるじゃないの」
「んーん。もっと甘えてほしい。それこそ俺が溶けちゃうくらいに」
何よそれ」

ふにゃふにゃと笑いながら話す今のクラウドは、どっかの女の子が見たら顔真っ赤にして卒倒するくらいだと思う。
それくらい甘い甘い顔だった。



ーーーーーーーー
side:クラウド



……うーん……

隣から聞こえる声で頭が覚醒する。起きたのかな。……でもまだ眠たい俺はしばらく目を閉じていた。

「んー……っ、はぁー

そんな声を出しているっていうことは伸びをしているのか。目を閉じていると、その可愛い声しか届かないため想像に徹するしかないのだが、想像だけでも可愛いからまだ目を閉じておく。

………

……?ふいに隣の動きが止まる。なんなんだろう。ぼーっとしているのか。はたまた何かを見ているのか。

クラウド、起きて」

ベルナの優しい声がかかる。そんなふわふわしたベルナをもっと見たいと思って起きようとしたけど、………ちょっとここから悪戯心が芽生えてきた。

「クラウド?」

腹をぽんぽんと叩かれる。寝起きのベルナはまだ頭が回り切っていないのか日中よりはるかに優しげだ。

………もう」

ちょっと困ったように呟くベルナ。困っているところもかわいい。とても。でもまだ起きない。
しばらくすると、俺の胸の上に何かが乗っかってきた。ぱさりとその髪が腕に降りかかってくる。
……ベルナが胸の上に乗っかっているようだ。なんでそんなかわいいことを。
猛烈に抱きしめたい衝動を抑えながら狸寝入りを決め込むと、しばらくして満足したのかその体は勢いよく離れていった。
あーもっと乗っかってほしかったな……

………

また静かになっている。何を考えているんだろう。……もしかして俺のことずっと見てる?目を閉じていてもなんだか突き刺さるような視線を感じる。
その時、ふっと口元に吐息がかかった。これはもしかして、もしかしなくても……

……起きないと、キスしちゃうわよ」

嗚呼…………言ってくれたな。恋人からのご褒美宣言。こんな近くまで顔を寄せて、そんなことを囁いて。
……もう起きてしまおうか。そう思ったけど、もし、その言葉が本当なら。

「クラウド、」

また名前を呼ばれる。……まだ我慢だ。少しの間があり、

……ん」

ふに、と唇に柔らかいものが当たる。というか押し付けられている。ちゅ、ちゅ、とついばむようにキスをされている。
ああ、もう、こんなかわいいことをして、こいつは。

「ん………………んぅうっ、?!」

満足して離れようとしたようだが、一瞬の隙をついて手でベルナの後頭部をがっつり支え、逃げようとした腰にもしっかり腕を回した。
もう限界だった。我慢なんて出来ない。

「んぅ、ふ、んんっ……!」

舌を捻じ込み、その口内を引っ掻き回す。

「んむ、んっ……、」

その体がかくりと傾きそうになり、しっかり支えてやる。

「んっ……ぷは、はぁ……はぁ……、」
………へへ、ベルナーおはよう……

悪戯心と多幸感がいっぱいになったところで唇を離した。ぜぇぜぇと息を整えているベルナがそこにいた。

……おはようじゃないわよ!狸寝入りだったの?!」
「ちゃんとおはようって言って」
……~~っおはよう!」
「いででで」

さっきまでの甘い恋人はもうそこにはいなかったけど、かわりに顔を真っ赤にした幼馴染がいた。
問答無用で頬を抓られる。

「さてはずっと起きてたわね?」
「うん!ベルナが起きた時から」

狸寝入りを咎められ、早々に白状する。こんなことで嘘ついてもベルナを傷つけるだけだと、学習したから。

「最初っからじゃないの!!」

ぷいと顔を背けるベルナ。あー可愛かったなぁ。そう思って、

………さっき俺の上にいたベルナ、すごく可愛かったよ。もう心臓が止まっちゃうくらい」
………~~~~バカ!!」

さっきのことを話すと、べしっと頭を叩かれる。照れ隠しなのかちょっと強めだった。

「んー起きてる時もあんな感じで甘えてくれたらいいのになぁ」

そう言ってベルナの腰に腕を回す。少し身じろぎはされたけど逃げる様子はなかった。

別に甘えてるじゃないの」
「んーん。もっと甘えてほしい。それこそ俺が溶けちゃうくらいに」
何よそれ」

ベルナの可愛いところも、もっともっと探さないと。一番奥深い所の柔い柔いところまで、もっとたくさん触れたい。
そしてさっきみたいに俺に……たくさん触れてほしい。


そう思う今の俺の顔は多分、今までで一番だらしない顔をしているかもな。