望月 鏡翠
2026-05-21 02:03:07
855文字
Public 日課
 

#2088 ニヤリと相棒15

#毎日最低800文字のSSを書く/@tmysmst


 みんなで磯の岩場を飛んで渡っていくと、僕たちはとうとうスターが描いた入江を見つけました。海岸線が窪んでいて岩の壁がゲートみたいになっていました。絵の通りなら、その奥に小屋が見えるはずなのですが、どこにも見えません。
 でも、ここがいちばんの手がかりです。
 スターもここに興味がありそうです。僕たちは入江に入って、中を探していくことにしました。岩場を越えると、砂浜になります。僕は出かける前にした約束を思い出しながら、長靴の先っぽだけしか濡らさないように気をつけて、砂浜に降りました。
 岩に囲まれた場所は、秘密基地みたいです。宝物を隠すのにぴったりの場所じゃありませんか。
 誰の足跡もついていない砂浜。僕たちはそこを歩きました。雪の上を初めて歩いたときみたいに、ワクワクしました。
 少しずつ地面は硬くなって、先に段差があります。そこを登ると、草が生えている地面があります。ここから先は海ではないんです。
 その先は森でした。鬱蒼とした暗い森が続いていて、何かの声が奥から聞こえてきて、少し不気味でした。僕たちはお互い何も言いませんでしたが、そこに踏み入る勇気がありませんでした。
 だから森に踏み込まずに済む、海の近くを見て周りました。
 絵でここに宝物があるといわれていたのは、入江の左側の端の方です。僕たちはそこに向かいました。茂った草の奥に、朽ちた木が積もっています。きっと昔ここに家があったんです。もしくは小屋がここにあるのなら、宝物もこの近くにあるはずです。
 僕たちは地面を掘り返すことにしました。スターが水をかけて地面を柔らかくします。そして僕と相棒で頑張って地面を掘り起こします。
 何もないと思ったら少し場所を変えて別のところを掘ります。そうやって朽ちた柱の周りを掘り起こしていくと、砂を掘る用のスコップの先端が、カチと音を立てて何かにあたりました。
 もしかして! と思って僕たちは顔を見合わせました。どんどんと掘り起こしていくと茶色くなった缶が僕たちの目の前に現れました。