蕨野おもち🍡
2026-05-23 18:22:53
931文字
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キスの日延長線

まだ終わってもないのにキスの日延長線なドラロナ。

 5月23日。キスの日である。
夕方に私が起き出して来て早々、ロナルドくんは何やら言いたげにずっとソワソワしていた。が、一向になんのアクションもない。あとほんの数十分で日付が変わってしまう。せっかくの日にそれは惜しい、と何やら諦めて風呂場に行こうとしていた彼に「ねえロナルドくん、」と声を掛けると、すこしだけ肩を震わせて、でもなんでも無いふうにロナルドくんが「あ?なに、」と言いながら此方を向いた。その隙に唇を奪って、ついでに舌でなぞって、やわく絡める。ロナルドくんの唇はしっとりと熱かった。怒られていつものように殺されるかと思ったが、案外抵抗せず、大人しく私の動きに付いて来ようとするのが愛おしかった。そのまましばらく彼の唇を堪能していると、息が苦しかったのかロナルドくんの喉がくうと鳴ったので慌てて唇を離す。
……ごめんね、苦しかった?」
「っは、」
そっと顔を覗き込むと、ロナルドくんは顔中真っ赤になっていた。赤く潤んだ目尻を撫でると、ロナルドくんはなにか言いたげに何事かをぼそぼそと呟いている。
……、今日こそは、」
「何、どうしたの。いやだった?」
……今日こそは!!俺からちゅーしようと思ったのに……!!」
「ええ、だって君諦めてお風呂入ろうとしてただろ」
「風呂から上がったらしようと思ってたんだよ!!」
「それだと日付変わっちゃうだろ。いくら君が早風呂でも」
「ングゥ……!!」
夕方からずっともじもじしていただけに、本当に自分からする気はあったらしい。そうはっきり言葉にされると、確かにすこし勿体無いことをしたなと思う。
……いっつもお前からばっかりだから、今日くらいはって、」
「うん。とりあえずお風呂入ってきなよ。上がったら、予備室で続きしよ」
「え、へ、?」
「何も今日この日しか君からキスしてもらえないと決まったわけじゃないだろう。せっかくだったら長く楽しみたいし、ほら、早く」
「ほぁ、」
益々真っ赤になって二の句の告げなくなったロナルドくんをグイグイと風呂場へ押しやる。時計を見ると既に日付は24日へとかわっていた。フラフラしながらようやく動き出したロナルドくんを見送り、私は私で予備室の準備に取り掛かることにした。