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雨鶴
2026-05-24 23:39:22
556文字
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小話
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KISSの日
ウチの長次が花食いなので。ちなみに毒草も食べます。
「花を食べた後の長次は、直ぐ分かるぞ」
そう言ったのは小平太だった。
過日、長次を除いた五人で集まって酒盛りをした時に小平太が口を滑らせた。
酔ってポワポワした小平太は、言葉を続けた。
「花を食べた後の長次は、纏う香りも、口付けも、全て甘いのだ」
「
…
へえ」
長次を好いているのは六年生全員で、その均衡は小平太のある行動で崩れてしまった。
──それ以来。
黄昏時、逢魔が時。『色』へ誘う刻限。色事に誘うのは口付けだと、誰が始めたのは分からない。
「長次」
「
…
?」
菜の花売りのアルバイトを終えて学園に戻った文次郎は、前を歩く長次の肩を掴むとそのまま掠める様に唇を浚う。
口付けた長次の唇からは、菜の花の苦味がした。
「文次郎
…
」
「その、先約
…
が?」
「
……
」
ふる、と首を横に振った長次の顔が赤く染まってゆく。それと同時に、菜の花が持つ青々しい香りが長次の汗と混ざって、フワリと昇り立つ。
その香りを吸い込んだ文次郎は、たまには積極的に行動するのも悪くねぇなと思った。
……………………………………
KISSの日らしくて。何だか捏ね繰り回したら相手が文次郎になりました。普段なら絶対こんな事をしない男ですからね~。色事にしにくいけど、タガが外れたら凄そうだとも思っています。文長、好きですよ。
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