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ぐるさん
2026-04-25 23:08:30
1456文字
Public
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4.25 ふみりかワンドロ【痴話喧嘩】
ふみりかワンドロライ(@ fmrk_1draw)さんの2026.4.25 お題をお借りしました。
いつもの日常、穏やかな昼下がり。何気ない日々をひっくり返すような怒号が僕
——
お皿を洗っている本橋依央利の耳に届いた。
「ふみやさんの馬鹿!!もう知らない!!」
廊下で怒っている理解君の声が、扉を閉めているリビングを突き抜けてキッチンまで響いている。
彼が大声を出すのは別に珍しい事では無いが、声のトーン的にただならぬ雰囲気を感じる。
それはその場に居た皆も同じだったようで、心配そうな表情を浮かべた大瀬さんと、それを追いかける形で天彦さんが部屋を出て、それと入れ替わるように猿ちゃんがふみやさんの上着の首根っこを掴んでソファに放った。
「おい、慧
——
」
「で?君は理解君に何をしたの?伊藤ふみや」
今度は自分のターンだと言うように、テラさんが立ち上がってふみやさんを詰める。
逆に猿ちゃんは、自分の役目は終わった、それ以上は興味無い、と言った表情をしつつ、ちゃっかり横目で二人の様子を観察している。
「
……
別に、何でもない」
「何でも無い訳ないでしょ?あんな怒り方の理解君、僕初めて見たよ?」
テラさんの尋問は続くが、ふみやさんは俯いたまま何も話さない。
このまま緊張状態が続くようなら、アイスブレイク代わりに何か飲み物と甘い物を提供した方が良いだろうか?
お皿を拭く手を止め、戸棚を開けてポットと茶葉を取り出すと、ふみやさんがぽつりと言葉を零した。
「
……
手、繋ごうとしたら、怒られた」
「「ん?」」
テラさんと猿ちゃんの声が綺麗にハモった。
「え?理解君と手繋ごうとしたの?ふみや君が?」
「うん」
「何で急にアイツの手ェ繋ごうとしてんだよ?付き合ってんのか?」
「うん」
「「ハァーーッ!?」」
またハモった。しかしそれを吹き飛ばす衝撃の事実が発覚してしまった。
ふみやさんと理解君が付き合ってる
……
!?気付けなかったなんて奴隷一生の不覚!折角のお付き合い負荷チャンスを逃してしまっていたなんて!
しかしながら、僕が後悔している間も話は進んでいく。
「つか手繋ごうとしたら怒られるって何?どういう触り方したんだよお前」
「普通に握ろうとしただけだよ」
「何か心当たりとかないの?付き合ってるんでしょ?」
「それは
……
えっと
……
うーん
…………
」
「何かあるね」
「言え」
いつの間にか尋問に猿ちゃんも加わっている。お皿に奴隷お手製プリンを盛り付けながら、三人の間に入るちょうど良いタイミングを窺う。
「いや、その、付き合い始めた時に、手を繋ぐのは三ヶ月が経ってからって言われてたんだけど
……
」
「「うん」」
「何か触りたくなったから、繋ごうとしたら、怒られた」
いやツッコミ所多いな!そう叫びたい気持ちをグッと堪える。
何故ならここで僕が加わると、逆に水を差してしまってふみやさんが何も話さなくなる可能性があるからだ。
「
……
それは、約束?を破ったふみや君のせいじゃない?」
「でも手繋ぎたかった」
「いや駄目って言われたモンは駄目だろ。多分」
「駄目?何で?好きな奴に触りたいって、そんなに悪い?」
ふみやさんの言い分は、何となく分かる。それはそうとして、シェアハウスを経て理解君の人となりも概ね分かる。
これでは、理解君を追いかけた大瀬さんと天彦さんも、頭を抱えているだろう。
「とんだ痴話喧嘩に巻き込まれちゃったな
……
」
結局、この喧嘩に決着が付いたのは、皿に盛ったプリンがすっかりぬるくなった頃だった。
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