三毛田
2026-04-25 23:19:20
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38 【38/睡眠学習】

38日目
挑戦してみる睡眠学習

「サクサクパムパムパイ!」
「微妙に違う! まずは作り方からたたき込むぞ!」
 怒ったように耳を浮かせるパム。そんな俺たちのやり取りに、ため息をつく丹恒。
「不満そうだな」
「不満も不満だよ! 何が間違ってるのかも、よくわかってないし!」
 俺が叫ぶと、二人は顔を見合わせて。それからため息。
「やはり、睡眠学習に切り替えた方がいいだろうか」
「どちらにしても、あまり変わらんじゃろう」
 コソコソ言っているつもりなんだろうけど、丸聞こえだ。
「今日はもう手伝いはせんでよい。丹恒、頼んだぞ」
「ああ、任された」
 何を任されたんだよ。というか、俺に黙って色々決めるなってば。
 むすっと見上げるけれど、彼は俺の脇に手を入れて抱きあげたかと思うと、肩に担ぐ。
 ちょっとだけ、え? このまま優しく抱っこされる? ってドキドキした気持ちを返せ!
 なんて文句を言ったとしても、聞き入れてもらえない。絶対。
「むう……
 俺の部屋に着くと、丹恒はベッドにそっと――抱き上げ方は雑なくせに――下ろして。嬉しいけれど気に食わないので、頬を膨らませて見上げれば。
「何むくれているんだ」
 まるで、自分には原因がないみたいな表情。
「丹恒は、恋する男心をわかってない!」
 両手を挙げて抗議をするけれど、訳が分からない。というように首を傾げるだけ。
「それなら、お前が教えてくれるか?」
 彼がベッドに片脚を乗せると、ギシッとスプリングが鳴る。
 何だかこれからいけないことをするかのようで、ちょっとドキドキしてきた。
 でも、丹恒が望んでいるのはそういうことじゃないっていうのはわかっていて。
「本当は、軽々しく口に出せないことをしたいよ? でも、こうして見つめ合うだけでも嬉しいし、指先が触れただけでも、ドキドキする」
 偽りない本音を告げると、冷たいものが頬に触れ。
「ぎゃっ」
「す、すまない。冷たかった、か」
 それが丹恒の指先だと気付き、慌てて離れていく手を掴む。
「ちょっとびっくりしただけだから、大丈夫。丹恒は何も悪くない」
 逃げないようにしっかり掴み、そっと顔をくっつけてから頬ずり。
「もっといろいろなこと教えたいから、一緒に寝よう!」
「それは理由にならないんだが……
「じゃあ、お互いに睡眠学習してみようじゃん」
 ちょっと挑発するように告げれば、カチンときたのか何か思うところでもあったのか。俺の肩を少し強めに押してきて。
 素直に後ろに倒れ込めば、俺の腕に頭を乗せてくる。
「何この可愛い生き物」