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meru2408
2026-05-26 23:20:58
5727文字
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モンギル
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クラベル(クラウド×ベルナ)
そんなことはお前以外ありえない
ーーーーーーーー
side:ベルナ
暗い廊下を歩く。仕事で夜遅くなってしまい、やっと今宿屋に入ったところだ。部屋の前につく。
………
なんだか変に胸騒ぎがする。
そっと扉を開けると中は真っ暗だった。もう寝ているだろう、そう思って部屋を静かに歩く。
「
……
んぅ
……
」
ベッドの方から声がした。起きてるの?
…
それにしては声が高いような。見ると布団がこんもりと山になっているのが分かった。
……
一人分の山じゃない。
ベッドの方に忍び寄る。
「ぁ、ん
……
」
女の声がする。
「気持ちいい
……
もっとして
……
、」
そこまで聞いて明かりをつけ、思い切り布団を掴み、ばっと引きはがすと、そこには。
「
……
?!ぁっ、」
「
……
ん?!」
私の幼馴染と知らない女が抱き合って横になっていた。
………
それも裸で。
「
……
何してるの」
「
……
ベルナ」
憎悪を込めて喋るものだからだいぶ低い声が出てしまった。それはもうしょうがない。この男に原因があるのだから。
「ん、あら
………
うふふ、彼女さんが帰ってきちゃったわねぇ
……
」
まだ夢見ごこちなその女の頭を引っぱたいてやる。
「やめろ、ベルナ」
「何してるのかって聞いてるのよ!」
たまらず声をあげる。なんでさも大事そうにその女を抱えているのよ。涙は出てこない。怒りしかなかった。
「
………
何って
…
、」
そこまで言ってふっと笑い、クラウドはーーーーーーー
「
………
んぇ、」
気が付くと天井が目に入った。真っ暗だ。
……
なんで。
しきりにあたりを見渡す。まだ夜中なのか部屋が静かだ。
……
女の声もしない。
「
………
」
静かにベッドから起き上がる。思わず頭に手をやる。しばらくぼーっとしていたためなのか、はたまたさっきまで見ていた光景の余韻があるのか、徐々に頭が覚醒していた。
「
……………
最悪」
夢の内容をはっきり覚えていてしまっていた。知らない女と裸で抱き合う幼馴染。横を見ると、当の本人は何も知らない顔ですやすやと寝入っている。
……
私の片手を軽く握りしめて。
その手をそっと離し、ベッドからよろよろと降りる。どこか、落ち着ける場所に。
ふらふらと部屋を一周したのち、落ち着いたのは狭いキッチンの間だった。そこの壁に背中をつけてずるずると座り込む。
「はぁ
…………
」
ため息つくのも仕方がない。えぐめの夢を見てしまったんだから。
……
なんであんな夢を見てしまったんだろう。
「
………
」
しばらくぼーっとする。さっきまで見た夢の余韻がかなり残っていて、未だ現実なんじゃないかと思い始めてくる。
多分、私の不安の心がそんな夢を見せたのだろう。
……
人は誰しも一つのことに固執するとは限らない。
クラウドだって
……
私に飽きる時が来るだろう。軽蔑、敬遠
……
確執。それも出てくるかもしれない。
現に今でも私はクラウドに甘えっきりなんだから。
……
だから、あんな夢を見る。
足を抱え、ぼんやりと一点を見る。
……
しばらくしたらまたベッドに戻ろう。
………
寝れるだろうか。
ーーーーーーーー
side:クラウド
「
………
ん
…
、」
布団の中に入る冷たい空気で目が覚める。
……
今何時だ?もう朝か
……
?
そう思って体をもったりと動かす。広くなった布団に俺の動きだけが振動する。
…………
ん?広くなった布団?
「んぁ
……
?ベルナ
……
?」
隣で寝ていたはずのベルナがいない。体温があったであろう場所は部屋の空気で冷たくなっていた。
上半身を起こして寝ぼけ眼で周りを見渡す。
……
いないな。またトイレか?というか部屋が暗い。ならまだ夜中ってところか。
「ベルナー
…
?」
部屋に対して呼びかけるも返答がない。
……
まさかこんな夜中に部屋から出た
……
?
外に出てるんじゃないよな?そう思うと頭がすぐに覚醒し、心配になって再度部屋を見渡す。
いない。返事もない。ベッドから降り、部屋をぐるりと一周する。こんなに歩いてもベルナの気配がない。
本当に外に出たのか?
…
そういえばキッチンの方を探していない。いやまさかと思いキッチンを覗き込むと、
「うわびっくりした!!!!」
キッチンの狭い隙間になんとベルナが座り込んでいた。思わず絶叫する。
「え!??ベルナ?!?こんなところで何してんの?!」
「
…………
え
……
?」
それもこんな真っ暗な中でキッチンに座り込んでいる。ただ事じゃない。慌てて明かりをつけると、足を抱えぼーっとした状態のベルナが姿を現す。
「え、なに
…
、どうしたんだよ?」
「
………
うん
……
」
返事もおざなりなベルナの目は虚ろだ。心配になり、俺もベルナの前に座り込むとその手を握る。
「
……
具合悪いのか?」
「
……
うん
……
」
「え?!悪いの!?」
「
……
うん
……
」
「ベルナ
……
、」
明らかに様子がおかしい。具合悪そう
……
には見えないが、全然話が出来ない。というかこんな大声出してもベルナはしゃんと喋ってくれない。思わずその足をそっと伸ばさせ、その上半身を抱きしめた。
「何かあったの
…
?」
「
…………
ん
………
」
ベルナの背中を撫でる。寝る前はいつものベルナだった。俺の言葉に突っかかり、たまに小突き、そして笑う。そんなベルナが夜中に起きてこんな状態になっているとは。寝ている間に何かあったとしか思えない。
…………
ん?待てよ?寝ている間に?
「
……
もしかして、悪い夢でも見たのか?」
「
………
、」
その背中がぴくりと反応する。
………
正解らしい。
「
…………
ふ、」
「
…
ベルナ?」
「
……
うぇ
……
、」
「え?!」
がばりと体を離すと、涙をぽろぽろこぼし始めていた。
「やっぱり悪い夢見たの?
……
教えて。どんな夢だったんだ?」
ベルナをこんな状態にさせる夢とは。
……
もしかして
……
俺の夢だったりする?
優しく声をかけるといやいやするように首を横に振る。
「大丈夫だよ、ただの夢だって。
……
お前の気持ちも教えてくれると嬉しいんだけど」
そう言うと、意を決したのか、ベルナがおずおずとしゃくりあげながら口を開いた。
ーーーーーー
side:ベルナ
その優しい声に目から雫がぼたぼたと落ちる。さっきの夢とは違う、正真正銘の恋人。
「ぐすっ
………
私
………
っ、私が悪いのぉ
……
っ」
私を抱きしめる手がとても暖かい。
「悪くないよ。ベルナ。お前は何も悪くない」
「うぅー
……
、ふ、うぅ
……
っ」
優しい手つきで背中を撫でてくれるたびに涙が込み上げる。しゃくり上げすぎてまともに話すことができない。
「
……
夢の中でお前に何かあったの?」
「
……
う
……
、クラウドが
……
、クラウドが
……
っ」
「
………
俺?」
「
……
他の女と浮気してたぁ
……
!!
……
ひっく」
ーーーーーーーー
side:クラウド
「
……
はぁ?!!そんな夢見てたのか?!」
ベルナから夢の一部始終を聞かされ、思わず声がひっくり返るほど驚いてしまった。
「だってぇ
……
うぅ、ぐすっ」
「お前
…………
むごいにも程があるだろ
……
」
とんでもない夢の話だった。そんな、俺とベルナの愛の巣で他の女とベッドでしけこむなんて。夢の中の俺は相当な悪魔だったようだ。
「
……
ひっく、」
「
…
もう泣くなって。現実じゃないんだから
……
」
あまりにも可哀想になる話に思わず抱きしめる手に力を込め、しゃくり上げるその頭を撫でてやった。
「うぅうー
………
クラウドー
……
」
「はいはい、俺はここにいるから」
「私、っ私
……
いつも、我儘だから
…
っ、あんたがいつか
……
っあ、飽きるんじゃないかって
……
」
「
……
なんだって?」
泣き止むまでこうしていようとしばらく待っていたら、急に不穏なことを喋りだすベルナ。
「
……
ぐす、
……
だって
……
こんな夢見るんだもの
……
本当に
……
現実にならないとは限らないじゃない
……
」
泣きながらそんなことを言うベルナには悪いけど
………
そんな言葉を聞いて冷静でいられるほど俺は落ち着いてなんかいない。
「
……
ベルナー?またそれか?なんで飽きるって思うんだ?俺はこんなに愛してるのに」
「うぅ
……
っ、」
「
…
ベルナ」
ちょっと怒気を孕んだ声でそう話しかける。腕の中のベルナはそんな俺の様子に気が付いていないようで、なおも話し続ける。
「私
…
ちゃんと
……
するから、
…
クラウドの言うことちゃんと聞くからっ
…
、捨てないでぇ
……
」
「
………
」
…
なんていうか、ちょっとどころじゃない夢に翻弄されているこの恋人は若干錯乱しているようだ。目が覚めた今でも俺に嫌われてるんじゃないかって。そう思えるほどに。
「
……
いつものベルナはどこに行ったんだ。俺をぶつなり突き飛ばすなりしてくれよ
……
」
「ふ、う
……
、」
「はぁ
………
」
ため息をつきながらベルナの背中をぽんぽんとあやすように叩く。
「俺は浮気なんかしたくないしお前を嫌いにもならないし捨てもしない。分かるだろ?今までどれだけお前を大切にしてきたか
……
こうやって抱きしめもするしキスもたくさんした。
……
この間だっていろいろしたじゃないか」
いろいろとはそういうことである。忘れたとは言わせない。
「
……
俺も不安になるんだぞ。ベルナが一人で突っ走る時、他の誰かとなんかやらかすんじゃないかって」
「
………
そうなの
……
?」
くぐもった声。ちょっと泣き止んできてる。
「そうなの。俺は結構独占欲あるんだぞ?
…
お前を縛り付けたくなるくらいに」
「
………
私は誰かとそんなことしない
……
クラウドだけよ
……
」
だんだんとしゃくり上げも止んでくる。
「だろ?俺もそう。だから飽きられるとか嫌いになるとかそんなこと言うんじゃない。
……
俺が悲しいだろ」
ぐりぐりとその頭に頬ずりをする。ベルナからそんなことを言われたらたまったもんじゃない。
「ん
……
、
…
ごめんなさい
……
」
幾分素直な謝罪に俺は言葉を付け足した。
「
……
そう思うなら死ぬまで観念しろよ?叫んでも泣き喚いてもずっと離してやらないから」
「
………
、」
ベルナから息を飲む音がする。俺の言葉をどう受け取ったのだろうか。
「クラウド
……
」
そろりと顔を上げ、俺を見つめるその瞳はまだ潤んだままだったが、光を取り戻していた。目尻がちょっと赤い。
「俺もごめんな。辛い夢を見たのに。でも俺の気持ちは絶対に変わらないから」
「
………
ほんとかしら」
「もーーお前はまた
……
」
ちょっと元気になるとまたこれだ。そっぽ向いた顔をぐいっとまた前に向けさせる。
「なるほど?俺からの愛情をもっと浴びたいわけだな?」
「
……
は?何を、んっ、ぅ」
呪詛がまた出てくるであろうその唇に噛みつき、舌を捻じ込む。
「んんっ
……
ふ、んぅ、」
「
……
ん、ぷは、
………
そんな夢も見れないほどまた抱き潰してやろうか?」
「はぁ
……
はぁ
……
バカじゃないの
……
」
よし。いつものベルナが出てきた。頭を軽く撫で、ベルナを抱え直し、立ち上がる。
「
……
え、まって、今からするの?!」
「
…
今からでもいいけど?」
「ね、寝る!寝るから!まだ夜中だし!」
わたわたと腕の中で暴れる恋人をしっかり抱え、ベッドに向かう。
「危ない落ちるぞ。分かったから。ほら一緒に寝るよ」
「うぅ
……
」
ベッドにぽすりと降ろしたベルナの顔は真っ赤だった。
ーーーーーーーー
side:ベルナ
後日。
あの最悪な夢を見た後
……
恋人に変なスイッチが入ってしまったらしい。
……
例えば、こんな感じ。
「クラウドさん、ベルナさん、その節はお世話になりました!」
「おう!また何かあったらいつでも頼ってくれな!」
「
………
っはい
…
!」
村の女の子にお礼を言われ、にこやかに返事をするクラウド。すると女の子は目をキラキラさせてクラウドを見つめてくる。
「クラウドさんは本当に優しいお方ですね
……
ちょっとドキドキするかもー
……
」
「
………
そう」
クラウドの隣でそんな言葉を聞く私は返事だけしてそっぽを向いている。
「あー
…
ちなみにな
…
、一応伝えることがあるんだけど
…
」
「え?
……
何でしょうか?!」
クラウドの言葉に身を乗り出して話を聞く姿勢をとる女の子。
「
…
ベルナ、こっち向いて」
「なに、
……
んぅっ!?」
「
………
えっ」
私になにかあるのか、と思いながら振り向くと、思い切り唇にかぶりつかれ、ちゅっ、と音をさせた後べろりと唇を舐められた。
「ぷぁ
……
、なん
……
、」
「
……
こういうことだから。期待はしないでくれると助かるな」
「
………
はわ
……
」
いつも通りの優しい笑みをたたえながら話すその男を真っ赤になりながら見る女の子。ちなみに私も真っ赤である。
「
…
ちょっ、クラウド!!ここ!!!外だから!!!」
「何がー?」
「何がじゃない!!」
何事もなかったかのように女の子に「じゃあ、気をつけてな」と言い立ち去るクラウドを追いかけながら異議申し立てをする。
変なスイッチが入ってしまったというのはこういうことである。あの夢の後何を思い立ったのか、人前でも、その、濃厚に触れてくるようになってしまった。
「んもう!ああいうのは見えないところでやって!」
「ああいうのってー?」
しらを切る幼馴染をどつく。
「いっ、」
「なんで人前で
…
ああいうことするのよ!恥ずかしいでしょうが!」
「
……
だってベルナがそうさせてるんだもん」
「何で私なのよ!私何もしてないでしょ!」
「
…
したじゃんこないだ。ベルナが嫌いにならないでーって言ってきたんでしょ。だからそれを実行してるんだよ」
……
こいつはまた恥ずかしげもなく。
「
……
嫌いにならないでとは言ってないじゃない」
「じゃあ捨てないで
―
、とか?」
「もう!その話をぶり返さないで!」
「ぶり返すよ。ベルナはまだまだぜーんぜん、俺の愛情が足りないみたいだからね?」
そう言ってにやりと悪戯っぽく私の顔を覗き込んだ。
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