ここ
2026-05-01 18:45:21
11416文字
Public 小説
 

【リバリン】絆の試練🔞

セックスしないと出られない部屋ネタ

【⚠️18歳以上のみ閲覧可】

……は? どこだよ、ここ」
 呟いた言葉が、不思議な光で淡く照らされた無機質な空間の中に溶ける。
 数秒前まで夕陽に照らされた街道にいたはずのリーバルとリンクは、気づいた時にはもうその不可思議な場所に放り出されていた。

***

 きっかけはいつものくだらない諍いだった。
 魔物討伐兼遺物調査の帰り道。先を行くゼルダ姫とインパの後を追いながら、リーバルの嘴は今日も絶好調に毒を吐いていた。
「なんだい、さっきの君の動き。まるで僕を邪魔しようとしていたとしか思えないよね? それをあそこまで華麗に援護したっていうのに、騎士サマは僕の活躍を讃える語彙ってものを持ち合わせていないのかな?」
 何度も繰り返されてきた言い争い──実際にはリーバルがリンクに一方的に突っかかっているのだが──を、もはや周囲の面々はいちいち治めようともしない。しかしいつもはリーバルの口撃を受け流すリンクも、連日の強行軍で虫の居所が悪かったのだろうか。リーバルを見返した瞳は、声に出さずとも(うるさいな)と思っていることを雄弁に語っていた。それがリーバルのトサカにきたのは、リーバルの性格を考えれば当然といえば当然だった。リーバルがにわかに眉を吊り上げ、背負っていた弓をひったくるように構える。
「リーバル殿も、リンクも。少しは静かにできないのですか?」
 後方で繰り広げられる騒音に気付いたインパが振り返りもせずに釘を刺してくるが、構うものか。迷惑がっていることを隠しもしない声をリーバルは一蹴した。
「どうせ君たちはまだ小難しい話を続けるんだろ? ならそれが終わるまで、僕は時間を有効活用しようってわけさ。この生意気な騎士サマに僕の技術の粋を叩き込んでやらなくちゃね!」
 嘴を歪めながら答えたリーバルが大きく羽ばたく。青藍の影は、次の瞬間には夕陽を背負って空高く舞い上がっていた。はるか頭上から狙いを定めるリーバルにリンクも無言で盾を構える。大袈裟なため息を吐くインパの様子も、心配そうなゼルダ姫の姿ももはや睨み合う二人の視界には入っていない。
「そら、お見舞いだ!」
 ギリギリと引き絞られた弦から放たれた爆弾矢は、完璧なタイミングで突き出されたリンクの盾によって弾き飛ばされた。が、これくらいは様子見だ。ふん、と鼻を鳴らしたリーバルを見据えるリンクも背負っていた剣を構える。
「そう来なくっちゃ」
 いつもスカした騎士サマも今日は珍しく乗り気なようだ。無自覚な笑みを浮かべながら次の一矢を構えたリーバルだったが、ふと視界の端に違和感をとらえた。先ほどリンクに弾かれた爆弾矢の軌道の先に、何かがある。
「──あ」
 ドカン。爆弾矢が着弾した先で派手な音と共にもうもうと黒煙が立ち上る。風に流された爆煙の向こうに見えたのは、黒く煤けところどころが欠けたハイリアの女神像だった。
「「……」」
 誰かが捧げたであろう花冠だったものが炭と化してパラパラと散る。リーバルとリンクの間に沈黙が落ちた。……まぁ。これは、あまり良くなかったな。リーバルはそう思った。リーバルの出身であるリト族も一応はハイリアの女神を信仰しているのだ。ばつの悪い思いをしているのはハイラル王家に仕えるこの近衛騎士も同様だろう。「どこを狙っているんだ、この阿呆」。先に爆弾矢を仕掛けたことを棚に上げ、そう吐き捨てるためにリーバルが嘴を開いた瞬間。
「──!?」
 二人の視界は女神像から放たれた強烈な白い光で焼かれていた。

***

「で、何なんだよここ」
 真っ白な光が収まった時にはすでに、リーバルとリンクは見知らぬ場所にいた。窓もないのにぼんやりと明るく、先ほどまでいた村外れの街道とは似ても似つかぬ異様な空間である。周囲にゼルダ姫やインパの姿はない。ここにいるのはリーバルとリンクの二人だけのようだ。
「君、何かした?」
 リーバルがぎろりと睨んでも、リンクは無言で首を振るだけだった。シーカーストーンのワープ機能が誤作動でもしたのかと思ったが、リンクの腰元を見ても反応した形跡はない。
「さてはイーガ団の仕業か?」
 見渡す限り、四方の壁に出入り口はない。訝しむリーバルの隣でリンクもキョロキョロと視線を走らせる。幸いにして互いの武器はそのままだった。これならばある程度の不意打ちでも対抗できるだろう。そんな算段と警戒をしつつ眉根を寄せる二人に向けて、どこからともなく澄み渡るような麗しい女性の声が響いた。
『リトの英傑、リーバル。そして退魔の剣の騎士、リンク。あなたたち二人に、試練を与えましょう……
「はぁ? 誰だい、アンタ。僕たちをこんなところに連れてきて何のつもり?」
『私は女神ハイリアの化身です。ここは、“絆を深めないと出られない祠“。あなたたちはここで、互いの絆を深めるのです……
 声と共に、壁に光の文字が浮かび上がる。リーバルの隣に立ったリンクが「……女神様」と小さく呟くのが聞こえるが、リーバルはその声を掻き消すような声量で「はぁあ〜〜??」と叫んだ。
「絆ぁ? 何だよそれ。生憎だけど、こんな奴と深める絆なんて持ち合わせてないね、僕は」
 言いながらリンクを一瞥する。不可思議な声に神妙にしていたリンクも我に返ったようにプイッとリーバルから視線を逸らせた。こんな可愛げもない奴と絆を深めるなんて冗談じゃない。互いにそう思っていることをがありありとわかる態度に、見えない声の主、自称女神の化身はどこか苛立ちのこもった声で告げた。
……あなたたちはこのハイラルを救うという使命を帯びているというのに、全く協調する様子がありません。挙句、神聖なる女神像を汚すなどという愚行まで。このままではハイラルは深刻な危機を迎えてしまいます……
 爆弾矢を当ててしまったことに、どうやらこの女神はご立腹らしい。二人に反省を促すため、『この祠の中で絆を深めよ』というのが主張のようだ。
 静かな声に見え隠れする怒りに、先ほどの失態を思い出したリーバルは居心地悪く頭をぽりぽりと掻いた。
「ご心配なさらなくても、こいつと協力しなくたってちゃあんと使命は果たして見せるよ。……あぁそうだ、君が本当にハイリアの女神様だっていうんなら、いっそ厄災討伐の役目をコイツから僕に変えてくれないか? そうすればこんなカカシに頼らずともハイラルを救えるってもんさ」
 得意げに提案するリーバルの横で、リンクが「……剣もまともに振るえないくせに」とボソリと呟く。それが火に油を注いだ。瞬間湯沸かし器のようにギャンギャンと吠え出したリーバルと、それを嫌そうに見ながらもポツポツと言い返すリンク。収まる気配のない二人の諍いに、ぷつりと女神の堪忍袋の緒が切れる音がした。
……わかりました。あなたたちには、精神的な交わりは早かったようですね』
 ワントーン低くなった女神の声とともに、壁に浮かんだ「絆を深めないと出られない祠」の文字がゆらりと消えていく。
「! わかってくれたなら──」
『なので、やり方を変えます』
 消えたと思った壁の文字が新たな光を帯びて再び浮かび上がる。そこに書かれているものを見て、二人は絶句した。
「は……!?」

──【セックスしないと出られない部屋】。

 壁にはそうはっきりと書かれていた。見間違いではない。清らかな光を帯びた流麗な文字が、その雰囲気に全く似つかわしくない卑俗な言葉を描いている。
「な、何だよこれ」
『心の距離は肉体の距離に比例すると言います。このようなやり方は下策ですが、仕方ありません。あなたたちはここで身体を交えるのです』
「ふ、ふざけるな! 誰がそんな……ッ」
 トサカを逆立てて吠えるリーバルに、女神の声は無慈悲に告げた。
『これを拒むのであれば、あなた方はこの祠の中で身体中の穴という穴から体液を撒き散らしながら惨たらしく悶え死ぬことになります。さぁ、そうなる前に早く事を成すのです』
 恐ろしい言葉を残し、祠の中に響いていた女神の声が途絶える。リーバルはザァッと顔を青ざめさせた。
「冗談じゃない。こんなところで死ぬのも、君とヤるなんてのも御免だ」
 相変わらず四方の壁に出入り口は見当たらないが、幸いにしてリーバルには翼がある。祠の天井は不思議な光に包まれていて果てが見えないが、空にだったら逃げられるかもしれない。
「僕は上に行ってみるよ。……ああ、そういえば君は飛ぶこともできないんだったね? じゃあ悪いけど、お先に失礼するね!」
 無言で壁に向かってリモコン爆弾を構えるリンクを横目に、リーバルは上昇気流に乗って急上昇……したつもりだった。しかしどれだけ翼をはためかせても、見える景色は変わらなかった。いつもだったらとっくに豆粒サイズになっているはずのリンクの姿さえ先ほどと同じ大きさのままで、ちっとも距離が開かない。
「僕のトルネードが効かない……!?」
 呆然と呟くリーバルの背後ではリンクが絶え間なくリモコン爆弾を投じているが、爆発が起きる様子はない。ポンと放られた爆弾は壁にぶつかる前に空気に溶けるように消えていく。
……これはまずいぞ」
…………
 リーバルとリンクが呆然と顔を見合わせたところで、部屋の中に再びあの女神の声が響いた。
『いいかげん、諦めはつきましたか? 素面で行為をするも大変でしょうから、慈悲を授けましょう』
 次の瞬間には、リーバルとリンクの身につけていたものが全て消えていた。装備だけではない。纏っていた衣服も全てだ。唐突に全裸になった衝撃にリーバルの嘴から「ぎゃああ!」と無様な悲鳴が漏れる。モジ、と身体を隠すリンクを滑稽に思う余裕もないままに、さらには壁の隙間からピンク色のモヤのようなものが勢いよく吹き出してくる。
「〜〜ッ、な、んだこれ……!?」
『理性の箍を外しやすくする気体です。吸いすぎると死にますから、注意なさい』
 穏やかな声で残酷な事を告げる女神に絶望的な気持ちになる。しかし女神の言うことは本当なのだろう。ピンク色のモヤを吸った途端に、リーバルは何とも言えない喉の渇きを感じた。甘ったるく肺を焼くような匂いにスリットの奥に眠っているはずのモノが俄かにうずうずと疼き出す。隣を見れば、リンクも同じ状況のようだった。ハイリア人はリト族と違ってソレが体外に丸出しなのだ。リンクは頬を真っ赤に染めて荒い息に喘ぎながら、隠しようもない雄の象徴をそそり勃たせていた。



──このままでは、死ぬ。
 リンクは本能が鳴らす警報を感じ取っていた。この状況に納得が行ったわけではないが、女神ハイリアのもたらす人智を超えた力に抗うだけ無駄だろう。事実、室内に充満したモヤのような催淫ガスを吸い込むたびに脳髄を掻き回されるような感覚に襲われ、理性が泥のように溶けていく。
「クソ……ッ、なんで僕がコイツなんかと……
 隣でリーバルが嘴をギリギリと鳴らしながら呪詛を吐く。それには全く同意だが、使命を果たせぬままこの祠の中で死ぬよりはマシだ。そうこうしているうちにも吸い込んだ催淫ガスが心身を蝕み、抗えないほどに身体が昂っていく。
……俺が、男役をするしかないよな)
 リンクは朦朧とする意識の中で腹を括った。リンクが所属するハイリア軍は男所帯だ。リンク自身にそういった経験があるわけではないが、男性同士での行為の知識は嫌でも耳に入る。男性同士で身体を交える場合はアレを尻の穴に挿れるのだが、全裸になったリーバルの下腹部にはどう見てもアレがない。だから、リンクがリーバルに突っ込むしかないのだ。何かと因縁をつけてくるソリの合わない相手に勃つのかと言えば普段であれば答えは否であろう。しかし今は違った。吸い込んだガスのせいでリンクの愚息は痛いくらいに熱り勃っている。たとえ相手がリーバルであっても、穴があるならとりあえず挿れたいと言うような状態だ。
 これもハイリアの女神の不可思議な力の所為か、祠の中央にはご丁寧にベッドが出現していた。それを見てさらに悪態を吐くリーバルをベッドに追い込むように、リンクはジリジリと身体を移動させた。
「リーバル。もう諦めて女神様の言う通りにしよう。……その、なるべく優しくするから」
「はぁ?」
 極力気を遣った言い回しをしたつもりだったのだが、リーバルはリンクの言葉を聞くなりキッと眉を釣り上げた。リーバルをベッドに倒そうと伸ばした手を逆に掴まれ、リンクの身体が背後のベッドにポイっと投げ飛ばされる。
「何を勝手に僕に突っ込む気になっているんだ?」
「え? だってリーバル、チンコないし……俺が挿れるしか」
「ないわけないだろ!?」
 リーバルが憤慨した様子で叫んだ。転がったベッドの上で「へ?」と間抜けな声をあげるリンクの目の前で、リーバルがおもむろに自身の下腹部の羽毛を掻き分ける。
「ほら、見なよ!」
……ッ!?」
 刹那、リーバルの羽毛の割れ目から勢いよく飛び出したモノにリンクは目を剥いた。一体どこにこんなものを隠し持っていたのか。リーバルの下腹部にはまさに凶器としか言いようのない赤黒い肉棒がそそり立っていた。リンクのものよりも、というか平均的なハイリア人のものより格段に大きい。猛々しく反り返り解放を求めて脈打つその生々しい凶悪さにリンクの背中に冷や汗が伝う。
「ぁ、……っ」
「リトの身体はハイリア人が思っている以上に繊細なんだ。君みたいな馬鹿力にいいようにされて怪我でもしたらたまったもんじゃない」
 リーバルは剥き出しになった男の象徴を前に言葉を失ってしまったリンクを勝ち誇ったような顔で見下ろした。
「君、身体が頑丈なのが唯一と言っていいくらいの取り柄だよね? だったらそれを活かして君が受け入れ役になるっていうのが適正な役割分担ってものだ。僕だって乗り気じゃないけど、君に組み敷かれるくらいなら僕が抱くほうが幾分かマシだしね」
「!?」
 リーバルがそんな勝手なことを言いながら迫り来る。それから逃げるように身体をのけぞらせるが、所詮ベッドの上。リンクはあっという間にリーバルに追い詰められた。間近に迫ったリーバルの陰茎の迫力は筆舌に尽くし難いものがあった。自分の股間から生えたものと見比べると、改めてその規格外のサイズがわかる。
(──無理だろ、こんなの)
 体重をかけてリンクにのしかかろうとするリーバルの身体を両手で押し返しながらリンクは焦った声を出した。
「ま、待ってくれ、流石にそれは……!」
「何だい、君はさっき僕に突っ込もうとしてたんだよね? 自分ではできもしないことを僕に強いようとしていたなんて、言うわけないよね?」
「そ……れはそうだけど、でもやっぱりちょっと、」
 往生際悪く抵抗するリンクに、リーバルは込める力は微塵も緩めずに嘴を歪める。
「君はこんな時ばっかりごちゃごちゃとうるさいなぁ。いつものカカシっぷりはどうしたんだよ。だいたい待ったってヤることは変わらないんだから待つだけ無駄だよ」
 まるで聞き分けの悪い子供を咎めるような口ぶりだが、リンクだってはいそうですかと引くわけにはいかない。マウントを取られた不利な姿勢の中で全力で争っていると、リーバルがやれやれとため息をついた。
「わからない奴だね。暴れられちゃ困るの。君も怪我したくなかったら大人しくしてなよ」
「ひっ……やだ……っ!」
 リーバルももう正気じゃないのだろう。熱に浮かされた顔がリンクの胸元に寄せられ、浮かんだ汗をべろりと舐められる。リンクは半ばパニックだった。リーバルの施すそれは愛撫と呼ぶまでもない行為であったが、催淫ガスで昂ったリンクの肌は敏感に刺激を拾い上げた。そもそも他人に肌を舐められること自体が生まれて初めてだ。自分とは違う生き物の粘膜が直接的に肌に与える刺激に、そしてそれに紛れもない快楽を感じてしまっている自分自身に恐怖が込み上げる。リンクは胸元に顔を埋めるリーバルの後頭部を鷲掴み、力任せに引き離した。指先で握りしめた柔らかな羽毛がブチブチと嫌な音を立てる。
「っいッたぁ……!!」
 涙目になりながら顔を上げたリーバルは、リンクの指に絡まった自分の毛髪を見て「僕の大事な羽毛になんてことを!」と悲痛な叫びを上げた。ざまぁみろ。そんな思いでハァハァと息を荒らげながらリーバルを見ていたリンクの視界は次の瞬間にはひっくり返っていた。顔をシーツに押し付けられて、ただでさえ苦しい息が更に詰まる。
「わぶッ、なにす……!?」
「穏便に進めようと思った僕がバカだったよ」
 背後から聞こえるリーバルの声は地を這うように低い。聞いたこともないような声にゾワっとうなじの産毛が逆立ったところで、腕を後ろ手に拘束された。抵抗する間もなく、タオルか何かのようなもので両手を縛り上げられてしまう。
「リ、リーバル……!」
 もはやリーバルはリンクの声には応えようともしない。うつ伏せで芋虫のように転がるリンクの腰が無造作に高く持ち上げられる。
「ねぇ。穴っぽいものってこれしかないけど、挿れるのってここで合ってる?」
 丸見えになっているだろう秘所を繁々と眺めた様子のリーバルの声に、リンクは全身の血が集まったかのように顔が熱くなった。
「ち、ちがッ、それは尻の──!」
 いや違わなくはないのだが、とにかく違うのだ! 羞恥でぐちゃぐちゃになるリンクの声に被せるように、ハイリアの女神の『そこで良いのです』という澄んだ声が響く。
「フゥン。どれどれ」
 背後からはキュポ、と言う何かを開ける音と、それに続いてネチョネチョとした妙に粘ついた水音がした。ベッドに押し付けられて何が起きているのかわからないのが更に恐怖を煽る。首を無理に捻って背後を確認しようとしたところで、尻にドロリとした液体が掛けられたリンクは「ヒァア!?」と悲鳴を上げた。おそらくローションと思われるそのヌメつきを塗り広げるように動いているのはどう考えてもリーバルの指だ。尻の穴のふちをクリクリと確かめるようになぞった後、湿った指先がツプリとリンクの中に潜り込んでくる。
「っは、うぅ〜〜ッ!?」
「狭いけど、まぁ入るな」
 声にならない声をあげるリンクをよそに、リーバルはぐちょぐちょと無遠慮に指先を動かした。初めてなのにひどい。そう詰ろうものにも言葉が出なかった。苦しさのあまり、ではない。むしろその逆で、本来は出口であるはずのそこに侵入されるのがなんとも言えないむず痒くもどかしい快楽を生んでいるのだ。
(な、なんだよこれぇ……!?)
 これも催淫ガスの効果なのか、はたまた塗りたくられたローションの所為なのだろうか。本来であればそんな使い方をされるべきではない隘路が、リーバルの太い指によって少し痛いくらいの強引さで押し開かれることが気持ちよくてたまらない。
「っあうッ、あんぅッ、んんんっ」
「はっ、君とは思えないような可愛い声で鳴くね?」
 嘲笑うようなセリフを吐くリーバルの声にもじっとりとした甘さが滲んでいた。リーバルだってリンクと同様、荒い呼吸を繰り返すたびに肺の中を催淫ガスで焼かれているのだ。強制的な発情で濁ったリーバルの瞳には、目の前で乱れるリンクの姿がこの上なく扇情的に映っていた。シラフの状態であればあのリンクの尻の穴に指を突っ込んでいるなんて発狂しそうなものだが、今はリーバルの指の動きに合わせてきゅ、きゅ、と甘噛みするようにまとわりつくリンクの媚肉がいじらしくて堪らない。情欲をそそるその様子をもっと見たくて、指先の動きがどんどん大胆になる。それを咥え込んだリンクの後孔がじゅぼッじゅぼッと濡れた音を立てながら淫靡に捲れ上がる。
 リーバルが欲望の赴くままに激しく指先を抜き差しすれば、リンクは身体をガクガクと震わせながら身を捩った。
「ん゛〜〜ッ! イ゛キたいッ! 触りたいぃ……!」
 もどかしい刺激にリンクは髪を振り乱して喘いだ。与えられる刺激は紛れもない快楽なのに、それを身体が処理し切れていないのだ。ビンビンに勃った陰茎からはダラダラと先走りが漏れているが、後ひと押しが足りない。両手を拘束された状態では前を扱くこともままならず、生殺しの状態にリンクはおかしくなりそうだった。もう自分の状態を顧みることなんて不可能だ。泣きじゃくりながら腰を振り、熱った先端をなんとかシーツに擦り付けて刺激を得ようとするが、それを後孔に埋められたリーバルの指によって阻まれてしまう。
「リ、ばるッ! お願い、イきたい、イきたいぃッ!」
「気持ちいいのは結構だけど、目的を忘れないでくれないかい? やるべきなのは君を気持ちよくすることじゃなくて、セックスだろ?」
 嗜虐性を滲ませる声と共に、ズッポリと埋まっていた指を一気に引き抜かれる。粘膜を引き摺り出すような強烈な刺激にリンクは首をのけぞらせながら「ん゛ぉお゛ッ」と濁った嬌声を上げた。大きく開かされた内腿がビクビクと痙攣するのを止められない。リーバルの太い指が埋まっていた孔は、なかなか閉じ切ることができずに空虚に向かってクパクパと媚びるように収縮した。そこに硬くて熱い肉の塊があてがわれる。
「う、ぁ…………ッ」
 ドクドクと脈打つそれが何なのかは確かめるまでもない。指ですら脳が弾けそうなほどに狂おしい快楽を感じていたのに、それをあの禍々しい肉棒で貫かれたら。期待なのか恐怖なのかわからない感情にリンクの身体がブルブルと震え出す。
「おぼこらしく震えちゃって可愛いねぇ。安心しなよ、『なるべく優しくする』からさ」
 リーバルが先ほどのリンクの言葉をなぞって意地悪く嗤った。汗で濡れた腰を逃げられないようにしっかりと掴まれ、ひくつく肉蕾にリーバルのモノが容赦なく埋められていく。
「んぁああ゛ッ、ああ゛っ」
 規格外の質量に無理やりに割り裂かれ、押し広げられた内壁がミシミシと軋むようにすら感じる。内臓までをひしゃげられるような圧迫感は、それでもリンクに途方もない甘い痺れをもたらしていた。暴力的なまでの快楽が腰から脊髄を走り抜け、触られていないまま哀れに腫れた陰茎からは涙のように先走りが止まらない。
「ハ、ァ……ッ、なんだよ君、なかなかッ、いい具合じゃないか……
 リーバルもまた、狂ったように締め付けるリンクの熱に翻弄されていた。押し入る侵入者に怯えたようにざわめいたかと思えば、媚びるようにねっとりとまとわりつく媚肉。いつも苛立たしいほどに澄ましている男が自分の下であられもない姿を晒して悦がり悶えている。その事実が、吸い込んだガスによって理性の箍が外れたリーバルの嗜虐心と情欲をこの上なく煽る。
「ほらわかるかい? 君の中、僕のペニスが嬉しくて仕方ないって言っているみたいにキュウキュウ締め付けてくるよ。退魔の騎士様がこんなにいやらしい身体をしているなんて知らなかったなぁ」
「ちが、違う〜〜ッ、くすりの、ぉ゛ッ、せいだからぁ……ッ!」
「フゥン。ま、どっちでもいいけど。退魔の騎士様はそのえっちなお薬でどうなっちゃってるのかな? 何をして欲しいのかな? ちゃあんと言えたらご褒美をあげるよ?」
 リーバルが焦らすように浅いところを抜き差しするのが酷くリンクを苦しめた。悦楽を求める肉壁は怒張をもっと奥に咥え込もうと必死に蠢くのに、リーバルはそれを許してくれない。腹の奥が切なく疼いて気が狂いそうだ。リンクの理性はとっくに消し飛んでいた。パックリと割れた赤い粘膜を見せつけるようにリーバルに向けて尻を突き出し、溢れる唾液で溺れそうになりながら必死に言葉を紡ぐ。
「〜〜りぃばるにッ、ハメられてきもちよくなってるッ、ぅう゛……! お尻の穴ほじられるのきもちい゛ぃ゛ッ!! もっと奥ついてぇ、指より深いッところ、ぉお゛っ」
 もはや自分が何を言っているのかもわからない。本能が赴くままに、リンクは自分を支配する雄に向かって自ら腰を振った。淫らな言葉を吐きながら媚びるリンクの姿にリーバルの鼻息がいっそう荒くなる。
「まったく、さっきまで挿れられるのが怖いって震えていたとは思えない乱れっぷりだなぁ。そんなに欲しいならほらッ、存分に喰らいなよ!」
 そんな叫び声と共に、リーバルの腰が大きくグラインドを開始した。バチュッ、バチュンと一打ちごとに渾身に力を込めて身体の奥にリーバルの形が刻み付けられる。
「ひ、ぃい゛ッ、あ゛ぁあ゛っ!」
 リーバルの肉棒に穿たれるたび、電撃のような激しい快楽がリンクの脳髄を灼いた。リーバルは衝撃に震えて戦慄くリンクの内壁の動きを楽しんでいるのだ。粘膜を引き摺り出すほどに大きく腰をひいては、捲れ上がった後孔が閉じる前に力強く一気に最奥を犯す。激しい動きに泡だったローションがまるで愛液のようにビチャビチャと孔から溢れ出しては、互いの下半身を濡れぼそさせる。
「うぁあ゛ッいくっいくぅ゛、イ゛ぎだい゛〜〜ッ」
「いいよ、イかせてやるよ」
 舌を突き出しながらねだるリンクにリーバルは嘴の端を釣り上げた。互いに限界が近いのだろう。絶頂に向けて不規則に激しく収縮する後孔をこじ開けるようにリーバルが一際強く叩きつける。跳ねる身体を逃さないとばかりに体重を乗せてのしかかり、弾んだ息を繰り返しながら深く最奥を抉る。
「ほら、イけよッ! 僕のでイけッ!!」
「〜〜ほぉ゛ッ、ぉおお゛……ッ!!」
 途方もない快楽にリンクの瞳がグルンと裏返り、視界が白く濁る。身体は快楽を享受する機能以外の全てを放棄してしまったかのようだった。どちらの熱ともわからない、ドロドロに熱く滾ったものに満たされていくのを感じながら、リンクの思考は白い闇へと沈んでいった。

***

……リンク? リーバル? どうしたのですか、二人とも」
 心配そうにかけられた声に、リンクはハッと我に返った。見れば目の前には気遣わしげにこちらを覗き込むゼルダ姫と、「何をぼうっとしているのですか」と小言を言うインパの姿がある。
……あ、あの祠は……?)
 慌てて視線を走らせれば、街道の先にはあの女神像が静かに佇んでいた。爆弾矢を受けて欠けたはずの傷は見当たらず、ほんの少し鼻先が黒く煤けているだけだ。背後にいたリーバルもまた、事態が飲み込めていないのか嘴をぽかんとさせている。
「リンク?」
「いえ。なんでもありませ、……っ」
 ゼルダ姫の促しを受けて足を進めようとしたところで、リンクは足元をふらつかせた。衣服の乱れもなく身体はなんともないはずなのに、胎の奥がジクジクと熱く疼いた。膝の力が抜け、その場にヘナヘナとへたり込んでしまったリンクにゼルダが目を丸くする。
「まぁ、体調が悪いのでは? よく見たら顔も赤いですよ」
……ッ」
「姫。僕たちさっき、ちょっとやりすぎちゃってね。悪いけど今日はもう上がらせてもらえるかな?」
 言葉を詰まらせたリンクに代わり、リーバルが平然とした声色で答えた。けれどチラリと顔を仰ぎ見ればリーバルの目元もほんのりと赤らみ、いつも丁寧に整えられている羽毛がどこか不恰好に膨らんでいるのがわかる。
「え、ええ。確認したかったことはあらかた済みましたから、問題ありません」
「そ。じゃあ僕たちはこれで」
 お二人ともあまり無理はなさらないでくださいね、と言い残して城へと帰還していくゼルダ姫とインパを呆然と見送る。二人の背中が見えなくなってから隣に立つリーバルを再び見れば、同じくゼルダ達を見送っていた翡翠の視線と絡み合った。そこにありありと滲む情欲の熱に、あの祠の中で共有した時間が実感を伴って蘇る。──あれは、夢じゃない。身体に当たる嘴の硬さも、腹の奥で受け止めたリーバルの熱量も。指先で絡め取ったリーバルの羽毛の柔らかささえはっきりと覚えている。
 未だ身体に灯ったままの熱をどうするべきか。それを探り合う沈黙の中、夕陽に照らされた女神像が怪しく光ったような気がした。

<了>