望月 鏡翠
2026-05-16 23:39:56
841文字
Public 日課
 

#2081 にやりと相棒8

#毎日最低800文字のSSを書く/@tmysmst

 浜辺は寄せては返す波が面白いし、いろんなものが流れ着いています。ヒトデや綺麗な貝殻や石ころ。白い珊瑚の欠片やたまにお魚も。
 でも磯にはたくさんの生き物がいます。
 潮溜りを覗いてみるといいって、本に書いてありました。
 僕は言われたことをちゃんと守って、長靴を履いて軍手をして、そして貝殻に見えてもこっそり中の貝がまだ生きているかもしれないので、ポケットに入れたりしませんでした。
 お父さんもお母さんも心配性です。
 確かに僕は子供です。それを否定する気はありません。でも、子供の中でも僕はかなりしっかりものです。
 僕の相棒もかなりしっかりしてます。
 だから、一人で海に行ったって波に攫われたりしないし、毒のある生き物に刺されたりもしないし、岩場に落ちて怪我をしたりもしません。
 でもノートと鉛筆を持ってきたのは失敗でした。濡れた紙に鉛筆では、ちゃんと書けません。磯にいた知らない生き物や、意外に思ったものを書き留めていきたかったのです。記録って研究の第一歩ですから。
 今度から海に持ってくるのは、カメラとか濡れてもかけるものにします。お父さんに、そういうものがないか聞いてみることにします。
 僕はイソギンチャクやヒトデを火バサミの先でそっとつついてみたり、潮溜りに取り残された魚の救助を試みたりして遊びました。
 相棒は金属でできているから、毒があってもへっちゃらです。イソギンチャクを撫でてちょっと手に張り付いてくるよなんて言っているのを聞くと、やっぱり羨ましくなってしまいます。
 でも、相棒が岩の隙間からカニや魚を追い出してくれるので、観察がとっても楽になりました。
 海にいるカニはサワガニとはまた違った形をしています。カニって赤いイメージがありますけど、海にいるカニはどちらかというと緑っぽかったり青っぽかったりします。エビもそうです。
 あんまり赤くありません。
 磯にある岩を一つ一つ登って覗き込んで遊んでいるときに、僕らはそれを見つけました。