うすねず
2026-04-28 21:32:53
1524文字
Public カイスト
 

猫って人の上で寝るよね

グランさんが寝てるとどこからともなく現れたフロウさんがグランさんを枕にすることがあったらうれしいなあという文章です。
左右はよくわかりません。

昼寝をしていてなんか重いなあと思いながら目を覚ましたら、腹の上になんか乗っていた。
フロウだった。

フロウは長い体を器用に折りたたんでおいらの上に乗っていた。
声をかけてみたが起きない。もしかしたら無視されているだけかもしれないが、微かに聞こえる寝息は本物な気がする。
胸の上に乗ったぼさぼさ頭が、おいらが呼吸するたびに上下していた。
ところで、フロウはヒョロっとしているが小柄なわけじゃない。
そしておいらもそこまでガタイが良い方でもない。
なので、うん、重い。
耐えられないほどじゃないが、動けない。
どうしたもんかなあと空を仰ぐと、青い空をゆったりと雲が流れていた。
「ふわ……
ぼーっと眺めていると欠伸が漏れる。
腹の上にあったかいものがあると眠くなるよな。
おいらにゃ男を腹に乗っけて昼寝する趣味は無いが、別に悪さをしているわけでもないし、いいか。
というわけで、もうひと眠りすることにした。

再び目を覚ますとフロウはどこにもいなかった。
「なんだったんだろうなあ」
幻覚でも見たのだろうかと思いそうだが、おいらは幻覚も幻も見ない。
おいらの上でフロウが寝ていたのは現実だ。
「うーん。まあ、気にしてもしょうがないか」
フロウもなんとなくそういう気分だったのかもしれない。たぶん。

で、済ませていたのだが。
「また乗ってるなあ……
二度目だ。
うーん、やっぱり重い。
これって一度目の時にちゃんと起こしてしっかり拒否しなかったおいらが悪いんだろうか。
いや勝手に人を布団代わりにしてる方が悪いよな。
「おーい」
流石に起こそうと思ったんだが、声を掛けようが揺すってみようが全く起きない。
無理矢理身を起こして押しのけようとするとぐでんと伸びて纏わりつかれた。
「うわっ酒臭っ」
飲んで潰れたんだろうか。それでなんでわざわざおいらの上に来るんだ。
「むにゃむにゃ」
「ぐえっ」
ぐにゃぐにゃと巻き付いてきたフロウにそのまま関節を決められてしまった。
痛い。
そして抜けられない。どうなってるんだこれ。
仕方ない。おいらも寝よう。
で、また目を覚ますとフロウはいなかった。
でも、なんだかまた同じようなことが起きる気がするなあ……

結局、あの後もたまにフロウが寝ているおいらの上に乗ってくることは続いた。
そんなに頻度が高いわけじゃないが、忘れた頃にいつの間にかおいらの上で寝ているのだ。
そしてもう一度目を覚ますといなくなっている。
どこで寝ているかは特に関係ないらしく、外で昼寝してたら上に乗ってたり、宿で目覚めたら布団とおいらの間に挟まってたり、落とし穴の底から出られなくなってふと起きたら乗ってたりした。落とし穴の時はおいらは底の杭で串刺しになってたんだが、器用に避けて乗っていた。そこまでするなら引っこ抜いてくれればいいのになあと思った。
そんで、おいらの上で寝ている時のフロウは起こしても起きない。いや寝ているふりをしているのかもしれないが、とにかく何をしても基本的に反応しない。
無理にどかそうとするとむにゃむにゃ言いながら変な感じに巻き付いてきて身動きが取れなくなるので、四度目からは諦めておいらもすぐに寝ることにしている。
最初はなんでこんなところで寝ているのか、起きているフロウに聞こうとも思ってたんだが、そういう時に限ってフロウはおいらの前に現れない。
わざわざメールして聞くほどでもないし、そこまで困ってるわけでもないので、結局なんでフロウがおいらの上で寝るのかは謎のままだ。
まあ、たまに訪れるこの時間もそう悪くはないかなー、と思う。
フロウの重みと熱を感じながら、今回もおいらは意識を手放した。