望月 鏡翠
2026-05-10 23:44:47
923文字
Public 日課
 

#2070 にやりと相棒3

#毎日最低800文字のSSを書く/@tmysmst

 空港は広くて綺麗で、天井が広くて、そしていろんな人がいました。いろんな相棒もいました。
 僕はまだ相棒の名前を決められていません。だって難しいです。なんでもできるって、なんの名前をつけてあげればいいんでしょうか。
 潮風が嫌か聞いてみました。飛行機が怖いかも聞いてみました。
 相棒は鼻高々に胸を張りました。
「僕は飛ぶのも海も怖くないよ〜。体だって錆びない」
「じゃあ、海でも一緒に遊べますね」
 撫であげると相棒は喉をゴロゴロと鳴らして、目を閉じました。
 こうしていると、すべすべの猫です。
 僕の相棒は体が小さいので、一緒に座席に乗ることができます。でも、刃物のところは絶対に出しちゃだめなんです。
 荷物検査というのを始めてされました。
 飛行機には持って入っちゃいけないものがたくさんあるみたいです。相棒を取り上げられなくてよかったです。隠した方がいいのかなと思って、ポケットに入っていてもらったのですが、すぐに見つかってしまいました。隠しているものがわかる機械があるんです。格好いいです。
 相棒は金属探知機を近づけられると、ビーって音が鳴るようです。生きているけど、やっぱり金属みたいです。
 チューブみたいな通路を通って、僕は飛行機に乗りました。あんなに大きいのに、中は意外と狭いなと思いました。
 出発する瞬間は、車みたいだなと思いました。
 体がグッと座席に押し付けられて、耳の奥がキーンとしてそれからお腹のところがふわっとしました。
 僕はお腹のところがふわっとした後、気持ちが悪くなってしまって、一生懸命相棒を握りしめていました。相棒が硬い体をしていてよかったです。そうじゃなかったらきっと苦しい思いをさせてしまっていましたから。
 窓際に座らせてもらったので、僕は外を見ていました。
 僕は空を飛んだんです。雲の上に行きました。地面が遠ざかって行きます。
 雲の上に登ったらどうなるだろうって考えたことはありますか。僕はあります。雲に乗れないということあわかっていたんですが、これってなんだか、そういう夢見たいです。
 でも空に登ったあとは、景色が変わらないのでだんだん眠くなって、気がついたら眠っていました。