ortensia
2026-05-05 03:48:02
1537文字
Public カトマク
 

カトマク(?)全て捏造。

カプの二人称って萌え要素だと思うんですけど三人称もなかなかに萌え要素だと思うんですよ、っていうただ「あの男」って言わせたかった(言ってない)っていう話…。

 俺がどんなに妹の話を出したところで、クソ親父の愚痴を吐いたところで、それを聞くマックスから家族の話はてんで出ない。普段の会話のニュアンスからすると、身寄りのない子供達だけで身を寄せ合って街にたむろし、どちらかと言えば大人を避けながら育ったような感じだ。
「さっきの依頼人の態度、ほーんと大人気なかったよねー。カートもそう思わなーい?」
「ほんとそれな。あれで家族いるってどーよ、妻子持ち。」
「ねー?」
 そうすると、それは全員家族と言うよりは、全員他人と言えるだろう。子供だけで家族だなんて言えるわけがないのだから。子供だけの家族なんて成立しないもの、存在しないも同然だ。いくら年上が年下の面倒をみたところで、家族ごっこでしかない。何故なら子供だから。
「ってか家族って何すんの?」
……まあ親は子供の面倒、遊びの相手とかすんじゃね?」
「カートの場合兄妹でだったけど、ってこと?」
「まあ。たぶん?」
 そんなマックスだって、必ず親はいたはずだ。覚えていないほど幼くしてなんらかの形で失っていたとしても、自分のルーツとなった存在が。しかしその話すら、マックスからはとんと聞かないし、実際に覚えていないと伝えられている。しかし果たしてそうだろうか。普段マックスから感じる記憶力や地頭の良さは、サイボーグ手術なんかで得られるものではない。あの男生来のものであろう。であるならば、子供のマックスが親を覚えていない、あるいは自分で調べていないとは考え難い。また、マックスがそうすることで、一切の記憶や情報がないとも思い難い。だとすると、マックスの記憶から失われてしまうほどの、覚えていることをやめるような内容だったのだろうか。人の名前のように。先にも述べたとおり、マックスは記憶力も頭も良い。しかし、あの男の頭の中に情報がとどまるかどうか即座に判断するのも、その頭なのだ。だからマックスには、覚えが悪いものもある、たくさん。
 そのマックスは自分の容姿が美点だったと言うが、育った環境に家族がおらず周りが他人だったなら、例えそれが子供ばかりだったとしても肉親の贔屓目がない以上、逆にそれが確かな評価としてマックス本人でもアドバンテージとして、そりゃ自覚してカウントできるものだったであろう。寧ろ子供の素直な観点から好ましいものであったなら、確実に。
 ただ、子供は大人になる。大人になると労働の幅が広がる、つまり賃金が増える。そうすると他人と寄り固まって生活するメリットがなくなる。逆に分け前を与えずとも、自分の住まいを自分で賄うことも可能となる。そういうわけで、成長すると自然と子供の輪から外れていくのだそうだ。その代わり、子供は益々大人を避けるようになる。それは自分に対してもそうであり、分かっていても、自分の成長に何処か疎外感と嫌悪感を覚えるながら、年を重ね、老いていくのだそうだ。マックスは、ずっと子供でいたかったらしい。
「でも子供と大人って一緒に遊ぶもん?」
「それは俺も分からんけど……。」
「ゲーム?」
「かもな?」
 俺とは違う。俺は、早く大人になりたかった。大人になれば、同じ大人からの理不尽を浴びなくていいと思っていたから。だけど実際は、同じ大人から理不尽を投げ付けられまくるサイボーグになった。マックスは、サイボーグになっても子供みたいだ。素直で美しい価値観のまま。それでももう、子供の輪には帰れない。
「俺はカートとゲームする方が楽しいけど。」
……俺が子供じゃなくても?」
「そりゃあね!俺も子供じゃないしね!カートが大人だとか子供だとかは、関係ないんだよ。」
「そいつはよかった。」
 だったら俺と一緒にいよう、ずっと俺と同じでいよう。


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いつもリアクション絵文字等ありがとうございます。