日暮れが近づいてきたと思ったら、あっという間に夜になっています。秋って夕方と夜がとっても近いんです。今までそれを重要なことだと思ったことはなかったんです。
でも夜が敵になると、とても大事なことでした。帰るお家がないときの夜って寒くて暗くて、怖いんです。周りが真っ暗になってしまうと、森も海も波打ち際ですら、よく見えなくて怖いです。
僕は怖いのと寂しいのと寒いので、肩を支えてぶるぶると震えました。
「相棒、顔色が悪いよぉ」
相棒が心配しています。
「帰れなかったらどうしましょう」
海の水が引かなかったら、お父さんとお母さんも迎えにきてくれないかもしれません。船がないと僕たちのところまで来れなかったら、用意ができるまでずっとここにいるのかもしれません。
頼りになると思っていた相棒が、急にちっぽけで頼りないものに思えてきました。小さな相棒と僕に何ができるでしょう。
大きくて広い海の水を減らすこともできないし、暗い森に踏み込む勇気もありません。
「大丈夫だよ。きっとすぐに迎えにくるさ」
根拠のない慰めが、なんだか腹立たしく思えてきます。疲れていて、寒くて、お腹も空いているのに、大丈夫なわけないんです。おやつを食べたくらいでは、絶対に明日まで耐えられません。何が大丈夫なんでしょう。
迎えがくるまでの間に、お腹が空いて倒れてしまうかもしれないし、凍えて死んでしまうかもしれないんです。
「大丈夫じゃない。大丈夫じゃないです」
なんだか怖くて悲しくなってきて、僕はしくしくと泣きました。
僕が泣いていると、相棒も悲しくなってきたようでめそめそと泣き始めました。相棒が泣いているのを見ると、僕はもっともっと悲しくなります。
二人で、浜辺を涙でほとほとと濡らしたのですが、助けは来ません。やがて泣くのも疲れて、僕たちは口をつぐんで、なんとなく嫌な気分になって、むっつりと黙り込んでいました。
やがて相棒は口を開きました。
「にやり、体が冷えてるよ。風に当たらないところにいこう」
相棒は僕を、壊れた小屋のところに導きました。
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