三毛田
2026-04-28 22:59:34
1086文字
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41 【41/狸寝入りはすぐバレる】

41日目
君は意外とわかりやすい

 珍しい。
 そんな言葉が頭に浮かんで。しゃがみ込んで、じっと見つめるけれど起きる気配はない。
 手にしている本は今にも落ちそうなので、そうっと引き抜く。
……
 胸は上下しているだけで、身じろぎ一つない。
「寝顔可愛い」
 というか、こんな無防備に眠れるんだ。
「俺がいるのに」
 俺の独り言がうるさかったのか、眉間にしわが寄って。
 距離を取ろうかと思ったが、すぐに皺がなくなったので浮かしかけた腰を戻す。
「丹恒、好きだ」
 呟いて、額にキス。
……
……起きてんじゃん」
 俺が離れた瞬間、額に触れる姿に思わず恨めしい声が出てしまう。
「狸寝入り?」
「お前が少々楽しそうにしているから、起きるタイミングを逃しただけだ」
 むすっとしながら起き上がる。
 今日は丹恒の珍しい姿ばかりを見ることが出来て、ルンルンな気分。
「また変な顔をしているな」
 つんと指先が眉間を押す。
「起きたなら、膝枕して」
「もうひと眠りさせてもらおうか」
 起こしかけた上半身をまたソファーに戻して。
「狸寝入りは許さないぞ~!」
 飛びついて胸に頬ずりすると、ちょっとだけ抵抗された。
「寝るなら、ベッドで寝よう」
「わかった」
 あまりにも素直なので、口笛を吹くとデコピンされてしまう。
 酷いよ。丹恒。
「今から寝たら、夜眠れなくなるぞ」
「丹恒だって寝てたじゃん」
「仮眠だ」
「俺も仮眠する~」
 ベッドに移動して、二人で寝転がる。靴は適当に脱いでしまったので、起きたらちゃんと揃えないと。
「えへへ」
 丹恒の胸に頬ずりすると、少々呆れつつ頭を撫でてくれて。
「おやすみ、丹恒」
「ああ、おやすみ」
 瞼の裏に瞳が隠れ、すぐに寝息。
 寝るの早すぎ。
 ここしばらくあっちこっちに護衛として、さらには締切が近い論文があるとかで資料収集も頑張っていたから本人も気づかないうちに疲れが溜まっていたのだろう。
「お前は頑張ってるよ、丹恒」
 胸から離れ、彼の頭を抱きしめて眠る。
 いつもと逆ではるが、たまには俺だって丹恒を甘やかしたいのだから。
……
 仮眠どころか、ガッツリ寝てしまった。
 当たり前だが、俺の隣にいた丹恒はいない。
 まだ部屋にいるのかなぁ? って、起きて部屋を見回す。
 いた。
「なにしてるの」
「ああ。お前のパソコンは、画面が大きいから見やすい。必要なものを俺の端末に転送するために、使わせてもらった」
「いいけど。俺が起きるまで待てなかった?」
 いつの間にか揃えられていた靴に足を入れ、丹恒を後ろから抱きしめる。
「また今度」