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望月 鏡翠
2026-05-15 00:41:56
1115文字
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日課
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#2078 ハルカC 後編
#毎日最低800文字のSSを書く/#SS発表会_ハルカ
勇者学の、大きな進歩の気配を感じます。
では勇者様はあなたを探していたのですね。あなたの名前を呼び、世界を周り、あなたの痕跡を探していたんだ。
この世界が救われたのは、きっとそのついでだったのですね。
……
いえ、大丈夫です。少しも落胆などしていません。
きっと努力は報われる。それが勇者様の口癖だったと言います。私はその言葉が大好きでした。あの人がそのように生きたということが、嬉しいかったのです。世界からの祝福の才能。数多の能力と他より秀でた肉体を与えられていても、勇者様が信じたのは努力だった。
それがとても尊いことに思えたのです。
力だけでなく人格も優れた逸材。まさに世界からの祝福だと思っていました。
少し違っていたのですね。
彼は、あなたが見つかると最後の瞬間まで信じていたし、その可能性を残したかった。だからご自分の名前よりもあなたの名前を残したし、あなたが知っているときの姿を、像にしたのですね。
彼は、やり遂げたのです。
百年のときを経ても再会できるように、最後まであなたのことを考えて努力をし続けた。それがこうして叶ったのです。
努力は、今報われました。
だから、私は少しもがっかりなどしていません。むしろようやく勇者様のことがわかってスッキリしています。彼は、私たちには理解も及ばぬ美しい理想に生きた、上位存在などではなかった。
人を恋しいと思い、故郷を懐かしみ、思いを馳せる同じ人間だったのです。
私も勇者学を学んでいてよかったと、心の底から思っています。だから、あなたに彼のことを伝えられます。
差し出がましいことを申し上げます。
よろしければ旅に出ませんか。それはあなたの勇者としての役目にとっても、役にたつはずです。彼と同じように世界中を巡りながら、彼が成したことと残したものを、辿るための旅です。
私はそれを記録して、後世に伝えます。あなたと彼の記録にして、きっと残して行きます。
そうして彼が生きていた姿を、もっと鮮やかに描き出していきましょう。それは勇者学を選んだ私の、生涯をかけて行うべき仕事です。
ええ、きっと。六十年後にはあなたの像もこの隣に建つことでしょう。
名前? ええ、記録はともかく今のところ私にしか名乗っていないので、如何様にも変えられると思います。
ああ、なるほど。わかりました。
それが勇者様の本当の名前だったのですね。あなたはハルカの名前を彼に譲り、かわりにあなたの功績を彼の名前としてこの世に刻むつもりなのですね。
わかりました。ではタイトルだけ、書き換えておきます。
勇者ハルカの冒険は、一度終わりにしましょう。
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