三毛田
2026-05-18 22:43:08
1071文字
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61 【61/大きな壁を蹴破って】

61日目
俺と君の未来を

 立ちはだかる巨大な壁だって、俺と丹恒ならば乗り越えられるだろう。
 そう思っていたのだが。
「種族差は埋めようがないよな〜」
 俺は一応短命種で、彼は長命種。しかも、千年以上生きるかもしれないという。
「そうだな」
「やっぱり短命種と長命種って悲恋になる?」
「多分」
 そういえば、羅浮にもいたもんなぁ。そんなカップル。
 色々ありすぎて、記憶から大分飛んでるけど。
「いつでも俺の手を離していい」
「俺が離すわけないだろ? こんな可愛い蒼龍ちゃんの手を、俺がわざわざ離すわけない」
 いつの間にか飲月の姿になっていた丹恒。彼の髪を一房掬い、そっと口づけ。
「俺が手を離すよりも、お前が勝手に離れていく可能性のが高いからな。覚悟しろよ」
 そんなことしたら、世界の果てまで追いかけるからな。という意味を込めて微笑むと、ヒュッと喉が鳴る。
 ここまで想定していないとか、うかつすぎるだろ。
「じゃあ、お前に俺の決意を知ってもらうためにこれからベッドの上でいいよな?」
 これは確認ではなく、決定事項。
 さっと顔を青くして逃れようとするけれど、関係なくベッドへと押し倒す。
「ふう」
「穹……
「もうちょいぬるめがいいか?」
「そういう問題じゃない」
 気力もないのか、飲月のままで一緒にお風呂。
「種族間っていう大きな壁は簡単に蹴り破れないかもしれないけど、それ以外の問題ならバットでも殴り飛ばせるよな」
「罪のない一般人に対してだと、ただの暴力だぞ」
「うーん。普通の人にはそういうことしないって。本当だよ」
 ジトッとした目で見てくるけれど、俺よりもお前の方が手が早いって知ってるんだからな?
 水面に広がる髪を、そっと手で持ち上げて。また口づける。
……
「どうした? 蒼龍ちゃん」
「そこよりも、こちらに」
 ぱしっと俺の手を髪から払い、己の唇を指で叩いて。
「丹恒、それって……
「口づけろと言っている」
「それじゃあ、失礼します」
 彼の肩を掴み、その後頬に手を添えて。口づける。
「自分の髪に嫉妬するなって」
「お前が髪ばかりをいじるからだろう」
 拗ねたような声。可愛すぎ。
 頬やこめかみ、眉間とか顔中あちこちキスして。それから、唇へ。
「満足?」
「していないな」
 あれだけ搾り取ったのにまだ足りないとか。
「蒼龍ちゃんは、欲張りだなぁ」
 ニヤニヤしていたら、尻尾が水面を叩いた水が勢いよく顔にかかり。
「もう」
 そんな悪戯も可愛いけど、もっと可愛くおねだりして欲しいな。と思うのは、我儘だろうか?