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ぽふむん
2026-05-09 22:59:00
1779文字
Public
ワンドロ
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凍りついた幸せの小箱
#童しの版深夜の真剣物書き60分一本勝負
「小箱」「燕」
超過去作のこちらが元ネタです
念誦 | Privatter+
https://privatter.me/page/657d3b81c4cd2
氷柱の童磨と上弦の弐の童磨がいます。
同じ一族の分派という設定です。
万世家が上弦弐童磨。施薬院家が氷柱童磨の家です。
水晶の数珠というのはいわゆるプロミスリングです。
一度満たされた幸せの箱が凍りつく生き地獄です
死ネタ注意
なんで毒効かないのよ。馬鹿野郎。
私は心の中で毒ついた。
視力が奪われ、視界は暗闇のよう。
もう立ち上がれない。
そんな中、最後に過ぎったのは、あの男が老紳士から引き取った、ゴールデンレトリバーという犬種だという犬の顔。
そして、その顔にそっくりな男の子どものような笑顔。
毛の長い動物は嫌いだった。
なのに、なんだかほっこりした気分になったあの一組。
ああ、あの人から貰った長方形の桐の小箱。
その箱が袂から落ちた。
暗くて紅い視界の中、小箱の中身がこぼれ落ちたのが見えた。
水晶の珠が何故かはっきりと見えた。
まるで
……
この後、これの贈り主が零す涙のよう。
あの男が泣くわけない。
でも
悲しませてはいけない。
万世と施薬院
かつて聞かされた、ふたつの流派の因縁を思い起こす。
血縁というものはすごいものだと思う。
百年くらいなら
こんなに瓜二つなんですね。
この水晶の数珠の贈り主に、いかに鬼とはいえ血縁殺しなんてさせてはいけない。
私は最後の力を振り絞り、体内の血などすべて搾り取られたかもしれない身体で立ち上がり
燕のように跳躍した。
🩸🪷🩸🪷🩸🪷🩸🪷🩸🪷🩸
「あれぇ
……
君はしのぶちゃんの鴉。艶と言ったっけ」
鴉の鳴き声がしたから振り返れば、しのぶちゃんが【艶】と名付けた鴉がいた。
────助けて!!しのぶが危ない。たった一人で鬼と遭遇した。相手は上弦 一人では勝ち目がない────
俺は衝撃に呆然とした。
「場所はどこ」
咄嗟に鴉の来た方向へ駆け出した。
遠い
いかに瞬足で、全力で走っても間に合わない。
それでも
例え心臓が破れたって構うもんか。
俺は全力でしのぶちゃん救出に走った。
相手は上弦。
しかも
よりにもよって
百年以上前に、きょうだいの確執で分派した親族に、鬼となった者がいたらしい。
そいつだ。
そんなもの、俺が断ち切るべき因縁 。
俺の家の問題じゃないか。
しのぶちゃんは関係ないだろう。
俺は必死で駆けた。
ああ、心臓がうるさい。
走って心拍数が上がったからだけではない。
しのぶちゃん
どうか
どうか粘って。
約束したじゃない。
お嫁さんになってくれるって。
そしたら引退して、後詰として鬼殺隊を支援するって。
約束したじゃない。
あの数珠には守護の修法もかけた。
俺は神様、仏様なんて信じていなかった。
こんな家に生まれながらさ。
単なる気休めだと思っていた。
そんな俺の前に現れた女神様。
観音菩薩のような娘。
初めて本気で神様、仏様という存在を信じてみてもいいかなと思えた。
東の空が紫色になってきた。
間に合え!!
俺が見た光景は絶望的なものだった。
満腹だったのかな。
しのぶちゃんは、鬼に食われてはいなかった。
ただ
……
猫が、捕まえた獲物を食うこともなく遊ぶように
もう死にかけのしのぶちゃんの体をボールのように
たかいたかいをするように、宙に投げては受け止め
……
玩具にされていた。
ふざけんなよ
……
その子は俺の奥さんだ。
「氷の呼吸
……
」
俺は、しのぶちゃんの体を取り返した
「ん?あれ??君
……
俺?」
あいつ、少し驚いた顔をしていたな。
でも
知ってる。
それ演技だろ?
同じ血だもん。わかるよ。
「あー
……
君のことも調べなきゃ
……
でも時間ないや。遊びすぎちゃった。じゃあねぇ♪♪俺」
あいつ。
百年以上続く、俺の家の因縁は闇に帰っていく。
「しのぶちゃん!しのぶちゃん!しっかりして」
もう無理だとわかっていたけども、俺は体温の奪われていくしのぶちゃんの体に声をかけ、撫でさすった。
「がはぁ
……
」
しのぶちゃんは、最期に何か言おうとした。
けども、大量の喀血
「喋らないで!寝ないで!隠を!早く医療班!
……
あぁああああああああ!!」
しのぶちゃんの体から、俺の腕の中から急激に体温が奪われていく。
やっぱり
神様も仏様もいないじゃないか。
この日以来
俺の笑顔は偽りだ。
本当の笑顔と感情は
胸の小箱に閉じ込めて凍りつかせた。
そして、封印した。
解凍する日は二度と来ない。
太陽の女神様は
消えちゃったもん。
寒いよ。
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