三毛田
2026-05-22 23:11:22
1069文字
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65 【65/馬鹿は●●でも治らない】

67日目
見捨てられないように

「バーカ!」
「そう言う方が馬鹿なんだぞ!」
 そんな幼い子供のようなやり取りが、目の前で少年たちによって繰り広げられていて。
「なあ、丹恒」
「お前も参戦したら、俺は置いていくからな」
「それはやだ」
 ちょっかいかけようというよりも、注意した方がいいかな。って思っていたのだが。
 というか、俺って子供と同じような動きをするって思われてるってこと?
「行くぞ」
「はーい」
 踵を返す丹恒に着いて、歩き出す。
「なあ、丹恒」
「なんだ」
「馬鹿。って、罵倒ってことでいいんだよな?」
「そうだな。馬鹿は死んでも治らない、という言葉もある。それは、愚かな人間の性質は治そうとしても治らないため、治療できない。という意味があるとある星のことわざだ」
「あー……
 何となくニュアンスでわかってしまう。
 見放すしかない。という選択肢でもあるということか。
「俺のことも?」
「いや。お前はそれに該当しない。行動に、呆れることはままあるが」
「それはごめん」
 自制しようと思っていても、ゴミ箱を漁ることと好奇心が抑えきれずに素っ頓狂なことをしてしまうのは止められないのだ。
「丹恒。お願いだから、俺を見捨てないで」
「お前の行動によるな」
 腕にぎゅって抱き着くけれど、簡単に振り払われてしまう。意地悪!
 でも、その後手を繋いでくれたので気分は上がる。
「えへへ」
「まったく」
 呆れた表情ではあるが、手を離すことはしないので優しい。流石俺の丹恒。
 商店街のような場所をぶらぶらと見て歩き、試食して美味しかったものを買ったり、工芸品を見て気に入ったものを買ったりしてから皆と合流。
「二人はどこ行ってたの?」
「あっちこっち」
「俺は図書館に寄りたかったんだが」
「寄ったら最後。閉館時間まで出てこないだろうから、禁止にした」
「穹、偉い。丹恒は反省して」
「何を反省するんだ」
 なのが親指を立ててこちらを見る。丹恒は、納得いかないとむすっとした表情で。
「みんな揃ったわね。列車に帰りましょう」
「ああ。数日は滞在できるが、買い忘れなどがないように」
「「はーい」」
 姫子とヨウおじちゃんの言葉に、なのと二人で手を挙げる。
 丹恒も頷き、みんなで列車へ。
「丹恒は、明日も行くのか?」
「図書館の開館時間からな」
「ちゃんと皆に出かけるって言ってからだぞ」
 もちろん、俺にも!
 と告げると、優しく微笑えんで。
 今その顔は狡いってば。
 明日は一緒に居られないのだからと、ちょっとだけ我儘を告げると了承してくれた。