ゆいしろ そう
2026-05-23 08:51:50
584文字
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ベクメラ 猫と一緒


「あれ。璃緒さん、どうしたんですか」
「ベクター、あなたね」
「よかれと思って、バリアンじゃなくなったので。
璃緒さんとお呼びしようかと」

 それだけなら、まだ許せるけど。
私の顔の前には猫がいる。ご想像の通り、
真月ベクターが私に嫌がらせをしている。
にっこりと笑う表情は、悪魔そのもの。

「真月くん。猫は嫌いって、言わなかったかしら」
「あぁっ、僕としたことが! 忘れてしまっていて、
すみません。でも璃緒さんに撫でてほしそうですよ。
一度触ってみませんか」
「はぁ……猫が嫌いなのはね、似ているから」
「似ている? 誰にですか」
「ベクターに」
「へぇー。メラグちゃんは、俺みたいな男がだーいすきで、
照れてるんだぁ~?」
「そうやって、態度をころころ変えるところが
好きじゃないのよ。猫よりも嫌い」
「クククッ、そんなに俺のことを想って。愛され過ぎて困っちゃうわ~」
「何を言っても無駄みたいね。その子も早く解放してあげなさい」
「このにゃんこはよ。ご近所付き合いで、預かってたんだよ」
「それはそれは。上っ面の良さが、裏目に出たのね」
「そうでもないぜ? メラグのマヌケ面が見られたし。
さーてと、そろそろご主人様の元へ帰りまちゅかー?」

 猫は意外とベクターに懐いていて、甘えた声で返事をしている。
やっぱり、よくわからないわ。猫もベクターも。