遊悟
2026-05-03 20:56:57
418文字
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No title


 晴の気だるい昼下がり。ちょっと遅めのランチから帰庁した史記守・陽が職場の―――警視庁の廊下を歩いてたところ、偶然見知った赤い髪を見つけた。
「夜宵さ……
 その鮮やかな赤い髪の持ち主―――天使・夜宵に声をかけようとして、陽は反射的にジャケットの内側に手を伸ばした。
 背筋に走った悪寒。そのおぞましい気配に、陽は覚えがあった。
「待った待った! 陽、ステイ!」
 ホルスターに収めていた拳銃に陽の指先が触れるのよりも早く、夜宵が慌てた様子で陽の手首を掴んだ。
 血の通った、あたたかい夜宵の左手。その感触が、逸った陽の気持ちを優しく落ち着かせた。
「バカ、庁内で発砲する気か!?」
「治安のために必要であれば」
 一点の曇りもない青い瞳で、陽は夜宵の隣にいた男を射貫く。
「だって、その男―――人殺しじゃないですか!」
 夜宵の隣にいた男。身長と筋肉に恵まれた逞しい身体に、迫力のある―――悪く言うならば、悪そうな人相をした。