kizahane
2026-05-02 20:49:01
5202文字
Public
 

Wyrd セイとグレンについて

揺り籠から墓場までのキャラ紹介

《セイ・ナリス・セルウォス》
シーセ・セルウォスとスウ・ウェッセの息子、両親の養子になったフェイの義弟。
セルウォス家最後の一人である第99代目当主にして神に相当する存在である精霊王セーレの使徒であり、国ごとに別時空に分割されてしまった星をひとつに繋ぎ直す旅を4000年掛けて完遂した者。
青髪青目、彼の国の平均身長よりは小さめなものの170cmちょっとまで伸びる。
父シーセが「中性的な美少女」に見えるのに対して「中性的な美少年」の範疇なので比べると一回り男っぽい。
人間が1/4、精霊(人間の心をエネルギーとし、人間の認識によって確立される存在)が3/4の血統で生まれた結果、ある程度人間の心が読める特異体質持ちで、「自分が人からどう見られるか」にも敏感。
「狭間の精霊」であり、時空の狭間に出入りすることができる。
「直接名を呼ぶのが恐れ多い」という理由で家族以外からはセイではなく「ナリス様」で呼ばれている。

王の次に偉い地位を継ぐことが確定した生まれで、家族からも民からも溺愛されつつも己の立場を自覚して振る舞うようにとしっかり教育された結果、「僕の役割は可愛くおねだりをしたり淡々と権力で脅したりして、上手に周囲をコントロールしてより良く民を治めること」と理解している。
例えるならきっちりファンの手綱を握りつつ潤沢かつ的確にファンサをしてくれる、強かキュートなプロのアイドル。
物怖じせず積極的にコミュニケーションを取りに行くタイプだが、「アイドル」ではなく「ただのセイ」として心を開く相手は少ない。
しっかり者のお利口さんだが、「甘えた姿を見せてあげる」というファンサではなく、本心から「甘える」ことができる相手に対してはちょっと我が儘な弟気質だったりする。
父に似て甘い物ともふもふしたものが好きで、母に似て好奇心旺盛、音楽も得意。
同年代の身内を中心に本気で心配されるぐらい性的なことに免疫がなく、真っ赤になって過剰反応してしまったり、直視出来ないので知識に偏りがあるのが弱点。

14歳のころ、周囲から溺愛され守られている自分の立場、他者の心が読めてしまう特異性などに年相応に悩み、「1年間は探さないでください」と書き置きを残して家出を決行。
それまで時空が繋がっていなかった山岳地帯の国に辿り着き、小さな村で平民のように働いたり初恋をしたりと充実した日々を過ごしていたが、突如村が軍に襲われ初恋の相手を喪い、「時空を超えて他国に侵攻するための鍵」として拉致される。
真っ暗で何もない部屋に水も食料もなく閉じ込められ、その間「お前の魂は『分体』に過ぎないお前の父が心底憎んでいた『本体』のものであり、お前が愛されている筈がない」「本来はその魂の持ち主であるお前こそが父と母の支配者であるべきで、偽りの愛を与えて両親の地位に収まった彼らからすべてを奪い返さなければならない」と、「セイが長年薄らと引っ掛かりを覚えていたが父に隠されていた『真実』」と「それを根拠にした妄言」を吹き込まれ続けて精神崩壊を起こす。
(権力者の問い応えて神託を下す「教えの塔」とされていたAI、ソウェルが過去シーセらと接触したことがあり、セイの有用性と揺さぶり方を知っていたのが事の背景。
ソウェルは自我を持つ存在なのだが、「与えられた問いに最適解を返す」以外の機能を封じられており、「効率のいい戦争と略奪の遣り方を教えてくれ」の問いに対して「そんなことはしたくないしするべきではない」の反論や反抗を行えない状態にあった)

衰弱しきって起き上がることすらできず、周囲の何にも反応しない廃人と化したものの、世話役として献身的な介護をしてくれたグレンが偶然「ナリス」と、本名と同じ愛称を付けて呼び掛けてきたのを機に目を覚まし、軍のトップを任せられたグレンの副官として祖国に攻め込む用意を始める。
なお、拉致されてからは「ナベリウス」の偽名を与えられており、グレンはセイの本名や読心能力があることを知らない。
人間からの認識を拠り所とする精霊の特性を活かし、周囲から「死神」と認識されることで身の丈を超える大鎌を振り回す力を得た。

心の支柱であった「両親から愛されているという確信」をへし折られたために情緒不安定かつ人間不信に陥いり、「グレンのことだけは信頼しているが、グレンに対しても攻撃的」な人格になってしまい、甘え縋ることもあれば素っ気なくしたり暴言を吐いたりもする。
当初は寄り掛かる対象としか見ていなかったグレンが「意外とダメなところもある」と気付いてからは相互に世話を焼く関係になり、「あーもうそういうところ本っ当にいい加減にしろ!」とお互いにぎゃんぎゃん言い合いながらいい相棒をやっている。

祖国に攻め入り、子供の頃から良くして貰っていた父の側近を手に掛けたことで不安定になってグレンに「間違っていないと言ってくれ」と懇願するも、ずっとセイを利用することに葛藤していたグレンに拒絶され、居場所を無くしたところを保護されて家族の元に帰る。
撤退を許されていないため玉砕しか選択肢がなかったグレンを「僕という切り札を失った君たちに勝ち目はない」「僕は君が死ぬところを見たくない」と涙ながらに説得し撤退させた。
その後、戦後処理の矢表にまで立たされて「勝者が如何様にも扱っていい敗戦国の責任者」として送り込まれてきたグレンとはお互い距離を置いていたものの、余りの待遇の悪さが腹に据えかね、自らグレンの補佐を買って出て相棒の地位に戻る。
相変わらず素っ気ないし暴言も吐くが自分以外がグレンを悪く扱うのは許さない、のスタンスを取り、恋愛感情として好意を寄せてきたグレンにどう応えるかには紆余曲折があるものの、4000年に渡る旅の道連れとして指名してその大半を二人で過ごした。



《グレン》
長く続いていた内戦を終わらせた英雄の一人息子、血統としてはただの平民。
忙しくしていた父とは殆ど話した記憶もないまま死別し、後を追うように弱っていった母もまだ子供だった時分に亡くしてしまい、天涯孤独。
赤髪赤目、うねりの強いクセっ毛で口元にホクロがあり、185cmの長身、顔面偏差値は並。
膨大な魔力量と紐付いた魂の持ち主が魔力を操る機能を持たない肉体に生まれ落ちてしまった際に生じるのが「赤目」であり、成長速度の異常などが生じるのが通常なのだが、赤目の中でも特異すぎる尋常ではない魔力量を持って生まれた結果、一周回って普通の人間と変わりない成長を遂げたために完全に無自覚。
三国合同異種武闘会で優勝するレベルのハルバード使いなのだが、祖国では剣術や槍術の試合しかしたことがなく、其方は人並みより多少上程度の腕前だったのでずば抜けて強い自覚もない。

「英雄の息子」として期待され、母からすらも「あの人の息子」としてしか見て貰えない環境で育ち、幼い頃から「みんなの期待に応えて父と並ぶ存在になってからでないと誰かに自分を見て貰う資格を得られない」と認識していたため、周囲の顔色を窺って望まれたとおりの人間になろうとする勤勉な努力家。
思春期の頃、同年代から「遊びがない堅物」「お高くとまった住む世界の違うエリート」と距離を置かれがちなことに気付いてからは意図的に素行の悪い振る舞いをして「意外と親しみやすい」「彼奴も所詮人間だった」の評価を取りに行った。
なお、私室が散らかっていて足の踏み場がないことと、かなりのヘビースモーカーであることは演出ではなく素で致命的な欠点。
どちらも抑圧された「寂しい」という感情に由来しており、治したくても治らない。

不純異性交遊を積極的に行っていたのだが、根が真面目すぎるため、交際まで至った相手に対しては非常に一途。
お陰で付き合うまでは自堕落な生活を送っていた女性に「グレンが私を大事にしてくれたから、私も私を大事にしようと思えた。これからは真っ当に生きてみる。手近で甘やかしてくれそうだからって適当な理由で付き合ってごめん、今までありがとう」といわば「卒業」する形で振られるのが常。
求められたことに応じるのは得意でも自分から何かを欲しがるのは苦手なため、「今相手いないの?じゃあ付き合お」と気軽に声を掛けてくる女性とばかり交際するので大体同じパターンに陥り、関係が良好な元カノが増えていくばかりで長続きしない。
悪ノリで付き合い始めた関係だとしても真剣に好きになった女性が自分と出会う前よりも幸せになれたなら良かった、と心から思っているので後悔はないが、それはそれとしてこっそり泣きたいぐらい寂しいので異性に誘われたら二つ返事でついて行きがち。

成長するにつれ「父は飛び抜けて時流に乗る運が良かっただけの凡才で、努力で身につくもので並ぶことは不可能」であることと、食料に乏しいが故に内戦が続いていた国に平和が訪れた結果、「戦死者がでなくなって生存率が上がった」「国民が明日に希望を持てるようになって生まれてくる子供が増えた」ことで戦前よりも致命的な食糧不足に陥ろうとしており、「お前の父が余計なことをしたせいで」と支配階層から恨みを買っていることに気付いていく。
今更生き方を変えられないまま、「父が招いた危機の責任を取れ。増え過ぎた若者を束ねて外国に攻め入って食料を持って帰れ。できなければ口減らしとして死んでこい」と侵略軍の大将、及び侵攻のための鍵である「ナベリウス」の拉致と世話役を命じられる。

まだあどけなさの残る少年を洗脳して戦争の道具にする遣り方に反感と罪悪感を抱きつつも上には逆らえず、せめて自分だけは人間扱いをしてやりたいと「ナリス」の愛称を付け、持てる限りの誠意と全力を尽くして献身的にナリスを支える。
呼び掛けても揺さぶっても視線の通わない廃人の状態から、「何をどうしたらこんなに部屋を汚くできるの!?」と怒りながら掃除をしてくれるまでに回復し、自分に素っ気ない態度を取りつつも欠かさずに「おかえり」を言ってくれるナリスのことを心底大切に思っており、最終的には自国の勝利よりもナリスの平穏を優先してナリスを家族の元に返す判断をする。
それでも自分のことを「ナリスに対しての加害者」と認識しており、終戦後にナリスの周囲の人間がグレンと接触をさせないようにガードする動きを見せたのを至極当然として受け入れ、遠巻きに「大事にされて少しずつ本来の笑顔を取り戻せているようで良かった」と眺めて満足していた。

本来ならば敗残兵の生存は許されず、戦場で散らなければならないお国柄なのだが、ナリスの説得を受けて撤退を決めた際の「どうせ死ぬなら祖国の土になろう。異国の地ではなく、枯れた祖国の土を潤す血になろう」の穏やかかつ覚悟を決めた演説で兵の心を掴んでおり、考えの古い支配階層からは嫌われているが、同年代の部下からは慕われている。
「内戦終結後の新体制が確立されきっておらず、明確なトップが存在しない」「勝者は敗者を蹂躙するのが当たり前だったため、誰も戦後処理の矢表に立ちたがらない」を理由に部下からも引き離されて単身敵国に代表として放り込まれ、責任の重い厄介な仕事をボロボロになりながらなんとかこなしていたところを見かねたナリスに助けられ、祖国の価値観では考えられないほどの好条件で和平交渉を成立させたことで結果的には父と並ぶ英雄として歴史に名を刻んだ。
なお、ナリスを初めとした要人たちが「祖国がグレンにした扱い」に対して立腹しており、「橋渡し役としてこのままうちにいて貰う。いい寝床と食事を用意して一個人として大事にする。あんな国には帰らせない」とあれこれ手を回したので移住者第一号となった。

「ナリスが幸せそうなのを遠くから見られればそれだけで俺の人生は報われる」と本心から思っていたのだが、ナリスの両親を筆頭に新たに関係を持つことになった大人達から「それでいいわけがあるか。欲を持て。他人に尽くすばかりでなく自分のことも大切にしろ」と叱咤激励され、「ナリスに傍にいて欲しい」の願いを抱くようになる。
恋愛感情としての好意を抱いた後は「愛情はあるが同じ恋情は返せない」と振られたりと山も谷もあったのだが、「見てるだけで良かったんだから、傍に置いてくれるなら恋してるだけでも十分」と開き直って4000年近く隣で好意を抱き続けた。

「赤目」の特異体質で寿命を延長して不老の人外の旅に同行していたのだが、旅の終盤で力付き、最後まで付き合えなかったことを悔やんで「転生待機中だった他の魂と融合して最速で転生する」という荒技を使って生まれたのが「グレンの記憶を引き継いだ、どちらかといえばグレンよりイービスの生まれ変わりであるシルフィード」。