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望月 鏡翠
2026-04-27 22:43:08
1085文字
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日課
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#2058 ラダとイライジャの訓練 その4
ラダの能力は動体の進行方向を変える。生前に行った罪が能力になったものだろう。
それを気言いたとき、近接格闘に適した異能だと思った。避けたと思った相手の動きを曲げて、キルポイントに誘導することができる。
拳やナイフの軌道を変更することもできる。
ラダが近接で戦えるなら、前線に出ることも視野に入れるといったのは、それが理由だ。
これを相手に気づかれないように密やかに仕込むことができたら、対人戦闘においては必殺の一撃になり得るのではないか。
だが、ラダが能力を使いこなせないとなると話は変わってくる。
「俺は戦力外でしょうか」
「は、気が早いな。まあそんなもんだろ、生まれたばかりみたいなもんだからなお前らダーリンは」
生前の記憶があるといっても、それは常識や法律が全く違う時代のことで、当時異能というものは彼らの身には存在していなかった。
立ち回りはこれから学んでいけばいい。
「あなたは人の身でありながら、気が長いですね。生き返る保証なんてないでしょうに」
「生き返ったって楽しいわけじゃないってことは、あんたが一番わかってるだろ。俺はできることをやるだけだ」
「その考え方は嫌いではありません」
「そうか」
「ここでいうできることっては、お前の異能で何ができるのかを解き明かす間に、体を鍛えるってことだ」
立ち合いの精度を上げる。ナイフを使った訓練や、武器を持った相手の制圧も学んでいく。
イライジャとばかり組み手をしていると、癖がつくからたまに他の職員の中で部に秀でたものの手も借りる。
「確か、現時点わかっているのは、ラダが持ち上げられるものであれば異能の対象ってことだよな」
「そうです。俺はそれを最初から知っていました。ダーリンに与えられる基本的な知識としてです」
自分がダーリンであることを知っているのと同じように、復活した瞬間に頭に流し込まれる事柄なのだろう。
「なら、体を鍛えて筋力を増したら、動かせる対象は増えるのか」
「面白い観点です。試したことはありません」
「俺が異能を使用できるようになったら、筋力は発動者のお前に依存するのか、俺に依存するのかも試してみたいな」
「それなら俺も試してみたいことがあります」
せっかく訓練で一通り試して見ればいい。それを試す過程できっと、能力も使いこなしていけるようになる。
「ということで、ラダお前に命令だ」
「なんでしょう」
「調査項目のリストを作ってくれ。俺は実は事務作業が全く苦手だからな」
「わかりました」
ラダが唇の端を歪めて笑う。呆れも混ざり、親しげでもあった。
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