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美結
2026-05-05 12:56:16
2417文字
Public
ロール
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大好きな互いの在り方
2026年👒さん誕生日記念お祝い小説!
🐯👒で原作軸、誕生日前日に落ち合う予定だった二人の話です!
1
まさに想定外の慌ただしさだった。
麦わらの一味との合流日はすぐそこだというのに、ハートの海賊団は未だ補給のために寄港した島から出港出来ずにいた。
原因は、その島で流行っていた疫病とそれを回復できる薬草を牛耳っていた格下の海賊共だ。薬草の生える土地を奪った海賊共の支配により、予定していた補給がままならないと知ったローは船員達を指揮してこれを撃破。
感謝された島の住人達に頼まれるまでもなく、疫病への対処にあたった。
しかし、その治療はけして簡単なものではなかった。薬草の効果が加工法によっては全くなくなってしまうと分かり、ローはその知識に強い信頼のある麦わらの一味の船医へ連絡を入れた。
そうしてチョッパーの助言により、どうにか特効薬を完成させるに到ったが、その頃には予定通りのタイミングで麦わらの一味との合流は難しくなっていたのだった。
(最悪、今回の合流はなくなるかもな)
本当なら今頃、お互いの指定した島で落ち合っていたはずだった。その為に色々と準備もしていたし、なにより明日はルフィの生まれた日だ。その前日から一緒に過ごし、日付を跨いだ瞬間に祝おうと決めていたローにとって、この遅れは致命的なものだった。
(だが、あいつは笑って言うはずだ)
それがローの生きる道だからと。海賊であり、医者として生きるローのことをルフィはいつも嬉しそうに見ている。そして、ロー自身もこの島の状況を放置してしまうような医者ではない。今は一刻も早く、島の人々が安心して暮らせるよう、手を尽くすだけだ。
「キャプテン、いいですか?」
「どうした、ペンギン」
束の間の休息に珈琲を飲みながらそんなことを考えていたローの元へ、ペンギンがやって来た。
何事かと顔を上げたローに、ペンギンはフッと笑って言う。
「麦わらの一味、この島に来ちゃってます」
「
……
は!?」
2
「じゃあお前ら、行ってくる!」
「気をつけろよ、ルフィ」
「トラ男が忙しい時は邪魔しないこと!」
ゾロとナミの忠告に大きく頷いたルフィは、サンジから預かったハートの海賊団への差し入れをリュックに詰め込んで笑った。
「おう、邪魔したらトラ男が怒るしな!これ届けたらすぐ戻る!」
「トラ男によろしく言っといてくれ」
「あんまり頑張りすぎないようにともね」
ウソップとロビンからの伝言を預かって、ルフィはサニー号の甲板から砂浜へと勢いよく飛び降りた。
チョッパーが数日前から、ローと連絡を取り合いながらなにやら難しい話をしていたことはルフィも知っていた。ローの方からチョッパーを頼って連絡してきたとナミに聞いたので、きっと医者であるチョッパーに話があったのだろう。それが思いの外長引いて、今朝チョッパーから朝食の時に説明があった。
ハートの海賊団は今、とある島で疫病の感染拡大を防いでいる。もしかしたら、明日の合流には間に合わないかもしれない、と。
酷く申し訳なさそうな顔で話したチョッパーはきっと、ルフィがガッカリすると思っていたのだろう。
確かに、約束した日に会えないのは寂しい。ローと会えるタイミングは限られているし、その為にしてきた準備だってある。
けれど、ルフィにとってのローは、大切な相手である以前に、医者でもあるのだ。ローが誰かの命を救う為に頑張っているのなら、たとえ会えなくても仕方ないと思っていた。
だからせめて、島の近くをサニー号で通りかかるくらいにしようと思っていたのだが。
「よォ、麦わら屋」
「トラ男!!」
砂浜に降り立った瞬間、目の前に現れたローにルフィの笑顔が弾ける。
どうせ近くを通るのなら、と気を利かせたハートの海賊団の船員たちによって、ルフィは無事にローと再会することができたのだった。
3
「元気そうだな、お前は」
「おれだけじゃねェよ、みんな元気だ!トラ男によろしくって!」
「そうか、何よりだ」
本来なら自分たちの、或いはルフィの船で会う予定だったのだが、状況が状況だ。二人は島の砂浜をゆっくり歩きながら近況報告をすることにした。
今、ロー達の船には重症な患者もいる。下手に部外者を立ち入らせることはできないし、逆にルフィ達の船へローが行くことも感染を誘発しかねないと判断したのだ。
「で?そのデカいリュックはなんだ」
「そうだった!これな、トラ男とハートのヤツらへの差し入れだ!」
思い出したようにルフィが背負っていたリュックを下ろそうとしたので、ローは慌てて能力を展開する。砂浜に直接置かないよう、レジャーシートを取り寄せる。
「黒足屋からか?」
「おう!おれも手伝ったんだぞ、おにぎりだ!おかずはサンジが作ってくれた」
リュックの中から出てきたのはアルミホイルに包まれた大きなおにぎりと、弁当箱に入ったおかずだった。得意げに胸を張るルフィに、ローは小さく笑ってから彼の頭を撫でた。
「そりゃ食うのが楽しみだ。丁度腹も減ってるし」
「なら良かった、いっぱい食って頑張れよ!」
頭を撫でた掌に、すりっと自ら寄ってきたルフィの応援を受けてローは頷くと、そのままルフィの身体を抱き寄せた。
「一日早いが、誕生日おめでとう。麦わら屋」
耳元でそっと囁くように祝えば、近くにあったルフィの頬が少しだけ赤くなる。
「ありがとうな、トラ男。忙しいのに会ってくれて」
「お前らなら来る可能性も考えちゃいた」
「本当かァ?」
「どれだけ付き合ってきたと思ってんだ」
当然だろ、と自信あり気に返せば、そうかと間近で笑ったルフィにローの口元も自然と緩む。
結果的に、誰よりも早く、あの一味の誰よりも早くだ。誕生日を祝わせてくれたルフィに、ローは幸せを噛み締めてそのまま口付けを贈る。
潮風に頬を撫でられながら口付けを終えた二人は、その場で笑い合うのだった。
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