ここ
2026-05-08 18:14:05
10644文字
Public 小説
 

【リバリン】花香の導【女体化】🔞

コンラン花のせいでモブ男にヤられちゃうリンク♀からのリバリン。ハッピーエンド。
※リンクが先天性の女性設定です

【⚠️18歳以上のみ閲覧可】

 焚き火の炎がパチパチと爆ぜる。鍋から上がる湯気を浴びながら、リンクの心は弾んでいた。
 厄災を封じてから早数ヶ月。リンクはハイラル王家に仕える近衛兵としての職務を続けながらも、共に世界を救った英傑たちとの交流を続けていた。そして今日はそのうちのひとり、リーバルと会う約束をしているのだ。
 リンクはリーバルに密かに想いを寄せている。密かに、とは言っても周囲にはっきりと宣言をしていないだけで、ゼルダ姫やミファーをはじめとした親しい女性陣には筒抜けになっている。現にゼルダ姫には他の英傑たちに比べて明らかに高い頻度でリーバルと会っている事実を訝しまれるどころか、「応援しています!」と眩しい笑顔で声をかけられる始末だ。もしかするとリーバルにもリンクの気持ちはバレているのかもしれない。けれどリーバルはリンクからの誘いにまんざらでは無い様子だし、彼の方からも同じくらい頻繁にリンクを訪ねてくるその事実がリンクにとっては甘やかな希望となっている。
 はっきりと互いの気持ちを確認したわけでは無い。けれど、互いを見つめる瞳には確かな熱がこもっいる。そんな焦ったくもくすぐったい関係が、今のリンクとリーバルの間にはあった。

 リンクはリトの村に程近い馬宿でリーバルを待っていた。約束の時間にはまだ早い。リンクはすっかり顔見知りになっている馬宿の主人に声をかけ、赤々とした火が灯されている料理鍋の側へと陣取った。
……時間まで、ホットミルクでも作ろうか)
 そんなことを考えながら、リンクはゴソゴソとポーチを探った。ヘブラは一年を通して寒い。自前の立派な羽毛で寒風を受け流すリト族にとってはこんな寒さなど屁でもないことはわかっているけれど、きっとリーバルはリンクが差し出すカップを受け取って口元を緩めてくれる。そんな確信を抱きつつ二人分のホットミルクの素材を取り出して足元に並べたところで、ふと背後から声をかけられた。
「こんにちは。お隣をよろしいですか?」
 振り返ると、そこにはリンクと同じようにリトの羽毛服を着込んだ旅装のハイリア人の男が立っていた。糸のように目を細め柔和な笑みを浮かべた顔は、見知った人物ではない。リンクがこくんと頷き場所を空けると男は礼を言いながらリンクの横へと腰掛けた。
「良くこの馬宿で料理をしている騎士様ですよね? 料理がお好きなんですか?」
 リンクの方は意識していなかったが、男の方はリンクを見かけたことがあるらしい。男の言う通り、料理は食べるのも作るのも好きだ。リンクが頷くと、男はそれなら頼みがある、と言って声を顰めた。
「実はこの林の奥に珍しい薬草が生えているみたいなんです。ただ、本物かどうか私には判別がつかなくて。時間があるならちょっと見てくれませんか?」
 珍しい薬草、と聞いてリンクは目を輝かせた。リンクも興味があるが、それ以上にリンクの主人であるゼルダ姫がきっと喜ぶであろう。王位を継ぎ今まで以上に政務に忙しくしている彼女はなかなか昔のように自らの足であちこちへと調査に出かけることはできないのだ。リーバルとの約束まではまだ少し時間がある。リンクが荷物を手早くまとめようとすると、それを男に制された。
「あぁ、お荷物はそのままで。他の人に知られると商売に差し支えますので」
 男はどうやら旅をしながら素材を売り歩く商人らしい。こっそり行きましょう、という言葉にリンクが頷くと、男が笑ってリンクを手招いた。
 男が浮かべる笑みの意味も知らぬまま、リンクは誘われるがままに林の奥へと足を踏み入れた。

ーー

 先を進む男に従って木々の間を縫って進んでいく。林の奥の茂みの向こう、岩壁が聳える行き止まりのあたりまできたところで男が「ここです」と言って振り返った。
「これなんですけど、どうでしょう」
……?」
 男の指さす地面を見ても、そこには周囲と同じありふれた草が生い茂るばかりで、これといった珍しいものはない。首を傾げるリンクに、男は屈んで見ろと言う。
「ほら、ここですよ。もっとよく見て」
……、あの、やっぱり何も」
 男の言葉に従って身を屈め目を凝らしても、やはりわからない。リンクが背後に立つ男を振り返ろうとした、その時だった。視界の端からニュッと男の腕が伸び、手に持った何かを強く鼻先に叩きつけられる。
「っ、んぐ……っ!?」
「ああ間違った。こっちでした。コンラン花っていうんです、これ。ご存知ですか?」
 どこか卑俗な笑いを含んだ男の声が耳に入るとともに、叩きつけられたものから溢れ出した紫色の霞がリンクの視界を覆った。咄嗟に身を引こうにも、しゃがんでいた足元がぐにゃりと大きく波打つ感覚に身体が平衡を失う。男が持っていたのは大輪の紫色の花だった。花から漂う強烈な臭いが肺を満たしていくのに抗う術もなく、脳を直接かき混ぜられるような猛烈な眩暈に襲われる。気づいた時にはリンクの視界で空と地面が入れ替わっていた。
(──なんだ、これ……?)
 思考が霧散し、自分が何をしていたのかさえもうわからない。呆然と見上げた先で、こちらを見下ろし笑っていた人物の顔が毒々しい紫色に烟る靄の中に溶けていく。
「ははっ、流石の騎士様もこの花の効果には勝てないようだな」
 ぼんやりとした思考の中、耳に入る声はもはや意味を結ばなかった。力の抜けた身体を誰かに抱き寄せられるのにも碌に抵抗できない。腰元を締め付けていたベルトを外そうと弄る、カチャカチャという音が木々の間に反響する。
「ぁ…………?」
 視界は焦点を結ばず、鼻腔も強烈な花の匂いに侵され機能しない。ただ、しがみついた指先で触れた柔らかな感触だけがわかった。焦がれた思いでいつも見つめている相手と同じ、ふわりと暖かい羽毛の感触。
「リー、バル……?」
「誰かと勘違いしているのか? そりゃいい、このまま大人しくしてな」
 リンクの声に身体を弄る手が一旦止まる。聞こえる笑い声にリンクは強張っていた顔をふにゃりと緩ませた。
 急にこんな風に迫られるなんて。そんな戸惑いと羞恥はあるが、それでも相手はリーバルなのだ。ずっと想いを寄せていた相手に気持ちが通じていた嬉しさが、リンクから抵抗を奪った。くたりと身体の力を抜き、相手の動きに身を委ねる。
「そうそう、素直になりゃこっちだって可愛がってやるからよ。……チッ、面倒臭い服だな」
 動きを再開した手が、なかなか緩まない服に焦れたように布を強く引っ張る。ビリ、ブチと鈍い音の後、服と素肌の間に冷えた空気が忍び込むのがわかった。それに身を竦ませる前に、空気と同じくらい冷えた指先が柔らかな肌を這う。
「ひゃ……っ」
 リーバルの指って、冷たいんだ。それが意外に思えたけれど、すぐにリンクの肌の熱が移って気にならなくなった。シャツの裾あたりから忍び込んだ手が胸に巻いた晒しを乱暴にたくし上げ、タプリと溢れ出た乳房を鷲掴みにする。
「っあ、……
「ハッ、いやらしい身体をしやがって。前々から狙ってたが、こりゃ思った以上だな」
「あぁうっ、ぁん……ッ」
 誰にも触れられたことなどない乳房を無遠慮に捏ねくり回され、リンクは背をのけぞらせて喘いだ。柔らかい脂肪の塊に固く節くれだった指先が沈み込み、痛いくらいの強さで乱暴に揉みしだかれる。コンラン花の毒に冒されたリンクの脳は、そんな痛みすら激しい情愛へと変換した。外気に触れてツンと勃った乳首を抓られ、口から自分のものとは思えないようなか細い悲鳴が漏れる。
「あっあっ、リーバル、そこ、ぁうッ!」
「おら、気持ちいいだろ?」
「あんッ、きもちぃ、んんんッ!」
 敏感な場所を執拗に弄られ、無意識に腰をくねらせてしまう。そんな痴態を笑う声はリンクの胸元から聞こえた。「あ、」と思った時にははもう、乳房をパクリと咥えられていた。ヌメヌメと良く動く舌で舐め回され、チュウチュウと熱心に吸い付かれる。
「あ、あぁ……っ、リーバルぅ……!」
「ハァッ、堪んねぇなぁ!」
 唾液で濡れた肌に当たる息がこそばゆい。時々悪さをするようにカシカシと齧られるたびに鈍い痛みが走り、小さな悲鳴とともに腰が跳ねる。
(リーバル、俺の身体に興奮してるんだ……
 いつもツンと済ましたリーバルが赤子のように乳房に夢中でしゃぶりついている。そう思うとどうしようもなく下腹が疼いた。甘い疼きに身体を震わせているうちにズボンを脱がされ、下履きも一緒に取り払われてしまう。
「なんだよ、ビショ濡れじゃねぇか」
「んっ、言わ、ないでぇ……
 剥き出しになった股の間を覗き込こまれるのが恥ずかしく、思わず顔を両手で覆ってしまう。けれどその言葉の通り、ソコが溢れ出る愛液でぐっしょりと濡れぼそっていることはリンクだって理解していた。注がれる視線に期待したように小さな膣口がヒクヒクと動き、それによってまた溢れ出た新たな滴が内腿を伝う。
(とうとう、リーバルと結ばれるんだ
 身体の一番大事なところをこんな風にさらけ出すのは恥ずかしいけれど、リーバルにだったら、いい。顔を覆っていた両手をどけて空を見上げれば、木々の間から漏れ入る太陽の光がリーバルの飾り羽のように金色に輝いて見えた。足元では興奮に荒くなった息と、衣服をくつろげる音が聞こえる。リンクは待ちきれない気持ちで自ら誘うように脚を大きく開いた。その間に割り込まれ、腰を強く掴まれる。クパ、と開いた粘膜に、硬く熱いものが直接押し当てられるのがわかった。先端からも先走りが漏れているのだろうか、湿った粘膜同士が触れてクチュ、と湿った音が響く。
「たっぷり犯してやるからな!」
「うん……来て、リーバル……
 想いの成就にじんと感動するリンクをよそに、猛った肉棒が狭い膣内に強引に潜り込んでくる。異物感と圧迫感に一瞬息が詰まるが、それも幸せが凌駕してしまう。
 覆いかぶさった男が自分の身体を蹂躙し始めるのを、リンクは夢を見るような心地で受け止めていた。

***

 リーバルが馬宿に着いたのは、約束の時間を少し過ぎた頃だった。時間通りに家を出るつもりだったのに、出かけ間際に村の子供達にちょっとした頼まれごとをされたのだ。風に飛ばされリリトト湖に落ちてしまったおもちゃを取り戻した子供達の笑顔を伝えれば、リンクだって笑って許してくれるだろう。そう思いながら馬宿を覗いたのだが、そこに目当ての姿はなかった。
「リンク? まだ着いていないのか?」
 訝しみながら馬宿の主人に声をかければ、「リンクさんならさっきまで料理鍋のところにいましたよ」と言う。見れば確かにリンクの手荷物と思われるものが料理鍋の側に置かれていた。と言うことは、リンクはおそらく近くに居るのだろう。リーバルは首を傾げながら周囲を散策することにした。
 馬宿の裏手は林になっていた。キョロキョロと辺りを見回すリーバルの耳が、木々の奥から聞こえるかすかな声を拾い上げた。いつもより少し甲高い気もするが、確かにリンクの声だ。誰かと話しているのだろうか? しかし先約は自分なのだから遠慮することはない。そう思いながら足を進めようとしたところで、リト族の鋭い聴覚がまた新たな声を拾った。
──あっ、あぁん……
……!?」
 ドクン、と心臓が嫌な音を立てる。
 聞いたこともないような溶けた声がどうか聞き間違いであってほしい。リーバルは半ば祈るような気持ちで林の茂みをかき分けた。しかしその先に広がっていたのは、リーバルの最悪な想像を具現化した光景そのものだった。
 林の奥では、地面の上で淫らにまぐわう見知らぬ男とリンクの姿があった。淫蕩にふける二人は静かに歩み寄ったリーバルに気づく様子もない。一体どういうつもりなのか。カッと血の昇った頭のままに怒鳴りつけようとしたところで、リンクの一際高い鳴き声にリーバルは目を見開いた。男に揺さぶられながら、甘く蕩けた表情を浮かべるリンクが。どこか虚ろな目をした彼女が、何度も何度も繰り返し呼ぶ声が。
「リーバル……リーバルぅ……っ」
 自分を裏切ったはずのリンクの口が、恋い慕う気持ちを隠しもせずにリーバルの名を呼んで甘く鳴いている。それを理解した瞬間、言葉よりも先に身体が動いていた。リンクにのしかかり腰を振る男の脇腹を渾身の力で蹴り飛ばす。
「がふッ……!?」
 間抜けに油断していた男は面白いほど簡単に吹き飛び、石崖に頭を強打してあっけなく動かなくなった。それには目もくれず、リーバルはよろよろとリンクの側に膝をついた。
「リンク……
「あぇ……? リーバルがもうひとりいるぅ……?」
 男に押し倒されていた姿勢のまま、股を男の精で濡らしたリンクがリーバルを見てぽかんと笑う。周囲には怪しげな紫色の花がひしゃげて散乱していた。見たこともない種類だが、この花が目の前のおぞましい状況を引き起こした可能性が高い。かすかに漂う紫色の花粉を吸い込まないように気を配りつつ、リーバルは震える手で身にまとっていたマントを外しリンクの身体を包みこんだ。抱きかかえられたリンクが、幸せでたまらないとでも言うようなふわふわとした表情でリーバルの首元へ顔をすり寄せる。
「えへへ……リーバル、だいすき……
「リンク……すまない、リンク……ッ!」
 自分がもっと早く馬宿に着いていれば。そんな後悔に嘴を噛み締めながら腕の中の細い身体を抱きしめる。しかし今はとにかく早くリンクの身体を清めてあげなければ。怒りと悲しみでおかしくなりそうな胸中を必死に堪え、リーバルはリンクを抱えて立ち上がった。リーバルはクタリと力の抜けたリンクの身体を自身の背に括り付けると、大きく翼を羽ばたかせてヘブラの空へと飛び立った。

ーー

 リンクを抱えたリーバルはヘブラ山脈にある秘湯に来ていた。コンコンと湧き出る癒しの力を持った湯の中に、リンクの身体をゆっくりと降ろす。
「あ……リー、ばる……?」
 うとうととしていたリンクが、身体を撫でる翼の動きに瞼を震わせた。湯気で白く滲む視界に、リンクの瞳がリーバルの姿を捉えて細められる。
……疲れただろ? 眠ってていいよ」
 身体中にこびり着いた男の体液を丁寧に洗い流しながらリーバルが静かに答えると、リンクは嬉しそうに口元を緩めて再び目を閉じた。何もかも忘れてしまいなよ。そう思いながら繰り返し湯で清め、リーバルは水気を拭ったリンクの身体を山小屋へと運んだ。少し埃っぽいベッドを払ってリンクを横たえる。湯で温まり桜色に色づいた身体には、洗い流せない乱暴の跡が残っていた。それを覆い隠すように、リーバルは目の前の身体へと寄り添って抱きしめた。


***

──あたたかい。
 リンクは全身を包む羽毛の温もりの中で意識を浮上させた。直接肌に触れるくすぐったいような羽毛の感触は、自分が一糸纏わぬ姿であることを間接的に伝えてくる。うっすらと瞼を開けば、目の前には思った通りに青藍の翼があった。リーバルも眠っているのか、ピタリとくっついた身体から静かな息遣いと鼓動の音が伝わってくる。
……そうだ、俺、とうとうリーバルと結ばれたんだ)
 思わぬ展開ではあったけれど、気持ちが通じていた。その幸せを噛み締めながらもう一度眠ろうと思ったところで、リンクの脳裏にチリっとした違和感が掠めた。そういえば身体を繋げたのは馬宿の近くの林だったはずなのに、ここはどこだろう。小ぢんまりとした室内はどう見ても馬宿ではなく、山小屋か何かのようだ。いつの間に移動したのだろうかと不思議に思いながら視線を走らせれば、暖炉のそばに干されている羽毛服に目がとまった。まだ乾き切っていないそれは泥に汚れ、所々が乱暴に引き裂かれている。それに気づいた途端、リンクは自分の喉が奇妙に乾いたような、つっかえたような感覚に囚われた。
──リーバルが、こんな乱暴なことをするだろうか。
 誇り高く、そして格好つけなところがある彼が。ちゃんと互いの気持ちを確認する前に、いきなり屋外で押し倒して性行為に及ぶようなことが。そんな引っかかりに一度気づいてしまえば、どこかで無意識に遠ざけていた違和感が堰を切ったように押し寄せてきた。
 確か、リンクはリーバルを待っていた馬宿で知らない男に話しかけられたのだ。その男に着いて行った先で、どうしてリーバルと結ばれることになったのだっけ? いつの間にリーバルが? 痛いくらいにリンクの身体を貪ったあの指先は、舌は、本当にリーバルのものだった?
 足元からざわざわと込み上げる恐ろしい予感にかすかに震えながら、リンクはリーバルに愛されたはずの自分の身体を見下ろした。そこには確かに生々しい情交の跡があった。けれど、白い乳房に残された丸い歯型も、下品なほどたくさん散らされた吸い痕も。強く押さえつけられ、赤黒いアザになった指の形も。それはどう見てもリーバルの痕跡ではない。目に映る事実を必死に否定したがる脳内で、紫の靄の奥に霞んでいた細切れの記憶が繋がっていく。
「ぁ……あぁあっ……!」
 リンクは悲痛な声を漏らしながら這うようにリーバルの腕の中から抜け出した。そのまま転がり落ちるように固く冷たい木床の上に蹲る。とめどなく溢れ出す涙が床を打ち、土埃と混じり合ってリンクの手足を汚した。幸せの絶頂から地獄に突き落とされたようだった。呼吸がひきつり、合わない歯の根がガチガチと鳴る。
「リンク……?」
 目覚めたらしいリーバルに声を掛けられるが、とても顔をあげることなどできない。男に蹂躙された身体を自分の腕で掻き抱きながら、「見ないで……」と声を絞り出すのが精一杯だった。ベッドの上でリーバルが身を起こすかすかな衣擦れの音が耳に届く。
「リンク、おいで。身体が冷えてしまう」
「汚い、から……っ、触っちゃ、ダメだよ……
 うつむいた視界にリーバルの翼が差し出されるのを、リンクは力なく首を降って拒んだ。リーバルはそれを無視して、リンクの身体を翼で包み込んだ。思わず泣き出してしまったリンクを抱え上げ、ベッドの上でぎゅっと抱きしめてくる。
「汚い? 何を言っているんだ。君は綺麗で可愛らしくて、すごく魅力的だよ」
 宥めるように語りかけるリーバルの翼は優しく柔らかだった。その慈しみが伝わってくる感触に、リンクの瞳からはまたボロボロと涙が溢れ出た。……どうして、あんな知らない男の手をリーバルのものだと思い込むことができたのだろう?
「お、俺……急に頭がおかしくなって……っ、知らないやつをリーバルだって勘違いして……っ」
「危ない花を嗅がされたんだろ。君のせいじゃない。だから全部忘れなよ」
 静かに告げるリーバルの言葉を聞いても、リンクの涙は止まらなかった。忘れる? そんなことできるだろうか。どんなに忘れたいと思っても、身体中を這った手の感触が、腹に受け入れた熱が。そして何よりそれを悦んでしまった記憶がリンクを苦しめるのだ。
「忘れ、られないよ……。俺、あんなに穢らわしいことを」
……だったら、僕が忘れさせてあげようか」
 嗚咽が響く室内に、リーバルの言葉がポツリと落ちた。リンクが喉を震わせながら顔をあげると、苦しそうに眉を寄せたリーバルの視線と絡み合う。そこに宿る熱の意味を読み取ったリンクの肌がザワリと粟立つ。
「いいの……? リーバル、俺のこと汚いって思わないの……?」
「言っただろ、そんなこと思わないって。むしろ、その……、正直に言えば僕の身体はさっきからずっと我慢している状態なんだ」
 リーバルがどこか居心地悪そうに腰をもぞもぞと動かす。視線をやれば、リーバルの下腹部の羽毛がもっこりと膨らんでいるのが見えた。目元を赤らめながら、「だけど決して君の傷に付け入るようなことがしたいわけじゃない」というリーバルに、リンクの鼓動はドクドクと激しく脈打った。力なく垂らしていた腕を持ち上げて、リーバルの翼をそっと握りしめる。
「お、俺もリーバルがいい。リーバルに、全部忘れさせて欲しい」
……本当にいいのかい? 身体が痛むんじゃないのか?」
「ううん、平気だよ。それよりリーバルに、全部塗り替えて欲しいんだ」
 瞳を潤ませながら力を抜いてリーバルに身を委ねると、一度ギュウッと強く抱きしめられてからゆっくりとベッドに押し倒された。シーツに散った金髪を一筋一筋丁寧に梳りながら、リーバルがリンクの耳元でしっとりと囁く。
「こんなときに言うのもアレだけど。君のことがずっと好きだった。愛しているよ、リンク」
……嬉しい。俺も、リーバルが好き」
 込み上げる涙と嗚咽を掬い取るように口付けられる。ちゅ、ちゅ、と湿った音をたてながら舌を絡ませあっていると、仰向けになった胸の上でふるりと揺れる乳房にリーバルの指先が伸びた。柔らかな羽毛の先端で撫でられる焦れったい快感に、塞がれていた唇から小さな声が漏れる。
「あぁっ」
「痛かったか?」
「ううん、気持ちよくて……。もっと、強くしてもいいよ」
 恥じらいながらも素直に答えるリンクに、リーバルは抑えていた欲望がズクズクと膨れ上がるのを感じた。リンクの許可をいいことに、両手で包み込んだ乳房の先端の頂を長い舌で思う存分舐め回す。リンクの肌にはよく見れば無数の傷跡があったが、それでも柔らかくきめ細やかな肌は舐めれば舐めるだけ甘く蕩けるように感じた。リンクが「あっあっ」と可愛らしい声をあげながらしきりに両股をすり合わせる。その間を割るようにゆっくりと翼を差し込めば、溢れた愛液がネチャ、と糸を引くのがわかった。とめどなく溢れる粘液はリーバルの指先をしっとりと濡らすほどだ。リンクが快楽を感じている証拠に、堪えきれなくなったリーバルの下腹部からぶるんっと太い肉茎がこぼれ出た。羽毛とは全く違う、剥き出しになったリーバルの熱がリンクの太ももへと触れる。
「っあ……
「リンク。これ、挿れてもいい? ……君が怖ければ無理強いはしないよ。ただ、君に触れられるだけで幸せだから」
 リーバルの言葉に促されて視線を股の間に送れば、そこには痛々しいほどに反り返り、埋める肉壺を求めてビクビクと震える陰茎がある。きっと我慢をするのは辛いだろうに、それでもリーバルはリンクの気持ちを何よりも優先しようとしてくれているのだ。その優しさに、リンクは微笑むと同時に涙を零した。
「俺が欲しいんだ、リーバル。俺のことを、リーバルのものにして」
 リンクは自ら白い脚をリーバルの腰へと絡みつかせた。息を飲んだリーバルの身体がブルリと大きく震えるのが伝わってくる。
「わかった」
 リーバルは熱い息を吐いて低く答えると、リンクの脚を抱え上げ、昂ったペニスの切っ先をリンクの膣口へとあてがった。ゆっくりと腰が押し込まれ、その分だけリンクの胎内にリーバルが埋まっていく。触れ合った粘膜は溶けてしまいそうなくらいに熱い。前後不覚になりながら穢されたところが、リーバルの熱によって焼かれ直していくのを感じる。
「ひぁっ、ぁ、あう……、っ」
「リンク、力を抜いて……
 リーバルは急かさず、リンクの呼吸に合わせてゆっくりと腰を沈めた。欲望の赴くままに乱暴に突き上げられたのとはまるで違う、じわじわと込み上げるような快楽が生まれる。腰の動きに合わせて身体を押し倒したリーバルがリンクの胸元に顔を寄せた。再び舌先で乳首を愛撫され、その刺激で膣内がキュウキュウと締まる。その度に、潜り込んだリーバル自身の深さと太さを意識してしまう。
「あぁっ、リーバル……っ!」
「んっんっ、君の中、最高だ……。愛おしい相手と身体を繋げるのが、こんなに幸せで気持ちがいいものだなんて。知らなかったよ」
「んぅっ、お、れも……っ」
 挿入後もリーバルは決して激しくは動かず、リンクに揺蕩うような快楽と幸せをもたらした。ゆっくりと小刻みに動かれる分、リンクの股の間でピンと主張を増した肉芽が羽毛で擦られて堪らない。結合部から控えめに鳴る水音をかき消すような嬌声が口から溢れてしまう。
「ああっ、あんっあああ!」
「リンク、気持ちいい?」
「〜〜きもちぃいっ! いいっ、きもちいぃ……っ!」
「よかった。……でも、僕もそろそろ限界。出したい、君の中に……いい?」
「うん……っ、リーバルの、一番奥に出して、全部……!」
 はぁはぁと荒い息の中、唾液がこぼれてベタベタになるのも構わずに舌を絡め合う。互いの存在を確かめ合うように強く抱きしめ合うのと同時に、リンクの胎の奥でリーバルの熱が弾けた。胎内で迸る激流を感じながら、リンクは感じたことのない悦びに背をしならせビクビクと身体を震わせた。ぐったりと脱力しきった身体はピクリとも動かすことが困難に思えた。しばらく荒い息遣いだけが聞こえたあと、リーバルがゆっくりと腰を引いた。ぬぽ、と湿った音をたててペニスが引き抜かれる。
 ぽってりと熱を持って赤く腫れた膣口が、自らを埋めていた質量を失って切なそうにヒクヒクと蠢くのが恥ずかしかった。その蠢きに合わせ、大量に注がれた白濁がトロトロと溢れ出していく。リンクの中がリーバルの愛で深く、確かに満たされた証左だ。
「リンク」
 寝転んだままのリンクに寄り添うように、リーバルが身体を横たえてリンクを抱きしめた。興奮で体温の増したリーバルからはいつも以上に濃厚な体臭が立ち上り、その匂いに酔いしれる。恐ろしい記憶も、鼻の奥にこびりついていた花の香りも、もうリンクの中からはかき消えていた。リンクもリーバルに応えるようにリーバルを抱きしめ返す。
「愛しているよ、リンク。これからずっと一緒にいよう」
「うん」
 今度こそ本当の幸せの中にまどろみながらリンクの意識が沈んでいく。平和になったこのハイラルで、リーバルと二人で新しい生活を始めるんだ。眠りに落ちたリンクの口元に幸せな笑みが浮かぶのを、リーバルもまた愛おしそうに見つめる。
 山小屋の小さなベッドの上は、溶けるような幸福と、未来へと続く確かな熱で満たされていた。

<了>