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mochimochizucchini
2026-04-26 18:47:20
7298文字
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現在執筆中の灰レムレム本のノベライズ版のサンプルです。
※漫画版とだいたい同じ箇所までの掲載となります
※出血描写、捏造モブ・魔物、魔導の解釈妄想などやりたい放題ですが、少しでも楽しんでいただけたら幸いです
※こちらは執筆中の作品のため、完成時には構成や表現等が変わっている可能性があります。あらかじめご了承ください
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2
3
4
「ドラゴン退治、ですか?」
「ああ、すまないが引き受けてくれないだろうか」
ある日のこと。
仕事関係で交流のある魔導師から「急ぎの依頼があるのですぐに来てほしい」との言葉を受け、僕は彼女の事務所に呼び出されていた。
「魔導師」と言うと聞こえは良いけれど、その実体は「何でも屋」のようなものだ。
僕の場合、頼まれる仕事内容は実に多様で、単純な失せ物探しや道を塞いでいる大岩の除去など、人々のお手伝いのようなものから、新しい魔導具の開発、未開拓のダンジョンの調査、魔物の生態調査といった専門的なものまで幅広く請け負っている。
そして、今回のように『町や郊外で人を襲う魔物を退治してほしい』という依頼も少なくなかった。
依頼そのものに対する疑問はない。
しかし、僕には一つ気になることがあった。
「
……
無礼を承知でお尋ねしますが、あなたは非常に強い力を持った歴戦の魔導師であられるはず。それなのになぜ、若輩者の僕に依頼の委託を?」
彼女は一瞬、呆気にとられた表情を見せたが、僕の言う事ももっともだ、と経緯を話し始めた。
「本来、この件は私が引き受けるつもりだったんだ。
…
だが、急遽最優先でこなさなければならない依頼が割り込んできてしまってな」
「だからといって、今こうしている間にも依頼元の街ではドラゴンによる被害が出続けていると聞く。そこで暮らす彼らを放っておくことなどできないだろう?」
そう話す彼女の傍のテーブルには、見るも無惨な瓦礫と化した建物の写真が並んでいた。
「さらに
此奴
こやつ
は
……
並大抵の魔導師や勇者などでは歯が立たない相手だ」
「
———
そこで、白羽の矢が立ったのがお前というわけだ。レムレス。
『彗星の魔導師』たるお前ほどの実力者ならば、この竜の討伐もいけるのではないか
…
?とな」
……
なるほど。そういうことだったのか。
「
……
依頼をお受けする前に、そのドラゴンについての情報を見せていただいても?」
彼女は快く承諾し、数枚ほどの紙からなる報告書をこちらに差し出してきた。
それを受け取り、ざっと目を通してみる。
…………
なるほど。これは安易に頼めないわけだ。
―――
今まで、自らの元に挑んできた幾多の人間を全て葬り去り、いつしか『死の化身』として恐れられるようになったダンジョンの主。
しかし、それよりも目を引いたのは。
「たったのこれだけ
………
?」
そう、報告書には、死亡した魔導師や勇者達の情報はあれど、肝心のドラゴンに関する情報が、全くと言っていいほど載っていなかったのだ。
呆然と呟いた僕に、彼女は申し訳なさそうに頷いた。
「
…
ああ、そのドラゴンに関する情報はそれで全てなんだ。なにせ、そいつの元へ戦いに行って帰ってきた者は今まで
……
ただの一人もいないのだからな」
「
……………
」
「ここまで話しておいて今更ではあるが
………
依頼を無理に引き受けなくても構わない。私だって死ぬのは
………
怖い」
いくら
他人
ひと
より魔力が強く、戦いの心得もあるといっても、それほどまでに凶悪な魔物の相手となると、正直なところ
………
全く気は進まない。
だけれど、「一流の光の魔導師」を目指す身である以上、このような危険は覚悟の上だ。
手強い魔物の討伐自体は何度も経験しているし、今回はいつも以上に入念に準備をしていけば、きっと大丈夫だろう。
それに、なによりも
———
「
………
分かりました。その依頼、お引き受けしましょう」
「おお、本当かね!」
「『いつ竜に襲われるか分からない恐怖に怯える人々に、笑顔を取り戻したい』
その気持ちは、僕も同じですから」
そんな風にして、僕は快くドラゴン退治の依頼を引き受けたのだった。
———
その先に、地獄が待ち受けていたことも知らずに。
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