nunununununu_1
2026-05-03 20:25:30
1813文字
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ホー炎

デキてる2人が喋ってるだけ
エンデヴァーさん離婚済
エンデヴァーさんの思いが結構つよい
ふわっと読んでください!
えくにかおりさんの熱帯夜という短編を読んでこういうのいいなぁと思い書きたくなりました。
ホークスの下の名前の漢字を間違えていました…啓悟だった…大変失礼いたしました。

啓悟が柿の種の袋を手に取る。
「エンデヴァーさんって口内も熱いですよね」
袋を開け、柿の種を避け、ピーナッツだけを選んで口にほうりながらそんなことを言う。
「キスする時、時々やけどしそうだな、なんて思っちゃいます」
どこか眠たげな目元で炎司をチラとみる。
個性の影響だろうな。」
「でしょうね。あなたって本当どこもかしこも熱くて、抱く時夏場だと大変です」
笑いながら啓悟が言う。どこか嬉しそうに。
こんな会話をしているが、今は二人で寝た後でも、そういうことをする前のこの世界に啓悟と炎司二人しかいないような、あの空気でもない。ただ炎司の家で、ヒーロー達の近況や、啓悟が持ち込んだつまみを肴に酒(といっても啓悟はノンアルだが)を酌み交わしているだけだ。

炎司は下唇を突きだして言う。
「暑かったら抱かなければいい」
「はは、俺たちはまだそんな枯れてないでしょ」
ここでたち、とまとめられたことが不本意だったのか、炎司は眉間のシワを深くしながら
「俺は貴様に付き合ってるだけだ。貴様が我慢すればいい話だ」
と言った。
啓悟はこれに耐えられなかったらしく
、思わずと言った調子でぷっと噴き出した。
っエンデヴァーさん、あんだけ何度もせがんでいながらそれは通らんでしょ
ここでいつもなら炎司が、「うるさい!」だとか、「消し炭にしてやろうか」だとか言って凄むのだが、今日は違った。炎司が思いのほか酒を飲んでいたからかもしれない。
フン」
すねているわけではない。ただもうこの話は終わりだ、という意思表示だった。

「かーわいいんだからぁ、エンデヴァーさんは」
「中年男を捕まえて言う言葉ではないな。眼科を勧める」
「俺目はいーんですって」

炎司は言わなかったが、こう考えていた。お前が、この身を求める間くらいは俺もお前を独占したい。あまりにも女々しくて、口に出したら恥ずかしさから顔から文字通り火が出ると思ったから言えなかった。あとは取るに足らない、年上としての矜持。
炎司は時々考える。啓悟は俺がきっかけでヒーローという道を志した。こいつのなかで、たしかに俺はある程度の領域を占めているのだろう。だが、こいつにはそれだけが全てじゃない。公安トップという立場、ヒーロー達という元同僚兼仲間達、そして、これからという未来。
いつから啓悟をここまで独占したいと思ってしまったのだろうか。
隣で背中を押してくれた時?家族と別れることを決意した炎司のそばに、ずっといてくれた時?世間話のように「俺、あなたのことが好きなんですよね」と告げてきた時?
どれもきっと一部分だけはそうだろう。

啓悟は酒を煽りながら、炎司の方を見た、全てお見通しのように。
「俺が少しあなたより人生に寄り道が多いってだけ。妬かんで」
話はまだ続いているようだった。
啓悟の目は、蜂蜜のようにとろっとした甘さがあるように炎司には思えて、急に居心地が悪く感じた。
炎司も酒をグビリと飲みながら、啓悟とは目を合わせないようにして言った。
「誰も妬いてなどいない。お前にはお前の人生がある。当然のことだ」
「フフッそうですか。そういうことにしといてあげます」
「そういうことに、じゃない、本当のことだ」
頑なな炎司に啓悟は言った。
「えんじさん、でも俺はやっぱりいっぱい妬いてほしいです」
「もちろん不安になんてさせない。でもそれを上回るくらい俺のことで頭がいっぱいになってほしい。そう俺は思ってます」
炎司は言葉が継げなかった。もう啓悟のことでこんなにも頭が埋め尽くされているのに、これ以上自身を侵食するのか、というよくわからない怒りに支配されさえしていた。
すると啓悟が口を開いた。


「だって、」


「きっと炎司さんのが先にいなくなるのに、追っかけさえしないって言うのはずるでしょ?」
啓悟はいつも通りの様子で、そういった。
炎司はつい、さっきまでの怒りを忘れてしまった。

「それに、俺だって妬いてるんですからね。あなたは自覚ないでしょうけど、色んな人から好意や執着を寄せられてるんですから。それに、俺以上に両手ふさがってるでしょ、あなた」
「だから、これでおあいこです」
そう言って笑った啓悟の顔をみていると、炎司はもう何も言う気が起きなくなった。
わかった。そういうことにしといてやる」

お前が俺のもとにいるのならな」