三毛田
2026-05-11 22:39:15
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54 【54/明日も明後日も】

54日目
君と一緒に居たい

 明日も、明後日も。隣に君がいてくれる保証なんて、何処にもない。
 それでも、共に居たいと願ってしまうのはエゴだろうか。
「ナナシビトって、ある意味生と死が常に隣り合わせの日々だよな」
「急にどうした」
「先輩たちの過去の報告書を読んだら、何となく」
「未だ戦火に包まれている星では、特にそうだな」
 俺の言葉に納得したように頷くと、アーカイブを立ち上げて。
「ただ、この報告書はお前でも楽しめるだろう」
「楽しめるって……
 彼がそんなことを言うなんて珍しいな。と思いつつ、目を通していくと確かに面白くて。
 まるで冒険譚のような書き方に、報告書に吸い込まれていく感覚。
「この人、作家になった方がよかったんじゃ?」
 数システム時間をかけて全て読み終えた。流石に疲れたので、眼精疲労に効くという目薬を点してもらい、口にゼリーを運んでもらう。
「彼が活躍していた時代だと、難しいだろうな」
「あー……そういうやつか」
「ああ。今でこそ、色々と設備等が揃っているから簡単に個人でも本を作れるが、数十年前だと難しい」
「なるほど。でも、もったいない」
「お前のスマホに転送しておいたから、いつでも好きな時に読め。これから未整理のアーカイブの一覧をかき出す作業をするから、出ていって欲しい」
 声色は優しいが、俺が出ていくことが確定している言い方。まあ、彼の作業を邪魔したいわけじゃないので、大人しく自室へ。
 ベッドにドーンと飛び込み、スマホを開いてもう一度頭から読んでいく。
 でも、だんだん眠くなってきたのでサイドテーブルに置いてのったりと洗面所に行って歯磨きも終えてから布団に潜りこむ。
「おやすみぃ……
 誰もいない部屋に呟くのは、ちょっと寂しい。でも、いつの間にかついていた習慣だからなぁ。って。
……
 腕の中に重みがあって、ふと目が覚める。
 今日も一緒に寝てくれるんだ。って嬉しくなって抱きしめる。
 これが明日も明後日も続くといいなって。
「おはよぉ……
「ん……
 珍しくまだ眠いのか、もぞもぞ動いてちょうどいい場所を探している。
 可愛い可愛い俺の恋人。
 彼のこれからの生が、穏やかに過ぎていきますように。なんて、またも自分勝手な願い。
 それでも、俺と一緒に幸せになってくれたら嬉しいなって気持ちもあるので、どうしようもない。
……
「丹恒?」
「昨日は少し強めに言ってしまったのに、こういうことをしていてすまない」
「ううん。甘えてくれる丹恒が可愛いから、いいよ」