・はじめに
本稿で触れる「遙かなる時空の中で」(以下、遙か)はコーエーテクモゲームスのネオロマンスシリーズ代表作の一つである。
コンシューマ作である「遙か7」から5年の時を経て、2025年11月に
「遙かなる時空の中で 龍宮の神子」(以下、りゅうみこ)はリリースされた。本作は歴代作品の要点を押さえながら遙かの要素をアプリゲームに落とし込んだ、まさしく最新鋭のネオロマンスゲームであると言える。
本評ではまず、今作にて導入された
龍宮という拠点について、並びに桜霞の世界の天青龍である源頼朝について述べ、
源頼朝と
結川灯をメインキャラクターとして扱う下記二篇の二次創作についての書評を行う。
・「あなたと坂を下りたくない」
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=27718441
・「おとぎ話に加えて欲しい」
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=28047059
なお、この二篇と同様、本稿には
頼朝編の肝と言えるネタバレが含まれる。
また、過去シリーズ作について一部ネタバレに近い言及があることも留意されたい。
※これから遙かシリーズ過去作をプレイ予定であり、全くのネタバレを避けたい場合、本稿の閲覧は推奨されない。
・龍宮について
本作では主人公である龍神の神子が、直接異世界へ赴くのではなく、龍宮という中継地点(拠点)を挟んで異世界を旅する。
遙かシリーズは龍神に選ばれた主人公と、龍の宝玉に選ばれた八人の男性、すなわち「八葉」が、「世界を救う役目を持った神子を守護する」という目的のもと集い、交流しながら危機に立ち向かう基本的な流れがある。
ただし、これは立場の違う陣営から人を集わせるシステマチックな側面もあるため、
物語上神子の所属するグループからキャラクターが離脱してしまうことが度々あった。
さらに、シリーズを重ねていくに当たり
「神子を守護する使命」と各キャラクターの
「自ら背負う運命」が、必ずしも一致しなくなる問題点も浮かび上がって来る。
今作は、異時空の拠点「龍宮」があることにより、各物語のどこを進んでいても、
時系列的に誰かが離脱してしまう状況が発生しない。また、異世界にそれぞれの課題があったとしても、龍宮では
神子に仕え、守ることが史上の命題とされる。
これはプレイヤーとしても、「今誰がいて、誰がいないのか」の確認が不要となり、制作側としても人物の在不在による分岐や差分を作らなくて良いという利点がある。
なお、追加キャラクターについては、シリーズ内コラボイベントである「時空の浮橋」において、佐伯昌長がシームレスに登場したことを考えると、
龍宮での時系列は実際のアプリの更新状況とリンクしていると考えられる。(資料1)
異世界の進行度とは別に、龍宮の内部で展開していく「龍宮の物語」については、初期はプレイヤーに向けた世界観説明の要素を多く含んでいたが、2026年5月時点では主人公である
結川灯の内面の深掘りへシフトしており、ゲーム状況の特定地点とリンクしないように制作されていると見られる。
・源頼朝について
りゅうみこにおける源頼朝は、(ネタバレのため中略)真面目で誠実、献身的と言うオーソドックスな天青龍の要素を持ちながらも、
犠牲になり過ぎず、我を通し過ぎないバランス感覚を持っている。極めて現代的で、
新しい天青龍の象徴と言える人物であることは間違いない。(資料2)
(続き&ネタバレ内容についてはオンリー以降に別URLで公開予定です)
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