三毛田
2026-05-09 16:47:32
1088文字
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52 【52/アルバムの中の君は】

52日目
笑っていないけれど、今は笑う

52 【52/アルバムの中の君は】

「ぜんっぜん笑ってない!」
「笑う必要はあるのか?」
「ピースすらしてない!」
「最近はしているだろう」
「してるかもだけど……ピャアッ」
 なのと二人で、彼女が撮った写真を薄れつつある記憶を頼りに整理整頓しつつアルバムに収める作業を手伝っていた。
 パム、姫子、ヨウおじゃんはそれそれ笑顔だったりピースとかポーズをとっているのに、丹恒はピースも笑顔もない。
 ひどいときには、こちらを向いていない。そういうところだぞ。
 と、嘆いていたらノックの後丹恒本人が入ってきて。
 当たり前のように会話をしていたため、驚いて変な悲鳴が出た。
「穹……
 なのからも、丹恒からも呆れた視線を向けられて。
「うわぁんっ」
 恥ずかしくて、その場に蹲る。
「アンタが変な悲鳴をあげるのはいつものことだから、ウチも丹恒も気にしてないよ」
「少しは気にして!!」
「今更だろう」
「あうう……
 丹恒の前では、格好いい男でいたいのに。これじゃあ、台無しだ。
「格好つけたところで、お前が色々おかしいという事実は変わらない」
「おかしい!? 俺、おかしいの!?」
「普通ならゴミ箱漁ったり、創造物とゴミを巡って喧嘩なんてしないってば」
 そういうものなのだろうか。
「今更だな。それで、お前たちは何をしているんだ」
「写真整理! 丹恒、これとか懐かしいでしょ」
「三月が勝手に撮った写真だな」
「勝手にじゃないもん! 姫子に許可もらったから撮ったんだよ」
 彼女の手元を覗き込むと、笑顔で手を振る姫子と一切カメラを気にしていない丹恒の横顔。
 さすが俺の彼氏様。横顔も素敵。
「丹恒、写真写りいいのにもったいない」
「でしょ!? それなのに、基本無表情でこっちを見てくれることも少ないんだよ!」
「最近は、なるべくカメラの方を向くようにしているだろう」
「隣に穹がいるからでしょ?」
……
 図星だったのか、照れくさくなったのか。黙ってそっぽを向く。可愛いとしか言いようがないんだが。
「なの。写真整理手伝うのここまででいい?」
「ダメ〜!」
「チェッ」
 丹恒が可愛すぎるので部屋に連れ込みたかったのだが、断られてしまったので諦めるしかない。
「仕方ない。俺も手伝おう」
 写真の山に手を入れて一枚一枚仕分けしていく。
「終わった〜!」
 途中で水分補給はしていたけど、多分あれから二システム時間は作業していた。
「アルバムまた増えちゃった」
 なんて、嬉しそに笑うなのを見たら、文句なんて言えるわけなくて。
 丹恒と二人顔を見合わせ笑う。