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ろころころ
2026-05-05 21:10:18
1668文字
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わくわく拷問トーク/ギルファフ
「柱の両端に手足を釘で打ち付けられ、胸部の圧迫による窒息と両手足の骨と肉のどっちが先に限界を迎えるかを競う。これが十字架刑ってヤツ」
十字状に固定された丸太に括り付けられた人型の砂袋は、彼らが何の手を加えずともビリビリと音を立て引き裂かれて行く。黄土色の布から軽い煙を纏った砂が溢れ出し、地面へ崩れ落ちた頃にはその布袋も抜け殻と化していた。
「そっか
……
でもこれって、即効性は無さそう
…
?」
「あー、まぁそうだな。それは無い。無駄にしぶとい奴だと逝くまで3日とかかかるらしいぜ?ま、見せしめみてえな意味もあんだろ。それなら長けりゃ長いほどいい」
「見せしめ
…………
」
そんなものが必要な世界を、世界の平和を願って歌う少年は、きっと望まないだろう。その隣に立つ異国の不死者だって同じだ。彼は戦いのある世界に行くことを望んでいたが、裏を返せば別世界での争いですら鎮圧すべく動いているとも言える。
でも、この大陸ではそれが必要だ。
神を信じるなと叫ぶ声に従わぬ愚かな子供達に、神を信じた成れ果てを見せてやらねばならない。
──────全ては平和の為。
平和の為に流れる血は、無意味と言えるだろうか?
「それ
…
ギルはどこで知ったの?拷問を担当する仕事に就いてるなんて話は
…
聞いた事無かったけど
…
」
「ああ。十字架刑の話なら
…
くくっ、それはそれは悪趣味な使徒サマがいてなァ?奴はそれが本職なの。神の名に誓って拷問しまーすってよ」
「
…
そっか
………
その人って他にも色々な拷問器具のこととか知ってるのかな
…
?」
ファフにとっては純粋な疑問だった。シャフに勧められた通りに戦う術を得てきたファフは、拷問器具を召喚して戦うことだってあった。今では戦う時よりも目の前の彼に頼まれて呼び出す回数の方が多いのだが。
その目の前の彼はというと、めずらしくしどろもどろになりながら目を逸らした。
「
………
あー
……
えーっと、会うのはオススメしないぜ?他人の悲鳴を聞くのがシュミっていうイカれた野郎なんだよ」
「
……
?
…
ギルの反対バージョンってこと?」
「まぁそういうことにな
………
あ?誰がマゾだって?」
ダイヤの形の羽を震わせ睨みつけてくる男を見て、ファフは首をかしげた。
「間違ったことは言ってないと思うけど
…
」
「うっせ!とにかく!あいつのところには行くなよ!っんとにろくな事にならねえ。聞きたいことがあるってんなら俺が聞いてくる」
「でもそれじゃあ
…
ギルが拷問されるんじゃ
…
?」
「あぁ?だってお前は嫌だろ?痛いのは。俺は嫌じゃないし」
「痛いの
…
嫌じゃないんだ
……
」
「うるせー!揚げ足取んな!」
羽を翔かせて威嚇をする男を宥めながら、そのままにされた砂の雪崩を見る。放置されたそれは砂埃を落ち着かせ、人の形など跡形も無い皮と砂の状態で崩れていた。
ファフは苦笑しながらも口を開いた。
「別にいいんだよ。ボクは拷問器具のバリエーションが増えたらギルが喜ぶかなって思って
…
それでギルのお仕事が増えちゃったら大変だからね」
「はぁ?んなこと
…………
別に俺は誰それ構わず拷問されたいワケじゃないしな。お前だからわざわざ赴いてやってんだよ」
拷問という、逃れることの出来ぬ束縛から脱出する
…
といった難易度の高い挑戦は好きだが、死んでしまえば元も子もない。死ぬ以前に、手足が吹き飛べばあの恐ろしい隊長から仕置きを受ける羽目になる。死ぬよりも恐ろしい目に遭わねばならぬのだ。それだけは勘弁したいところなので、彼女のように程よいところで止めてくれるストッパーは大変貴重だった。
付き合わせている立場にも関わらず自信のあり溢れた表情で鼻を鳴らすギルベルトを、ファフは観察するかのように見ていた。
気まぐれで自由奔放な彼がファフのアイアンメイデンに転がり込んでくるのは、彼にとってそこがお気に入りの場所だからなのだろうと思った。
「
……
拷問、されたいんだ
……
ふふっ」
「だーかーらー!揚げ足を!取るな!笑うな!」
Fin.
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