三毛田
2026-05-19 22:53:21
1093文字
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62 【62/空へと続く】

62日目
そんな景色

62 【62/空へと続く】
 星空が広がる世界。
 だから、青空を見上げるとそれは本物なのかと気になってしまう。
 多分、その世界に生きている人たちからしたら、青空が本物なのかどうかは些細な問題。いや。問題ですらないかもしれない。
 だって、彼らにはそれが当たり前だから。
「それにしても、夜が来ないとは……
「だから、色々工夫しているだろう」
 パーテーションでテラスと部屋を遮って見たり、アグライアに頼んで布を買ってカーテン代わりにしたり。
 それでも、完全に真っ暗になることはなく。時々眠れない日が続いたりした。
 今は慣れたのか、そんなこともなくなってきて。
 たまーに疲れすぎていて、眠れない時もあるけど。
「丹恒先生。胸枕して」
 うるうると見上げるけれど、冷えた視線を向けられるだけ。
「チェッ。分かったよ。一人で寝るよ」
 キメラも白い目を向けてくるので、泣く泣くリクライニングチェアに一人で寝転がる。
 〝ここで眠る〟と刷り込まれた体は、寝転がれは眠気に襲われていく。
 タオルとかをいっぱい敷き詰めて、床で眠る時もある。そういう時は、丹恒が甘やかしてくれる夜。
 今日は甘やかしてくれない日のようだ。
 もういいや。と、眠りにつく。
……
 俺、リクライニングチェアで寝てたよな?
 起きたら床で、しかも滅茶苦茶眩しい。
「おおん……
 多分、丹恒がすでに起きていて空気の入れ替えのためにカーテンとか全部開けている状態。
「起きたか」
「おはよぉ」
「ああ、おはよう。スマホにメッセージが届いているぞ」
「確認するけど、ご飯食べたい」
 床を数回ゴロンゴロンと転がり、それから起き上がる。
「いただきます」
「召し上がれ」
 市場で買ってきたものだろう。食べ慣れた味ばかりが並んでいて。
 キメラにも少し分け与え、ピュエロスで泳ぐポポンを眺めながら食事を終え。
「ご馳走様でした」
「満足したか」
「しました。ありがとうございます」
 メッセージに返信し、丹恒と相談してから出かける。
 あっちこっちで手伝いをして、素材回収もして。夕方と呼ばれる時刻になりようやく帰ってこれた。
「わぁん……
「おかえり」
「ただいまぁ……
 服を適当に脱ぎながら、ピュエロスへ。アザラシに寄りかかりながら、入浴。
 相変わらず空は青い。それが続く先は、どこだろうか。
「あー……
「夕飯はがっつり目がいいか? あっさり目にするか?」
「食べさせてぇ」
「仕方ないな」
 ふっと優しく微笑む丹恒。
 今日は甘やかしてくれるんだ。
 さっさと出て食べさせてもらう。