三毛田
2026-05-20 22:33:29
1069文字
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63 【63/栄光のゴール】

63日目
君に勝利を!

「うおおおおおお!」
 最後の直線を、内側にいき過ぎないように駆け抜ける。
「うわっ」
 お腹がゴールテープに触れた瞬間、足がもつれて転ぶ。
「穹!」
 みんなの悲鳴が聞こえ、後続に蹴られてもいいように、とりあえず頭だけは守って。
「大丈夫か?」
 熱狂が冷めやらぬゴール付近。一通り走者がゴールしたのを確認したのか、丹恒が俺の元へとやってきて手を差し出してくれる。
「泥だらけ。でも、勝ったぞ」
「ああ。お前ならやれると信じていた」
 俺は泥だらけなのに、それを厭うことなく彼は抱きしめてくれて。
 それにつられたのか、クラスの男子たちが遠慮なく俺たちを抱きしめてくる。
 苦しいし、汗臭いのでやめて欲しい。
 先生に解散を促され、俺は丹恒の肩を借りて救護テントへ。
「痛い」
「安心したら、痛みが出たんだな」
 擦りむいた膝洗ってからを消毒してもらい、丹恒に泣きつく。
 彼は優しい表情で、頭を撫でてくれる。ママ
 確かに、彼の言う通り安心したことで緊張がほぐれたのだろう。膝だけじゃなくて、全身が痛くなってきて。
 救護テントで、成績発表と閉会式を眺める。
「着替えには行けるか?」
「もう少ししたら、動けるから大丈夫」
「駄目だったら、俺が負ぶっていこう」
 今日の丹恒優しすぎて、別人じゃないかとなのなら言いそうだ。
「大丈夫。歩かないと、歩き方がわからなくなりそう」
「そうか。だが、無理するな」
「うん」
 隣に座って手を繋ぐ。俺の手も、彼の手も砂でざらざら。それが、今回の体育祭で頑張った証。
「でも、帰ったら一緒にお風呂に入ってくれるか? 体がバキバキだからさ」
「構わない。好きなだけ甘えろ」
 も~! そういうところ!
 安請負はするな。って怒りたいけれど、俺に対してだけなので怒れない。
「たんこ~。脱がせて~」
 みんなが教室に戻るのに合わせて、戻ったはいいものの。いざ着替えようとしたら背中とか痛くてシャツが脱げなくて。
 丹恒が着替える前に、脱がせてもらう。ズボンは気合で脱ぎました。
「穹。格好よかったな」
「最後に転んだけど、お前があそこでゴールしなかったらウチのクラスは負けてたよ」
「今回の体育祭、お前がヒーローだ」
 先に着替え終えたクラスメイト達は、俺の方や背中を軽く叩きながら帰っていく。
 痛い痛いと言うと、ごめんごめんと謝ってくる。
「本当に大丈夫か?」
「ゆっくり歩けば大丈夫」
 膝が震えてがくがくだ。丹恒に手を引いてもらい、ゆっくり歩く。
「姫子さんかヴェルトさんを呼ぶぞ」