遊音。(ゆね)
2026-05-04 21:59:31
1202文字
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SS:遠距離恋愛tgkb

新幹線の入り口で遠距離恋愛の別れ際を惜しむカプをみて、tgkbでもしてくれ…!ってなって書いた突発短いやつです。
付き合ってるtgkbで、遠距離恋愛中の設定です。書きたいところだけ書きました。



「じゃ、またね、カバキくん。次は一か月後かな」
新幹線改札の入り口が見える、少し離れた所の壁際に立ったトガシが、淡々とした調子でそう言って手を振るので、カバキは少しむっとした。
……そんな顔して……なにか嫌だった?」
トガシが首をかしげてくる。カバキは顔を俯かせて、少し唇をかんだ。ガキっぽいと言われそうで嫌だと言葉を飲み込もうとする。
……言わないとわかんないよ」
顔を覗き込むように「ん?」と傾けられて、カバキが顔をあげると、トガシも顔を戻す。余裕のある感じで微笑んでるのもカバキはむかつく。
……一か月も会えないのに、ずいぶんあっさりだな、と思って……
一か月はあっという間かもしれない。けれど、カバキには長い。この週末ずっと一緒にいたけれど、足りない。毎日だって会いたいのに、また一か月も会えなくなる。
お互いの事情もわかる。この状況も仕方ない。けれど、別れ際くらいもう少し名残惜しんでくれてもいいのではないか。
……ずいぶん余裕ですよね……25歳超えたら一か月が早くなるんですかね」
こっちは余裕なんてないのに、とカバキはまた顔を伏せる。こんなことを言ったところでどうにもならないし、ガキくさいと自分でも思うので嫌だが、言わないとわからないといったのはトガシだ。せめてこちらの気持ちを少しでもカバキは伝えたいと思った。
……あっさりしないとさ……
カバキが顔をあげると、眉を寄せて困った顔のトガシがいる。
「本音を言えば、頭ぐしゃぐしゃに撫でて思いっきりキスして思いっきり抱きしめてカバキくんの匂い嗅ぎたいけど……ここでそれしたらカバキくん、怒るでしょ?」
俺だって一か月は長いよ、とトガシが苦笑する。カバキはトガシが言った言葉を頭の中で反芻する。
「だから、あっさりしてるんだけど……
……トガシさん」
カバキはトガシをまっすぐに見つめる。何、とトガシが視線で問いかける。
……それ、してください」
目を見開いたトガシの返事をたっぷり30秒待ったかと思うと、突然頭をわしゃわしゃと撫でられる。
「ちょ、トガシさ……
そのまま頭を掴まれて引き寄せられると、唇が塞がれて、思い切り口の中にトガシの舌が入ってくる。
「んっ……
周りから「うわっ」とか「えっ……」といった声が聞こえててくるのを、カバキは目を閉じたまま聞かなかったことにする。顔どころか全身が熱い。
やっと唇が離れたかと思うと、ギュッと抱きしめられた。トガシの手に頭を掴まれて、肩口に顔を押し付けられる。
「ははっ、顔あげないほうがいいよ」
トガシはそういうと、同じくカバキの肩に顔を押し付けて思い切り息を吸い込んだ。
……またね、一か月後に」
「はい……
カバキも、トガシの首筋に顔を寄せて思い切り息を吸い込んだ。トガシの匂いに交じってさっき一緒に使ったボディーソープの匂いがまだ残っていた。