望月 鏡翠
2026-05-20 02:01:56
919文字
Public 日課
 

#2086 にやりと相棒13

#毎日最低800文字のSSを書く/@tmysmst


 僕たちは磯を探しまわりました。相棒たちはともかく、僕は足場が不安定な岩場をずっと歩き回っていたので、疲れてしまいました。だから浜辺まで戻って、少し休むことにしました。
 スターと宝探しをしていて、わかったことがあります。
 そう、これは宝探しなんです。きっと誰かが残した宝物を、相棒が代わりに探しにきたのです。きっと持って帰ってびっくりさせたいに違いありません。
 そう聞くと縦にふわふわと揺れていたので、きっとこの質問の答えはイエスです。
 スターは無口ですが、聞かれたことには答えてくれます。
 そして、不安だったり緊張しているときは、雨が降ります。僕たちと一緒に宝探しを始めてから、びしょびしょの雨が弱まってやがて止まっていました。
 ずっと降っているわけではなく、降ったり止ませたりできるそうなんです。
 岩場は、日陰がなかったので、僕たちは一度浜辺まで戻って、木陰を探してそこで休憩しました。水筒の水を飲んで、甘いものを食べて、お水は近くの水道からまた汲ませてもらいました。
 座ってじっとしていると足に疲れがじんわりと滲んできて、たくさん動いたことを感じました。
 海は、朝見たときよりも賑やかになっていました。波の音がして、風が頬を通り抜けていきます。秋なので、風が冷たく感じました。
「この辺りで見つからないとなると、もっと遠くにいかないとかもしれないですね」
 なんの手がかりもなく島中の海岸線を探し回るのは、きっと大変です。
 おやつを食べてゆっくりしていると、スターが宙に浮かびました。浜辺にふわふわと飛んでいきます。
 雨が降り始めました。
 乾いた砂の上に、線を引いていきます。雨粒の濃淡。
 次々と線を描いていき、最終的にそこには一枚の絵が現れていました。水で絵を描いたんです。とっても凄いことです。スターは絵描きだったんです。
 その絵の中の一点に、スターは腰を下ろしました。
 僕たちは絵を損なってしまわないように、そっと近くに寄りました。
「凄いですね、これ。でも、どうしたんですか」
「なかなかだよね〜」
 相棒も流石に感嘆しています。
 スターは物言いたげに、その場でトントンと跳ねました。