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ゆべし
2026-05-25 23:23:38
1822文字
Public
銀色の夢
Customize name
2209245
Customize name
古き友人たち
gntk夢
夢主の大まか設定→
https://privatter.me/page/69da14fcf373d
さくら
さくら
さくら
夜市から休み明けて、日常が戻ってきた。甘味屋の仕込みは朝が早い。前日に準備するものもあるけれど、お餅はその日に突いたものを出すから何度ももち米を炊いては突く作業を繰り返す。開店は十一時だけど、この日は朝の時間に店の戸を叩く音がした。
「はい、どちら様です
……
あら、桂さん」
「朝早くにすまない。営業時間にはなかなか来れないのでな」
「大丈夫ですよ。お餅も出来上がってますし、どうぞ」
桂さんはお尋ね者だ。でも、銀さんの古き仲間でこのお店でも気を遣って人のいない時間に来てくれる。店内の席にお通しして、注文はぜんざい。お店の開店準備もひと段落して、私もお茶をいただくことにした。
「あれ、坂本さんも。いらっしゃいませ」
「ちーっと時間があったもんじゃから来てみたら、まさかヅラもいるとはな~!」
「ヅラじゃない桂だ」
「ふふ、坂本さんは串でいいですか?」
「おう! あんこで頼もうかの」
「この感じ
……
もしかして、」
偶然にも銀さんの友人が顔を合わせることがある。もうひとり、ここに加われば全員揃ってしまう。恐る恐る戸を開けて、軒先の長椅子に視線を向けると、やっぱりそこには片目に包帯を巻いた派手めの着物をきた人物が煙管を吹かしてた。
「よォ
……
こっちにも団子、頼む」
「はーい」
二人分の串団子セットを配膳して、私はどちらの席につくこともなく、入口近くの席に腰掛けてお茶を飲む。もち米を炊くのに蒸された店内を換気するため、戸を開けたままにすると爽やかな風が吹き抜ける。
「なぁ、桂よ」
「なんだ」
「
さくら
ちゃん、雰囲気が変わったような気がせんか?」
「
……
まぁ、肌艶が増したようには思うが」
さすがご友人たち、よく見てらっしゃる。でも、今は銀さんがいないからあまり突っ込まないでほしい。私は無心でお茶を傾ける。そろそろ往来に人が流れてくる時間だ。
「
さくら
」
「なんですか」
「あのろくでなしは腹ァ括ったのか?」
「
……
何のお話やら」
「俺ァ、見たぜ。夜市の最中に消えてくオメーらの姿を」
くっくっく、分かってて言うならあなたのほうがろくでなしです。私から言う話ではないけれど、この人たちは誰よりも銀さんのことを思ってる。形はさまざまかもしれないけれど、心配もしてくれているのだ。
温かな風が頬を撫でた。髪が揺れて、私の表情は誰にも見えていないかもしれない。それでもいいから、真摯な言葉でこの人たちには伝えるべきだと思う。
「私に、迷いも不安もないですよ。あの人を信じるだけです」
「銀時には勿体ないほどの相手だな」
「ほんに金時は幸せもんじゃき」
「景気よく、ド派手な花火でもあげるとするかァ」
「止めてください! 通報しますよ、いくらなんでも」
さて、そろそろ暖簾を出す時間だ。外の長椅子に目を向ければ、高杉さんの姿はなかった。お代とこの辺りではあまり見ないデザインの簪が置かれていた。もらったところで付けることはできないけれど、高杉さんなりの気遣いなのだ。
「いつも開店前にすまぬな。今度は銀時のいる時にくるとしよう」
「陸奥も会いたがっておったから、連れてくるき。またの~!」
「二人とも、お気をつけて」
見送って、引き戸を全開にし、暖簾を上げる。今日もいい天気だ。さっきのことは銀さんにも話しておかないと、あとで誰かから聞いてしまったら面倒なことになるかもしれない。嫌がりながらも、きっと喜んでくれるに違いない。
「
さくら
さーん!」
「山崎さん? どうかしましたか?」
「この辺りをテロリストやら攘夷派やらがウロついてたとの情報があったんですが
…
!」
「そうなんですか? うちは今、開店したばかりで誰もいらしてないですけど」
「
……
」
「山崎さん?」
「ジミー君、何してんの?」
「げっ、万事屋の旦那」
ナイスタイミング、銀さん!山崎さんは失礼しました!と言って、颯爽と立ち去っていった。事の顛末を話すと、やっぱり嫌そうな顔をしたけれど、何事もなくてよかったわってサラッと受け流してくれた。でも、私は気づいていたの。何気なく登場したけど、首筋に珍しく汗が滲んでいたこと。
「銀さん、今、冷えた麦茶もってきますね」
「お、おう
…
」
「来てくれて、助かりました」
「気にすんな。会いてーと思ってたところだから」
「ふふ、きっとみなさんもそうだったと思いますよ」
「アイツらに思われてもな
……
」
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