桃山外都
2026-05-17 19:41:36
3722文字
Public 企画
 

青い悪魔[花葬練り]


悪魔は青い影の中にいる

青い悪魔人間の男と千年の約束をした悪魔、或いは悪魔と呼ばれるもの。男の血を継ぐ人間をずっと見守ってきた。彼の子らに乞われ深海に捨ててきた瑠璃色の貝殻を砕いて渡し、人間はそれを使って美しい白壁の城と街を作った。また彼の孫らに乞われ、懐に生んだ大真珠を渡すと、人間は喜んでそれを身に飾った。
悪魔の身体に傷を付けるとその血が真珠の核となることを知った人間が乾涸び小さくなった悪魔の身体を切り裂くと、悪魔はその血を幾らでも分け与えてやった。無数の大真珠を手にした人間たちは宝を奪い合って皆、死んでいった。
そうして彼の作った国を滅ぼしてしまったことを悔いた悪魔は、人間の前に姿を表すのをやめた。悪魔は青い影から、人間をじっと監視している。
人間の強欲に触れても、彼を、彼の血族を、彼の残したものを愛することはやめなかった。そう、約束したから。
ある王国今から遡ること数百年前。優れた王妃がいた。亡国から嫁いできた彼女は国を明るく照らし豊かに実らせた。
彼女に、手を貸していた何者かがいた。王妃にはるか遠い異国の知識を齎し、真実を見抜かせ、小さな奇跡を与えたものがいた。
彼は姿を表すことはせず、常に人間たちの背後に居て、誰もいない部屋に異国の書物を置き忘れ、嘘を述べる者の声を曇らせ、雨雲を呼び、病魔に汚れた湖水を洗い流した。王妃はそれの存在を確かに感じながらも、それに語りかけることはせず、そしてそれについて誰にも言わなかった。
王妃が死んだとき、ちょうど千年が経っていたことに気付いた。悪魔は彼女の頬に冷たい指で触れて、そうして寝室を去った。二度は訪れなかった。
深海の真珠貝元は深海の大貝だったもの。北の空より飛来したオオワシが海の底の魂の火を持ち出したことによって、海水と炎を隔たる殻が不要になり、どうせならと身一つで海の外に飛び出した。脊椎も外殻も持たないその内臓とエラだけの姿を見た陸の者に悪魔と呼ばれるようになった。
「私も昔は青い海の底にいてさ、動かずにじっとして、唇を開けたり閉じたりしていただけだった。しかしある時、空高くから怪物が降りてきて、私の口の中にあった、熱く煌めく真珠を奪っていったんだよ」

身体の一部、主に血液を核として真珠を作る。美しく、時に不思議な力を持つその宝石は人間を喜ばせ、狂わせた。
彼は海の底にいた頃はただ、長生きで大きいだけの真珠貝であり、魂の火を抱くものであり、他に特別な役割も力も持たない生き物だった。海から陸に上がり、人間と関わるようになってから、契約により様々な権能を得るようになった。
陸に上がったあとの姿を見た人間に悪魔と呼ばれたこと、悪意無く求められるがままに与えた真珠が人を狂わせたことが彼を本物の悪魔にした
千年の約束千年以上前のこと。悪魔と契約した男がいた。
悪魔と称される異形の怪物の手を取り、死後の魂を悪魔に渡す代わりに悪魔の力によってあらゆる快楽と悲哀を得た男がいた。
男は悪魔の力で王となり、黄金の都市を築いた。
……というのは、人間の世界に言い伝えられた寓話である。
男が手を取ったのは悪魔の力を持つものではなく真珠貝の臓腑であった。男の生前の功績は全て彼の弛まぬ努力と真珠貝の献身と、彼らの間の信頼が為したものであり、彼らは無二の友だった。

死んだら、埋めておくれ。お前の、真珠貝の掌で穴を掘って、そうして、天から落ちてくる鴉の星の欠片を墓標に置いてくれ。そうして、私の子どもたちをずっと見守っていてくれ。待っていてくれ。いつか迎えを寄越すから。
いつ来るのかと悪魔が尋ねると、男は「千年待っていてくれ」と言った。
「お前、それは途方もない年月だとは思わないのか」「途方もない年月だとも。その途方もない年月を、君は一人で過ごさぬように、私の子どもたちとずっと共にいてやってくれ」

悪魔は千年待った。千年、約束を守って、常に男の子どもたちの傍らにあった。やがて男の亡骸が植えられた辺りに白百合が咲いて、ようやく悪魔は呪いから解き放たれた。
私だって、あれが、彼の、私を生かすための嘘でしかないことはわかっていた。
だから呪われてやったのだ。途方もない永い時間を、彼の子孫たちを見守り、時には手を貸してやりながら、最後の血が絶えるまでずっと。

練りツリーログ別に悪魔ではないので頭の小さなツノはツノじゃなくて元々内臓の一部だったところが硬化してツノみたいになってるか後から生えてきたか外のものくっつけてる(コスプレ……?)

赤の王女の国が滅びるまで関わってることを考えてたけど、青い影を恐れた王宮から悪魔はすでに去っていたら人間の恐怖が愚かで可愛いし、自宅内で設定が近すぎると微妙なので王妃の死後は別のところで放浪していたこととする。

男の血族が内陸に住んでいたので、そして割と陸を楽しんでいたので、男との約束を守っている間は比較的海から離れていた。約束を終えた後にフラフラ旅してる過程で海に行くかもしれない。海を陸側から見るということに面白さを感じることがあるかもしれない。「こちらから見る海はこんな形なんだな」と思っている。波とかいうものは面白い。深い海底にいたので浅い海とかも新鮮。でも今の身体になってからは海には入ってなさそう。入るという考えすらなかった。海底が恋しいかと言われるとそんなことはない。「恋しがるほど遠くにあるとは思わない」かもしれない。千年という時間の概念を与えられたことによって千年は長いなという感覚はあるけども、あまりにも大きな真珠貝だったので、距離の概念が現在の人と同じサイズの身体とはズレている

私/お前
比較的温和な性格ではあるが社交的な性質ではない。良く言えば一つの宝物を大切にするタイプ。悪く言えばやや排他的。人間には好意も悪意も持っていない。

自宅にいないタイプなので、「お前が私のところに来てくれるのを待っていたよ」の旦那でもいいな〜と思ったけど、婚活難易度爆上がりすぎるかもしれん いや 今更か別に
そうは言っても時間のスケールが「千年ってちょっと長いな〜」くらいの感覚なので、別に人間が死ぬまでなんか大して長く感じてないので「早く死んでほしいと思っていた」わけではないんだけど、死んだら欲しいな〜くらいの感覚で待ってる人外は見たいんだよな

この一連の構想は没にするかもしれないけど、千年経って、急にやることなくなって、無気力に、ただそこに「在る」だけのものになりそうになっていたところに、近くの人家から赤ん坊の産声が聞こえて、もうすっかり悪魔なんだから人間の魂を手に入れようとしてもいいんじゃないかと思いついてではこの今生まれたばかりの清い魂を悪魔として手に入れることを考えてみよう、と目をつけて、見ていたとか。子どもの家に恵みがもたらされるように何かしてみたり、色々してたけど花嫁が未婚のままに若くしてあっさり死んでしまって、しかも花嫁として弔われてしまったので結果的に花嫁の魂を手に入れたけど、不本意ではある、みたいな感じ。でもそんなことは花嫁にはじめから言ったりしないので「お前が私のものなるのをお前が生まれたその日から待っていたよ」って言う。花嫁に、こいつのせいで私死んだんだ!って勘違いしてもらいたいかも

陸に上がったときの陸はぼんやり地中海の方のイメージ 元々いた海の場所は特定しない(多分必要ない)

De Solo デ・ソーロ
かつての契約者、友に呼ばれた名前。tesoro(テソーロ=宝物)のもじり。solo=唯一の
千年の呪いの正体であり、この名を手放すことによって彼は約束から解き放たれたため、今後この名を名乗ることはないし呼ばれることも許さない。
現在は「青い悪魔」に類する呼ばれ方、彼の元の姿を知るものには「真珠貝」とかそういう呼ばれ方をしているけど悪魔である限りは名前を秘匿するため、花嫁にも名乗らない。名を聞かれると「悪魔に名前を尋ねるなんて困った人だ」みたいなことを言う。
かつて大きな真珠貝であったときの役割の名前はあるけど、それも彼の名前かと言われると違うので、花嫁に呼び名もらいたいな〜と思ってる。現状。

現代人間感覚としては真珠貝=アコヤ貝だけど別にアコヤ貝じゃなくて、深海のでっけー貝というイメージではシャコガイだし、でも別にそのどれでもない。「私の身はねぇ……美味しいらしいよ」とか言ってほしい。ハマグリより美味しいらしい(要らん設定すぎる)

真珠貝の旦那が貝食ってる嫁に「私の身の方が美味しいよ」って言ってるとこ見たい
「愛される」ことへの感度がめちゃくちゃ低そう。悲壮感のある「愛を知らない」ではなくそのような生き物として、愛というものを知らない。千年の約束を苦痛としてではなく過ごせる律儀さを愛と呼ばれたらその時始めて全てに形ができるのかもしれない。
そう考えると花嫁のことはかなり気まぐれで拾った感が強いな〜
悪魔として花嫁の魂を奪ったため、「私の方が価値がある」を主張し始める→愛を知る かもしれない 貝の身の話から そんな