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2026-05-04 23:29:48
981文字
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三つ子の魂百まで続け

ちっちゃい📖と🍎と🍏

「だめだ、これはおれがつかうんだ」
よちよちと歩いてたどり着いたテーブルの上のおもちゃに手を伸ばしたテリオンは、背後から現れたダリウスに突然目標を横取りされてなす術もなくぺたんと尻もちをついた。
「テリオン!!大丈夫?」
後ろに転んだら大変、と慌ててテリオンの後ろに回ったサイラスが抱っこして支える。ちょうどクッションの上だった事もあり、テリオンは泣く事もなく大きな目を不思議そうに瞬かせている。一歳とは思えない程落ち着いた様子だが、サイラスの方は落ち着いていられなかった。
「なんでそんな事するの!!せっかくテリオンが一生懸命歩いたのに!!」
生まれたばかりの頃から可愛がっているテリオンが歩けるようになったと聞いて、サイラスは授業が終わった途端学年で一番早く下校して会いに来ていた。愛しいテリオンが地に足を着けている様子はそれはそれは尊いもので、一歩一歩を目に刻み込み、おもちゃを取りに行く姿を前人未踏の山頂に旗を立てる冒険家を応援するような想いで見守っていたサイラスは、突然の横暴に黙ってはいられなかった。
「なんでもなにも、これはもともとおれのだからな」
「そうかもしれないけど、ダリウスくんはもうそんな小さいおもちゃ使わないでしょ。テリオンが欲しがってたんだ、返してあげて!!」
相手が年下ということもあり取っ組み合いにこそ発展しないが、大人が舌を巻くほど口が達者なサイラスが相手ではダリウスにとって分が悪いとしか言いようがない。
「ひ、ひじょーにならないとよのなかわたっていけないって、おしえてやっただけだ」
ぷい、とそっぽを向くダリウスに、容赦ない追撃がかかる。
「それは違うよ!!ダリウスくん、わざわざテリオンが転んでも大丈夫なように後ろにクッションを敷いてからおもちゃをとったじゃないか。ちゃんとテリオンに優しくしたいって思ってる証拠だよ!!」
「う、う、うるせー!!おれにさしずするんじゃねえ!!」
しっかり行動を見られていた上に完全に論破されてしまったダリウスは、恥ずかしいやら悔しいやらでおもちゃを投げ出して部屋を走り出て行ってしまった。開けっぱなしのドアの向こうから「どこにいかれるんですかおかしら!!」と誰かの声が聞こえた。
小さい子に言い過ぎちゃったかな、と少し反省するサイラスの服の裾を、テリオンが小さな手で握りしめていた。