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雨鶴
2026-05-17 21:04:16
1250文字
Public
小話
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ネコヘイタとウサチョジの話
前にツイで呟いた事を小話にしてみました。
ウサチョジは垂れ耳ロップイヤー種だとかんがえています。兎でも擬人化でもお好みで妄想して下さい。
虎が煙草を吸い、鵲が人の言葉を話していた頃。
要するに昔昔、そのまた昔。
ある所に小平太と云う猫の男の子が居ました。
小平太は活発で、小さい体でもイケイケドンドンに野山を駆け回り、色んな所へ行くのが好きでした。
ある日、たくさんの花が咲いている草原でウサギの男の子に出会いました。名前を長次。
二匹はすぐに仲良くなって、毎日遊ぶようになりました。
長次は物静かですが、芯の強い男の子でした。それに負けず嫌い。
小平太が木登りをすると、長次が「私も!」と言って続こうとします。
「長次には無理だろう」
「出来るよ!」
ウサギは木に登る習性が無いので、長次自身出来ないのは分かっているハズなのに、必死に自分に付いて来ようとする長次が小平太は《可愛い》と思いました。
(私が長次を守ってあげよう)
また別の日には、長次が小平太に草花の話をします。
小さな体に似合わず大きな目をキラキラさせながら、長次の話を聞く小平太を長次は《愛おしい》と思いました。
(私が小平太を守ってあげよう)
そんなある日の事です。
「長次、毛繕いしてあげる」
「えっ」
長次の返答を聞く前に、小平太は長次の耳をペロペロと舐めてきました。同種族とは違う猫の舌がくすぐったくて、長次は笑い出します。
「やめて、小平太。くすぐったい」
「我慢して」
「あはは
…
!」
花の中で二匹はキャッキャと笑い合います。
「私がずっと、ずーっと長次の毛繕いをしてあげるから!ね、いいでしょ?」
「え?え?
…
うん」
そんな微笑ましい約束は、二匹が大人になるまで続きます。
──けれど、二匹は大きな勘違いをしていました。
猫は《庇護する者》を毛繕いする習性があり、ウサギは《庇護される者》が毛繕いをする習性があるのです。
そんなこんなで年月が過ぎて、二匹も大人になりました。
「
……
」
何時ものように、花畑で小平太と待ち合わせをしている長次は考え込んでいました。
(最近、小平太に毛繕いしてもらうと体がぞわぞわする。きっと繁殖期が近い)
長次は唇に指を当てて、考えます。
(このままでは、小平太を手に掛けてしまう。あんなに可愛いらしい
…
いや、待てカワイイ?)
「ちょーじー!」
ぶんぶんと手を振ってやって来る小平太を見て、長次は思いました。
(昔は自分より一回りも小さかった小平太の体は、今では同じくらい否、それ以上になってしまった
…
それに)
「お待たせ!毛繕いしてやろう」
小平太は長次の隣へ座ると、長次の顔を覗き込んできました。その目は幼い面影は一切なく、まるで獰猛な獣のようでした。
(私
…
小平太に食べられて、しまうかも)
「長次」
「
…
あっ」
耳に這った小平太の舌に、長次は体を大きく震わせるのでした。
……………………………………………………
いつぞやかにツイで呟いた事を何とか小話にしてみました。やはり、難しい~!
書き出しのアレは過去作でも良く使った韓国版の『昔々』の出だしです。格好いいですよね~、ロマンある!
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