三毛田
2026-05-06 20:47:17
1084文字
Public 1000字7
 

49 【49/片翼の天使】

49日目
君に似ているようなそうじゃないような

49 【49/片翼の天使】
 とある星の廃墟で見つけた石像は、片翼がなく顔もない天使。
 どうして見たこともないのに、天使だとわかったのか。
 答えは簡単。その像の足元に、プレートがあったから。
「これが天使?」
「天からの使いという意味で使われているのであれば、そうなのかもしれないな」
「顔がないのは、わざとか?」
「わからない。これを作った彫刻家の意図は、本人しかわからないだろう」
「ふうん」
 一緒にこの石像を見ていた丹恒に質問してみるけれど、曖昧な返答しか来ない。
 きっと彼も、俺と同じように詳細を知らないのだろう。
「ここが廃墟になった理由はわかるか?」
「それならば」
 ただし、伝聞である。という前置きの元、話してくれる。
「歴史ってことか」
「そうだな」
 俺の言葉に頷き、石像を見上げて。
「うーん……
「どうした」
「もしかして、この像って丹恒に似た顔だったんじゃないかなって」
「似ているか?」
「何となくそう思っただけだから、忘れていいぞ」
 軽く手を振ると、彼は了承したというかのように頷き。
「もう用がないのであれば、戻ろう。三月が心配する」
「あー……勝手にいなくなったから、怒られるかも」
「大人しく怒られておこう」
 肩をすくめた丹恒とともに、廃墟を後にする。
「もう! 何処に行ってたの!?」
「ちょっと散歩」
「迷子になったかと思って焦ったじゃん!」
「すまない」
「丹恒も一緒に居たのに!?」
 ありえない! ってしばらく文句を言われた。まあ、勝手に行動したのは俺たちなので、甘んじて受け入れておいた。
「車掌さんにも叱ってもらうんだから!」
「わかったよ」
 頷いたはいいけれど、そこまでパムに怒られるようなことかな? って思ったけど、黙っておく。
「そのケーキ屋さん入って買って!」
「焼き菓子の詰め合わせでいいか」
「それプラス、ケーキ!」
「仰せのままに、お姫様。イテッ」
 ちょっと茶化すように言ったら、蹴られた。俺の尻が四つに割れたらどうするんだよ。
 なのが選んだケーキと、丹恒が選んだ焼き菓子のギフトセットを持って列車へ。
「ただいま~」
「ただいま! 車掌さん聞いてよ!」
「おかえり。なんじゃ、なんじゃ」
 掃き掃除をしていたパムの元へ突撃するように近づき、先ほどまでの状況を伝え。
「それは大変じゃったのう。三月ちゃん、お茶はどれがよい?」
「えっとね」
 パムが意識をそらしてくれてよかった。これ以上色々言われたら、俺のメンタルに響く。いや、自業自得なんだけどさ。
「丹恒、俺たちも行こう」