ortensia
2026-05-10 04:28:59
924文字
Public 傭リ
 

捏造時空、しゅーきょーせんそーに興味のない傭リ。リがろんどんいがいにいるとしたら、何処だろ?

※歴史とか地図とかめちゃくちゃです。
一所に留まると何を引き起こすか分からないリ()

 突然男は傭兵業をきっぱり辞めたと言い放つと、次に言った言葉も唐突だった。
「何処へでも連れてってやる。」
「ええ……?頼んでませんけど……?」
「ああ。支度しろ。」
 話が通じない。
 しかし、実は前にも似たような経験がある。それはこの男ではなく、この男に出会う前、我が師がロンドンから出て、ここ、ベルファストに行けと言い出したことだ。ヴィクトリア女王の像があふし、ケーブヒルカントリーパーク、それからジャイアンツコーズウェーもある。魅力のない漁村ではないのだ。
 そうでなくとも、確かにロンドンデリーなんて呼ばれていたりするが、ここに来て分かったのは、デリーの町民はそう呼ばれるのを嫌っているし、それを押し付けたイギリス人にも厳しい。まあそれはそうだろう。メイデンシティの城壁は、プロテスタントにもカトリックにも厳しいのかもしれない。
 つまりロンドンで、良い意味でも悪い意味でも目を付けられたせいで、この身を避難させるよう言われたのだ。結果的に、ベルファストの宗教的いざこざを、そのどちらの宗教にも全く関わりのない宗派の傭兵が間に入っていたという、面白い出会いはあった。なので。
「わたし、何かやっちゃいました?」
 男は片眉を上げた。
「心当たりがあるのか?」
「いいえ、とんでもない!ここに来てからは、おまえ相手以外には、何もしていませんとも!」
 自分にあるその唯一の心当たりのせいで、この男はいざこざが収まっても、こちらが男の寝室のドアノブに手を掛けただけで目を覚ますのだが。サプライズは人生を豊かにすると思う。
……おれは旅行でもどうかと思ったんだな。」
「ああ……おまえの仕事になりそうなことも、最近では起こりませんしねえ。」
 残念なことに。
 街が治安の関係で緊張していた間は、その感覚に胸躍って、自分が何かするどころではなかった。だが治安が落ち着いてからも、この男が遊んでくれるので、暫く退屈していなかったのだ。
「まさか旅先でオイタする気かおまえは?」
……あー、んー、ソンナコトアリマセンヨ。」
「だよな。」
 ここで、どうでしょう、とか言ったら、連れてってもらいえないのかな。ああでも、我慢できるでしょうか。


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いつもリアクション絵文字等ありがとうございます。