望月 鏡翠
2026-05-10 23:48:35
897文字
Public 日課
 

#2072 にやりと相棒5

#毎日最低800文字のSSを書く/@tmysmst

 凄く怖いところだよって言い聞かされていたので、海に行く前にちょっと怖くなっていました。
 でも海ってそんなに怖くなくて素敵なところでした。
 遠くまでキラキラして、ずっと揺れています。大きな一つ生き物みたい。
 寄せて返す波打ち際を追いかけて回るのは楽しいです。
 なんと、本当に海ってしょっぱいんです。塩を舐めるよりももっとしょっぱく感じます。青い海の向こうに、小さな魚がチラチラ泳いでいました。
 相棒が張り切って捕まえてくれようとしたんですけど、素早くて捕まりませんでした。代わりにずぶ濡れになって、塩で体がベタベタとして、体を動かしにくそうにしています。
 可哀想だから帰ったらよく拭いてあげます。それか一緒にお風呂に入りましょう。
 海ってずっと動いています。生き物がいて遠くまでずっとずっとどこまでもいけます。
「相棒、海って始めてみました。海って素敵ですね」
「僕も海は始めてだよ」
 それはそうです。相棒も生まれたばっかりなんですから。
「海はどう」
「まぁまぁってところかな」
 僕の相棒って少し気取っています。でもそこが余裕が物知りっぽくも見えます。
「明日も遊びに来たい?」
「もっちろ〜ん」
 やっぱり相棒も海が好きだったんだ。それがわかって僕は嬉しくなりました。
 おじいちゃんは、朝の海は色が違うと教えてくれました。岩場には岩場の、砂浜には砂浜の、海の顔があるんだそうです。
 この時期は黒潮というのが来ているから、特に海が綺麗なんだそうです。
 僕も海のいろんな顔を見てみたいです。海から帰ったら、身体中がベタベタになって髪の毛が固まっていました。相棒もきっと塩味になっているはずです。
 僕たちはゆっくりとお風呂に入って休みました。
 まだ真新しいピカピカのお風呂はおじいちゃんが暮らすために、手すりがついていてゆったりとしていました。
 近くに家がないから、お風呂場の窓を開けていいよって言われました。
 僕は窓を開けて、綺麗な月をみました。
 海の近くは星も綺麗みたいです。僕の家のそばにいるよりも、もっとずっとたくさん見えて、キラキラしていました。