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ortensia
2026-05-16 00:30:27
1852文字
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その他てて
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囚隠囚+ハス
永久機関なんも分かりません。狩同士は名前を呼び合う親しみのある時空。
と、ここまで話して一度息をつく。
「これが私の永久機関の構想でね、えっと
……
どうだい?」
語り手が自分なら聞き手は神と呼ばれる存在。
勿論私はそんなもの信じちゃいない。あのキョジンツユムシが、何故か入れ込んでしまった非科学的な存在。
しかし目の前の神と呼ばれる存在は、あの猫とはまた別の神だ。
「ふむ。手や体を揺らしながら囀り、退屈しなかったぞ。」
「いや、話し方の手振り身振りの勢いのことじゃなくてだな!?」
黄衣の王は猫よりも、海とかにいそうな存在だ。いや、猫も鼠対策で船に乗るとは言うが。そうではなくて。
神など信じていない、非科学的なものは信じていない私だって、この相手に対しては圧倒される思いだ。信じる信じないに関わらず、呼称ということならば、ついついそう呼んでしまうというのは、私でも共感はできる。この神を強く否定するには勇気がいる。だって目の前の存在感が過ぎる。
「その永久機関とやら、見覚えがあるぞ。」
「えっ!?貴方も化学の志が!?」
ならその触手がどういう運動原理で動いているか、説明してくれないだろうか。いや、それは取り敢えずよくて。私の考えた永久機関を、既に考えたことがあるというのか。
「あれであろう。鼠がそこをくるくる回る
……
。」
「ハムスターの滑車じゃないからな!?」
思わずがっくりと肩を落とした。全然違う。いやでも似てるだろうか。まあ、どうでも良い。
「一度の餌で鼠が永遠に滑車を走り続けるという話ではなかったか。」
「え?あ、うん。そういう言い方をすれば、その通りかも?」
なんだ、本当は分かってくれていたのか。
「ならば鼠に走らせれば良かろう。」
「いや、それがその。鼠は永久に走り続けることはできないから。永久に走らせるために研究しているというか。」
鼠は永遠ではない。いずれは立ち止まってしまう。餌が必要だ。しかし餌を追加していては、永久機関にはならない。
「永久に滑車を回したいなら、永久に走る鼠を使うが良い。」
「
……
え?」
それは、永久機関を動かすために永久機関を用意すると言っているのと同じでは。
「永久機関とやらを望むのだな?」
「あ、ああ。そうとも。」
黄衣の王の、その全ての目と合った気がした。
「然れば、貴様が永遠の囚人となれ。」
「え?」
突然、扉が開いた。
「
……
その子を
……
もし我が寛大な神がその子を食べてしまっては、我が神に申し訳が立たないので。ハスター、どうかその子はそのままで。」
今日来客の予定は他にない。ましてやハンターなんて。
「キョジンツユムシ!」
「
……
ルーカス、大きな声を出さないで。」
その男が杖を突いて人の部屋に勝手に入ってきてから、部屋の圧迫感がなくなった。黄衣の王に見詰められて、自分の脳味噌が内側にぎゅっと収縮するかのような感覚があったが、もうなんともない。
「はは。確かに今の囀りは、こんにちで最も騒々しかった。」
「
……
元気な子なので。」
「なんだよ。」
男はずかずか入り込んで、私を差し置いてハスターの前に立った。だいたいなんだ、鼠になった私を猫が食べたら、猫の方に申し訳なく思うのかよ。なんてやつだ。
「お前も矮小な人の子の囀りを嗜みに来たか、アルヴァ。」
「いえ私は
……
もう戻るところだ、研究が。そう、気晴らしに、ここへは散歩に来ただけだからね。」
「人の部屋を勝手にお散歩コースにするな。」
男はこちらを無視して黄衣の王に話し続ける。すっかりハンター同士の会話になってしまった。
「それでハスター
……
貴方も一緒に戻らないか。何かおやつを作ってほしい。
……
何か甘い物があれば捗るし、計量も焼き加減も完璧な貴方のそれは絶品だ、他の者達も思わず指を伸ばすだろうさ。」
「
……
ははは!良かろう、チョコチップを多めに入れてやろうぞ。」
「
……
それはどうもありがとう。」
何が可笑しいのか、黄衣の王は笑い声を上げながら部屋を出て行った。本当に笑っているか、頭部を見ても分からない。上着を翻した男もそれに続く。そうださっさと出て行け。しかし王が先に部屋を出てから、くるりとこちらに振り返った。
「ルーカス。発表会に招待する人がいないなら、私が手配してあげるから、次からは声を掛けなさい。」
「なっ!」
それだけ言うと、男は杖を引っ提げて、さっさと部屋を出て行った。扉を閉める動作がいやに洗礼されていて、静かな音しか立てないものだから、余計腹立たしさが募る。
むかつく。
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いつもリアクション絵文字等ありがとうございます。
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